鱗の発達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 06:46 UTC 版)
鱗は典型的に、魚の発達の後半に出現する。ゼブラフィッシュの場合、鱗形成の始まりに必要な別の層が差別化および組織化されていくまで、受精後30日かかる。このためには間葉の統合が発生し、その後形態形成が誘発され、最終的に分化または後期変態の過程が発現する必要がある。 板状鱗とは違って、ガノイン鱗は異なる領域にあるコラーゲンで構成されている。これらの形成は間葉の表面細胞基質への進入を介して発生し、後者はコラーゲン繊維で構成されていて毛細血管の周りにあり、そのため血管腔を生じさせる。この時点で、線維芽細胞は骨芽細胞に置き換えられ、骨を形成する。鱗の基底の小片は、間葉との結合を維持させうる稠密なコラーゲンで構成されている。これはシャーピー繊維として知られている。 魚における鱗形成の発達を調節する遺伝子の一つがソニック・ヘッジホッグ(shh)遺伝子で、器官形成および細胞通信の過程に関与するこの(shh)タンパク質によって、鱗の形成が可能になる。トリグリセリドとコレステロールの輸送および代謝を可能にするアポリポ蛋白E(ApoE)はshhと相互作用する、なぜならApoEがshhシグナル伝達経路にコレステロールを提供するためである。細胞分化と細胞間相互作用の過程ではApoE転写のレベルが高いことが示されており、このタンパク質が鱗の発達後期にとって重要であるとの結論がもたらされている。
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