地域・宗教的な差とは? わかりやすく解説

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地域・宗教的な差

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 14:23 UTC 版)

食品」の記事における「地域・宗教的な差」の解説

食のタブー」も参照 食品とされるものは文化地域的な的な差が小さくなく、ある地域において重要な食品とされているものが他地域では食品みなされていないということは珍しくない例え昆虫は、熱帯亜熱帯中心にかなりの文化昆虫食文化持っている一方、ほとんど昆虫食文化持たず食品とすることに強い抵抗感を示す地域多く存在する。 また各宗教ごとに戒律などの食物規定大きく異なるので、各宗教圏ごとに食べられるものが異なっている。例えユダヤ教ではトーラーモーセ五書)の規定によりカシュルート呼ばれる食物規定がありその規定適合したものだけが「カシェル」(=清浄規定適合し食べてよいもの)とされ、反芻せず蹄が分かれていない動物の肉、およびひれと鱗のない魚などは食べることを禁じられているため、豚肉クラゲナマズサメアワビハマグリホタテガイカニエビイカなどはそもそも不浄な生き物」とされ食べることを禁じられている。 イスラム教では『クルアーン』で「不浄とされる豚を食べることが禁忌とされ、またその他に食肉中心にイスラム法許され食材ハラール)を食べることが求められるヒンドゥー教においては「聖獣とされる牛の肉を食することが強く忌避されているが、この他にも肉食全般への忌避感は強く上位カースト中心にニワトリ、卵さえも口にしない厳格な菜食主義実践する人びとも多い。ただしヒンドゥー教完全菜食主義は採っていないため、殺生伴わない乳製品はむしろ盛んに食されており、ヒンドゥー教徒食生活にとってなくてはならないものとなっている。同様に禁忌とされることが多い食品としては酒がある。イスラム教では酒は教義禁じられている。ヒンドゥー教では酒は禁忌とされてはいないが、社会的には非常に好ましくないものとされている。 宗教戒律以外でも、菜食主義者の他、すべての動物性食品摂取拒否するヴィーガンのように、みずからの信条に伴いある食品拒否する人々存在するまた、普通に流通している食品であっても個人によっては摂取した際にアレルギー反応起こし、体にさまざまな症状引き起こす場合がある。強い食物アレルギーがある場合最悪場合死に至ることすらある。 さらに、世界のほとんどで食用とされないものを、ある文化人々特殊な処理方法によって食品とすることもある。例えフグには強い毒があるためほとんどの文化では食用としないものの、日本においては有毒部分取り除いたものが美味として広く流通している。 上記のような極端な例除いても、各地域において主に用いられる食品違いはなお大きい。各地域それぞれ主に炭水化物供給する主食を持つが、それにもコムギコメトウモロコシなどの穀物主食とする地域から、キャッサバタロイモなどのイモ類主食にする地域まで幅がある。乳製品地域的な差の多い食品であり、遊牧民中心に広い範囲乳製品利用圏が広がっている一方で東アジア東南アジアでは伝統的に乳製品用いてはこなかった。しかしこうした食品地域差は、とくに1990年代以降急速なグローバリゼーション進行によって標準化進みつつあり、全体として縮小する傾向にある。特色ある食品料理はその地域文化となることも多い。ヨーロッパで19世紀民族意識ナショナリズム興隆した結果各地でその地域代表するような名物料理成立し民族地域意識のひとつとなってきた。

※この「地域・宗教的な差」の解説は、「食品」の解説の一部です。
「地域・宗教的な差」を含む「食品」の記事については、「食品」の概要を参照ください。

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