小谷澄之とは? わかりやすく解説

小谷澄之

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 17:09 UTC 版)

小谷 澄之(こたに すみゆき、1903年8月3日 - 1991年10月9日)は、日本柔道家講道館10段)、レスリング選手。


注釈

  1. ^ 第1回大会・第2大会とも熊本福岡に連敗しており、旧藩時代より柔術が盛んで明治時代には肥後7流を輩出するなど“柔どころ”を自認する熊本にとっては、その面目を保つためにも勝利が至上命題であった[6]。これに先立ち京都武徳殿で行われた熊本選手団の強化合宿には、県民から多くの激励の手紙のほか、体力を付けるようにと酒や醤油、生きた状態の鳥や牛までも送られてきたという[8]
  2. ^ ただし小谷は後に、「当時熊本の人達には必要以上・実力以上に持て囃(はや)されたが、自分は面白くなかった」「柔道が多少強くても、自分は社会人1年生なんだと、淋しい時すらあった」と語っている[3]
  3. ^ 小谷は仏教徒ではあるが、特に信仰があるわけでは無い。よく判らないまま寺院に通い、静かな部屋で座っている時が気持ち良いから通ったという程度であった[3]
  4. ^ 現地で飛び入り挑戦をしてくる者は巨体の鷹崎正見ではなく、決まって小柄な小谷を相手に指名して挑んできた[8]。どちらかが失神をするか降参の意思表示をするまで試合を続ける真剣勝負であったが、小谷はこれを片っ端から打ち負かしている[8]ロンドンでは柔道の有段者10名を相手に掛け試合を演じ、様々なで瞬く間にこれを片付けた時には、試合後にイギリス柔道の祖でもある小泉軍治が駆け寄ってきて「この巨人達を10分足らずで、どうして投げられるのかちょっと考えられないが、事実あなた(小谷)は目の前で実行された」「素晴らしい柔道の普及になりました」と大喜びだったとの事[8]
  5. ^ それどころか、オーストリアウィーン市内を散歩中に嘉納から、「君は無駄足をする。三歩で良い所を五歩も六歩も歩く。それは良くない」と注意された事が印象に残っていた[4]
  6. ^ 講道館10段位は9段の者が死亡後、命日ないしその前日に遡って授与される事も多く、小谷が10段位を受ける直前の4名(岡野好太郎、正力松太郎中野正三栗原民雄)はいずれも没後の追贈であった。ちなみに小谷に続いたのは3名同時昇段となった安部一郎大沢慶己醍醐敏郎の各氏で、いずれも存命中に10段位を受けている。

出典

  1. ^ a b c d e 野間清治 (1934年11月25日). “柔道六段”. 昭和天覧試合:皇太子殿下御誕生奉祝、841頁 (大日本雄弁会講談社) 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 財団法人講道館編輯部 (1991年12月1日). “故小谷澄之十段の講道館葬”. 機関誌「柔道」(1991年12月号)、4-9頁 (財団法人講道館) 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 小谷澄之 (1967年4月1日). “汗のあと、涙のあと -修業時代の想い出-”. 機関誌「柔道」(1967年4月号)、15-18頁 (財団法人講道館) 
  4. ^ a b c d 小谷澄之 (1984年6月1日). “講道館百周年記念昇段者及び新十段・九段のことば”. 機関誌「柔道」(1984年6月号)、42頁 (財団法人講道館) 
  5. ^ a b c d e f g h i 工藤雷介・横尾一彦 (1984年9月20日). “背負い投げに名刀の冴えがあった -小谷澄之10段-”. ゴング(9月号増刊)、62頁 (日本スポーツ出版社) 
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n くろだたけし (1980年11月20日). “名選手ものがたり13 -9段小谷澄之の巻-”. 近代柔道(1980年11月号)、57頁 (ベースボール・マガジン社) 
  7. ^ a b c d e f g h i 工藤雷介 (1965年12月1日). “九段 小谷澄之”. 柔道名鑑、7-8頁 (柔道名鑑刊行会) 
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 本橋端奈子 (2012年1月1日). “講道館柔道十段物語 第12回 -“柔道一路”背負投の名人 小谷澄之-”. 機関誌「柔道」(2012年1月号)、5-13頁 (財団法人講道館) 
  9. ^ 山縣淳男 (1999年11月21日). “小谷澄之 -こたにすみゆき”. 柔道大事典、176頁 (アテネ書房) 


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