鱗のない魚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 06:46 UTC 版)
ニシキテグリには鱗が無く、臭くて苦い粘液層で自身を保護している。 鱗のない魚は通常、頑丈な革状の皮膚や鱗板(bony plate)など、鱗の代替になる保護方法を進化させる。 無顎類(ヤツメウナギとヌタウナギ)は、鱗がなく皮骨もないヌルヌルとした皮膚を持っている。ヤツメウナギは頑丈な革状の皮膚からある程度の保護を受ける。ヌタウナギは脅威に遭遇すると大量の粘液を滲みださせる。彼らは止め結びに自身を結ぶことができ、進む際にゼリー粘液をそぎ落として捕食者から逃亡する。 大半のウナギには鱗が無いが、一部の種は小さくヌルヌルした円鱗で覆われている。 大半のナマズには鱗が無いが、真皮板やある種の稜鱗みたいな形状の体躯装甲を持つ科も若干ある ニシキテグリには鱗が無い代わりに臭くて苦みのある粘液層があり、これが病気を阻止したり、それが輝くような警告色を催すことで恐らく捕食者を戸惑わせている。 チョウチンアンコウには緩んだ薄い皮膚があり、しばしば細く先割れした真皮の棘や結節で覆われているが、定常的な鱗を持ってはいない。彼らは捕食者の注意を避けるのをカモフラージュに依存しているものの、緩んだ皮膚は捕食者が捕まえるのを困難にしている。 ヨウジウオ亜目、タツノオトシゴ、ハコフグ科、一部のトゲウオ科を含む硬骨魚類の多くのグループは、捕食者に対する保護装甲として、構造上は楯鱗に似た外部鱗板を発達させている。 タツノオトシゴには鱗が無く、頭から尾まで輪っか状に配置された体輪(bony plate)という装甲の上に薄い皮膚が伸びている。 ハコフグ科では、鱗板が融合して硬い甲羅または外骨格を形成し、体全体を覆っている。これら鱗板は変容した鱗ではなく、骨化した皮膚である。この重い装甲のためハコフグ科は緩慢な動作を余儀なくされているが、成魚を食べることが可能な他の魚は殆どいない。 ウナギには鱗が無いように見えるが、小型でヌルヌルした円鱗で覆われている種もいる ハコフグ科は、骨化した皮膚の板(鱗板)が融合して硬い甲羅を形成する タツノオトシゴは輪っか状に配置された体輪の上に伸縮する薄い皮膚がある ホキやメカジキといった一部の魚は、誕生時に鱗があるのだが成長するにつれて剥がれていく。 カワハギ科には小さな棘付きでざらついた重なっていない鱗がある。一部のカワハギ科は鱗が非常に小さいため鱗が無いように見える。 マグロには、側線沿いおよび胸甲にだけ肥大した突起状の鱗がある。マグロ胴部の大部分には、簡易検査だと鱗が無いように見えるほどの小さな鱗がある。 一部のカワハギ科は、鱗が非常に小さいため鱗が無いように見える 簡易検査だとマグロには大型の鱗がないように見えるが、そうではない
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