形状と材質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 05:46 UTC 版)
日本の刀装として確立された様式では、鐔の中央に穴(中心穴:なかごあな)を開け、切羽と呼ばれる二枚一組の薄い金属の板で挟みこんで刀身の「茎(なかご)」に差込、目釘を茎に開けた「茎穴(なかごあな)」を通して柄に固定し、刀身と柄を接合する。鍔の形状には丸形・障泥(あおり)形・木瓜(もっこう)形・拳形・角形・喰出(はみだし)形など、大小種々ある。 儀礼用の太刀用の鍔は、「大切羽(おおせっぱ・だいせっぱ)」と呼ばれる大きな切羽と材質及び色を替えた切羽を何枚も組み合わせて刀装装飾の一部とするのが正式な様式であった。この鍔の様式は、後に太刀形の軍刀の様式としても用いられている。また、儀礼用太刀の代表である「飾太刀」には「唐鍔(からつば)(「分銅鍔(ふんどうつば)」とも)」と呼ばれる、大陸の刀装の様式を模したものが使われている。 材質は鉄・銅・金・銀、真鍮もしくはそれらの合金や、複数の素材を組み合わせたものが使われた。金や銀は主に鍍金(ときん)の素材として装飾に使われたが、桃山期には純度の高い金を鍔そのものの材質とした金無垢のものが登場している。また、平安期から戦国時代においては、「練革(ねりかわ)」と呼ばれる革を切り出して漆や膠で塗り固めたものが太刀を中心に用いられており、短刀や腰刀の中で鍔を持たないものには、「柄縁」兼用の角(牛角)製のものも多くあった。 刀剣の形式が太刀様式から抜き打ちに至便な打刀様式に変化すると、鍛鉄を極めて薄手に叩き締めた古刀匠鐔や、古甲冑師鐔と呼ばれる素朴な風合いの鉄鐔(てつつば)が作られるようになる。これは、打刀が当初軽輩の用いた武器であったために、あくまでも実用性を重視した中で刀匠・甲冑師鐔が造られたためである。この刀匠・甲冑師に施される装飾は単に鉄地を簡単な文様を繰り抜いたもので、これを影透と呼んでいる。次いで室町将軍家に従属した同朋衆の正阿弥派がデザイン性に優れた「古正阿弥」と呼称される図柄を残し地を抜いた地透鐔(じすかしつば)を創始し、桃山時代には埋忠明寿・金家・信家(桃山の三名人)などの巨匠が、それぞれ独自の境域を切り開いて芸術性の高い作品を多く遺している。 この他にも無銘ながら意匠の繊細さで知られる京透・武人の厳しい精神性を内包する尾張・金山鐔・赤銅地(しゃくどうじ)に深い彫りを施した美濃・鉄地に真鍮を嵌入した応仁や平安城象嵌・細川三斎好みの侘び趣味の平田・林・西垣・志水などの肥後鐔・洒脱さの赤坂・龍図を得意とした越前記内派・植物を画題として多く用いた武州伊藤派・布目象嵌の南蛮・利寿、乗意、安親そして政随などの名人を輩出した奈良派など、全国各地で多種多様な鐔が作られた。 剣豪として知られる宮本武蔵はまた数多くの鐔を考案し、自らも多くの鐔を製作したとされ、「武蔵鐔(むさしつば)」と呼ばれる左右海鼠透(さゆうなまこすかし)の図案は有名である。 現代において剣術や居合に使われる実用を目的とした日本刀(試斬用、居合試斬用等と呼称される)やそれらの武道の練習用の模擬刀用の鍔には古式の著名な鍔の図案を模倣、もしくは借用しているものも多く、材質にはステンレスやアルミといった近代合金が使われているものもある。
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形状と材質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/06/11 14:00 UTC 版)
洋菓子用の型には多種多様なものがあるが、セルクルと呼べるのは、枠だけで底のないもの。ホールケーキ用の型には、底が取り外せる家庭用の型もあるが、普通はセルクルと呼べない。 最も一般的なものは円形だが、正方形・長方形のものもある。また、クッキー用に生地から目的の形に抜き取るための小型のものもある。これは円形だけでなく、多彩な形状があり、星型・ハート型・六角形・葉形・各種動植物などである。 材質は、一般にオーブンの熱に耐える必要があることから、鉄に鍍金したものや、ステンレスなど、金属が多い。近年は耐熱シリコンで作られたものもある。いわゆるオーブンペーパー(クッキングペーパー)を使った紙製(厳密には樹脂製)のものもあるが、これは使い捨てで、複雑な形状もできないため多くは円形となる。 生菓子や氷菓だけに使える木製、竹製、プラスチック製のものもある。(セルクルではなく、底があるが、パウンドケーキに使うアルミホイル製で使い捨ての型もある。これは見た目も良く、ケーキが焼きあがった後も、アルミホイルをはがさなくてもよい)
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