国際的発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 19:20 UTC 版)
7人制の成功により、史上初の公式国際大会の開催から3年後の1976年に香港セブンズが始まり40年以上、開催は続いている。「メルローズ・カップ」を争うラグビーワールドカップセブンズは1993年に開始された。最もよく知られている3つの7人制ラグビーの大会は香港セブンズ、ウェリントンセブンズ、ドバイセブンズであり、これらはワールドラグビーセブンズワールドシリーズの一部を構成している。 スコットランドとの結び付きは1970年代における香港セブンズの設立でも継続し、香港セブンズは主に "Tokkie" Smithといった専門家らによって設立された。イングランドでは、ロンドン・スコティッシュRFCが開始時からミドルセックスセブンズに強く関与していた。香港セブンズは時代を先取りしており、ラグビーユニオンの近代化に影響力の大きい力であった。例えば、香港セブンズは大きなスポンサーを引き付けた初めてのラグビーユニオン大会の1つであり、1976年大会ではキャセイパシフィック航空がスポンサーを務めた。また、7人制ラグビーは世界主義的な国際競争の意識をラグビー界にもたらした。このような意識は、フランスが少し関わっている以外、1987年にラグビーワールドカップが初めて開催される以前にはラグビー界には存在しない傾向があった。特に香港は「ビッグエイト」の1つと見なされていなかった。そして、英連邦のチームは悪名高く排他的な傾向にあった。1986年までには、香港セブンズは他国に対する良い手本として支持されていた。 この7人制国際大会は疑いなく最も壮観、魅惑的で、世界で最もよく組織されたラグビー大会であり、どこでも見られるセブンズ・ラグビーの最高水準を一貫して生み出してきた。 私が最初に観戦した際にオーストラリア人、ニュージーランド人、 フィジー人、そしてイギリス人選手の上質のプレーを見たことは驚きではなかったが、これまでラグビーがプレーされていることを私が知りもしなかった国々によって産み出される驚くほどに質の高いプレーには圧倒された。韓国および西サモアはあらゆる点で日本およびトンガに劣っていなかった。インドネシア、タイ、シンガポールは純然たる体の大きさや厚さに欠けていることで克服できないハンディキャップを負っていたが、互いに対抗して幅広いランとハンドリングの技術を示し、これらは無条件の称賛に値した。パプアニューギニア、スリランカ、ソロモン諸島はいや応なく主要なラグビー強豪国によって打ち負かされたが、彼らは注目すべきほどに高いレベルの技術を持っており、この競技の将来は前途洋々である。 香港大会の週には、数日間にわたって24カ国の代表が混ざることができ、この大規模な知識の交流は新興国に対して長期的には有益なことづくめである。上位8カ国のシード国がプールシステムで戦った初日の後、2日目は3つの異なるレベルの競技会に分かれる。…この偉大な大会の強みは、開幕日に世界で最も有名な選手達と、ラグビーがマイナースポーツである国から来た相手がピッチを共にする点にある。…香港セブンズのような大会が続いている間は、ラグビーの責任者達は、この競技が世界中の100を超える国々で繁栄し続けることを確信できるだろう。 しかしながら、この見かけの多様性とは裏腹に、国際ラグビーを悩ませてきた同じ古い問題の一部が1980年代の香港セブンズではまだ明白であった。例えば、1984年の大会での香港対バーレーンの試合の写真には、民族的にアラビア人あるいは中国人である選手は誰も含まれいないように見え、代わりにどちらのチームもかなり明確に北ヨーロッパに民族的起源を持っていた。 7人制ラグビーはスコティッシュ・ボーダーズにおいて人気を保ち、この地方では最高峰の10の7人制ラグビーの大会によって「Kings of the Sevens」と呼ばれるリーグ大会が作られている。7人制ラグビーの創造におけるメルローズRFCの役割を称えて、クラブはヘイグと共に2008年にIRB殿堂入りした。 7人制ラグビーはフィジー、トンガ、サモアの南洋諸国やアフリカのケニアにも強く根付いている。多くのラグビーがマイナーな国々(例えばポーランドの場合)において、ラグビーを人々に紹介する手段として7人制ラグビーに焦点を合わせる傾向がある。7人制ラグビーは香港、シンガポール、ドバイといった15人制の普及が成功してない場所で盛んになっている。加えて、2020年現在、セブンズワールドシリーズの全てのレグに参加している15の核となるチームのうち7つ(フィジー、サモア、ケニア、アメリカ合衆国、カナダ、スペイン)は、15人制では広く認められたトップティアの国には入っていない。
※この「国際的発展」の解説は、「7人制ラグビー」の解説の一部です。
「国際的発展」を含む「7人制ラグビー」の記事については、「7人制ラグビー」の概要を参照ください。
- 国際的発展のページへのリンク