就任条件とは? わかりやすく解説

就任条件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 09:46 UTC 版)

自由民主党総裁」の記事における「就任条件」の解説

党則上、国会議員衆議院議員参議院議員)の自民党員全員総裁就任資格はあるが、現実問題として実績がない者が総裁選挙に出馬したところで選出される役職ではない。 田中角栄総理総裁の就任条件(総裁選への出馬条件)として、「党三役のうち、幹事長を含む二役(つまり他に総務会長または政調会長)、内閣外相蔵相現在の財務相)、通産相現在の経済産業相)のうち2閣僚」(の経験者であること)を挙げていた。この最低4つ歴任しえすれば必ず総理総裁になれるというわけではないが、総理総裁候補実力者なら経験していて当然の要職考えていたと思われる野田聖子衆議院議員1993年初当選安倍晋三同期)も、2009年の総選挙民主党へ政権交代により自民党下野した際に、女性初の総理大臣目指し同年総裁選出馬しようとしたが、後見役古賀誠から同様に資格小選挙区出で三役経験者だ」と言われ止められたという(この総裁選挙では谷垣禎一河野太郎西村康稔の3人が出馬し谷垣当選した)。三角大福三木武夫田中角栄大平正芳福田赳夫)の4人はこの条件を一応充足していた。 しかし、鈴木善幸以降条件該当しない総理総裁多くなりつつあり、田中挙げた条件全て満たした自民党議員は、安倍晋太郎三塚博桜内義雄橋本龍太郎麻生太郎茂木敏充の6人、条件該当した状態で総理総裁就任したのは橋本だけである(安倍党三役すべて歴任麻生総理総裁退任後に財務相となり条件満たした)。宮澤喜一通産相外相蔵相内閣官房長官副総理、党の総務会長などを歴任しているが、党の幹事長職のみ就任していない。森喜朗党三役はすべて歴任し通産相歴任しているが、外相もしくは蔵相歴任していない。逆に海部俊樹小泉純一郎福田康夫菅義偉条件として挙げられた党の役職閣僚一切経験なし、安倍晋三幹事長のみで内閣官房長官以外の閣僚経験なし、岸田文雄政調会長および外相のみの経験総理総裁となった自民党歴代総裁在職日数上位5名(池田勇人佐藤栄作中曽根康弘小泉純一郎安倍晋三)の内、田中条件該当している者はいない(ただし自民党前身自由党時代含めると池田勇人佐藤栄作充足している)。田中ロッキード事件無罪勝ち取った後の復帰念頭に三角大福世代からの世代交代動き釘を刺すことに執心しており、その一環として条件主張でもあった。田中自身より年上鈴木善幸条件ポスト経験総務会長のみ)や、田中同年齢の中曽根党三役条件満たした外相および蔵相未経験)については、総裁擁立する立場回っている。 条件からは除外されている内閣官房長官は、当時から内閣要職であったが、田中田中派内の世代交代抑えようとする上で念頭にあった竹下登官房長官経験者であるのに対して田中自身未経験であった2000年以降は、特に副総理扱い閣僚なければ官房長官内閣総理大臣臨時代理第1位事前指定者とする慣行がある。また、2007年総裁となった福田康夫選挙対策委員長選対委員長)を党三役同等ポストとして格上げし総裁指名としたことによって、それ以降選対委員長含めた党四役党三役に代わって自民党執行部中枢となった(ただし、谷垣禎一総裁時代2009年2012年)には選対委員長格下げされ従来党三役執行部体制となっていた)。 ちなみに現職自民党総裁重複立候補した者は2000年衆院選石川2区圧勝しただけである(現職総理大臣重複立候補した例は民主党政権時代野田佳彦のみ。小選挙区比例代表並立制導入以降自身比例候補定年73歳未満だった199620002003・20052009年と5回連続重複立候補全て小選挙区勝利している)。小泉総裁時代行われた2005年衆院選では、自民党神奈川県会長河野太郎小泉比例南関東ブロック神奈川11区重複立候補することを要請していた。理由は、「比例での自民上積みとされる。しかし、重複する小泉の顔を使った自民党ポスターが同ブロック神奈川千葉山梨3県で貼れなくなるという公職選挙法問題があったため、重複立候補取り止めとなったこのような理由があるために、現在に至るまで総理総裁職にある者は基本的に重複立候補ていない逆に退任した総理総裁比例73歳定年制該当しない限り重複立候補する)。

※この「就任条件」の解説は、「自由民主党総裁」の解説の一部です。
「就任条件」を含む「自由民主党総裁」の記事については、「自由民主党総裁」の概要を参照ください。

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