山ノ上部屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 05:23 UTC 版)
蒼希狼 巴亞騎(あおきろう バーキ) 山ノ上部屋所属の力士。鯉太郎らと同期。本名バットバートル・ムンフバイヤル。モンゴル国出身で、故郷ではバーキという愛称で呼ばれていた。 ウランバートルのマンホールチルドレン(路上生活の孤児)のリーダーで、同じ境遇の孤児と縄張り争いを繰り返していた。抗争に勝っても生活が何も変わらない現実に気付き、そのような状況から抜け出し仲間たちを救うため、モンゴル相撲で名前を売り日本の大相撲にスカウトされようと、仲間を引き連れて国家ナーダムへ乱入。警備員や出場者と大乱闘になり激しく痛めつけられながらも、アルスラン(優勝者)を投げ飛ばし、山ノ上親方に血まみれの鬼気迫る形相で迫り、親方に見込まれて山ノ上部屋へ入門した。 入門当初は無名の存在だったが、名古屋場所で全勝同士だった渡部を下し序の口優勝、同期に一躍その名を知られるようになった。故郷の仲間を救うという強い使命感を持ち、また場所での敗北を即追放と勘違いしていたこともあって、同期や兄弟子が辟易するほど熱心に稽古に取り組んでいる。上手投げを得意とし、勝負勘も非常に鋭い。日本語は不自由で、山ノ上親方の口癖である「バカ〜」他いくつかの単語しか喋れない。 序二段として臨んだ名古屋場所で鯉太郎と対戦、タイミングを捉えた上手投げで鯉太郎の力づくの下手投げに対抗し優位に取り組みを運んだが、投げにこだわらず基本に忠実に立ち回るようになった鯉太郎に追い詰められ、最後は会心の下手投げを受けて初土俵以来初めての敗北を喫した。 「BURST」には登場しない(鮫島の回想にて、後ろ姿のみ登場)。「最後の十五日」では日本語が流暢になり、故国の自分と同じ境遇の子供たちを救うために学校を作ろうと、仲間たちに収入のほぼ全てを送金し続けていた。そのため上昇志向と金銭への執着心が極端に強くなり、周囲から力士としての品格を疑問視されながらも、同期の中で最も早く出世し最初に小結に昇進していた。しかし故国の仲間が貯金を中華系マフィアに奪われた挙句皆殺しにされ、その直後に同郷の泡影が同じ目的で既に学校を設立していたと聞いて、自分のしてきたことが無意味だったと思い知らされる。さらにその泡影との取組に圧倒的な実力差で敗れてしまい、僅か一場所で小結から陥落。以後幕内には留っており九月場所時点で西前頭六枚目となっているものの、相撲に取り組む気力を完全に失い引退を考えるほど苦悩していた。しかし大山道と鯉太郎の魂を振り絞る取組に、亡くなった仲間たちに後押しされるかのように力士としての情熱を取り戻し、その後大山道を下した鯉太郎の七日目の取組相手となった。 当日の取り組みではかつてのように闘志溢れる姿を見せ、制限時間を待たず最初の立ち合いから激突。真正面のぶつかり合いからまわしを取りあっての激しい攻防を演じ、鯉太郎の下手投げを力技の上手投げで返した瞬間、逆にすくい投げを受けて敗れた。取組後、土俵で倒れ動けなくなった鯉太郎を叱咤して起き上がらせ、互いに手を取って立ち上がり土俵を下りた。 初登場前の本誌の予告では「序ノ口優勝者のモンゴル人力士、岩ノ山。果たして実力は!?」と、実際の四股名と全く異なるコピーが出ていた。 大山道 豊(おおやまどう ゆたか) 山ノ上部屋の関取。初登場時は十両。大地狼の付け人だったことからモンゴル語を話せる。児童養護施設の出身で、境遇が似ていて孤立しがちな蒼希狼を何かと気にかけており、また親身になって日本語を教え稽古でも自ら進んで胸を貸しているため蒼希狼から慕われ、蒼希狼が気力を失った時は親方と共に日ごろから心配していた。付き人時代に身につけたモンゴル語が多少話せる。 「BURST」には登場しない。「最後の十五日」では西前頭七枚目に昇進、技巧派のベテラン力士として活躍している。鯉太郎の六日目の取組相手となり、押すと見せて引く、引くと見せて押す老獪な駆け引きで鯉太郎を追い詰めたが、偶然に駆け引きのコツを掴んだ鯉太郎に主導権を握られ、互いに力を振り絞る熱戦の末押し出しで敗れた。 小手先のテクニックとは違う、強烈な殺気を自在に出し入れしながら相手を追い詰める取り口は鯉太郎に大きな影響を与えた。 山ノ上 大五郎(やまのうえ だいごろう) 山ノ上部屋の親方。現役時代の四股名は大山狼、最高位は関脇。額から頭頂まで禿げ上がり腹がせり出た初老の男性。口癖は「バカ〜」。 新弟子スカウトのための視察に来ていたモンゴルで蒼希狼を見初め、日本へと連れ帰り入門させた。日本語の通じない蒼希狼にジェスチャーで熱心に投げの指導を行い、蒼希狼から慕われている。片言だがモンゴル語を話せる。
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