国際的機関による調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:48 UTC 版)
学習到達度調査 (PISA) 2019年12月に発表されたPISA2018は、15歳(高校1年生)でゆとり教育(移行期間)と脱ゆとり教育を受けた世代として結果が注目されたが、読解力は72か国中8位→79か国中15位(信頼区間は499~509点、有意差のない順位は11位~20位)20位。数学的リテラシーは72か国中5位→79か国中8位へ(信頼区間は6位〜8位)8位、科学的リテラシーは72か国中2位→79か国中5位へ(信頼区間4~5位)5位へ、と全分野で順位を下げ、過去最低となった。また、同一問題による正答率の比較でも、前回を下回る問題の方が多かった。 PISA2015では、日本は読解力でECD加盟国において、平均で20%近い生徒が、実生活で効果的、生産的に読解の能力を発揮し始めるレベルである基礎的習熟度レベル(レベル2)に達していない。日本の場合、13%の生徒が読解力でレベル2を下回っているが、これは2009年の割合と同程度である。さらにPISA2018では、日本は、「数学的リテラシー」が今回各国中6番目で、平均得点は2003年から2018年まで安定して推移している。「科学的リテラシー」は各国中5番目となっており、前回の調査(2015年)同様、世界トップレベルを維持している。 PISAで読解力を測定する3つの能力(情報を探し出す、理解する、評価し熟考する)について、平均得点が比較可能(読解力が中心分野)である2000年、2009年、2018年の結果を踏まえると、「理解する」能力は平均得点が安定的に高かった。一方、「情報を探し出す」と「評価し、熟考する」能力は、2009年調査結果から平均得点が低下した。小学校3年から中学校3年までゆとり教育を7年間受けたPISA2009世代と、小学校1・2年時に移行措置中のゆとり教育を、以降の7年間は脱ゆとり教育を受けたPISA2018世代を比較すると、PISA2009世代が全分野の得点で上回っており、読解力については有意な得点差となっている。 国際数学・理科教育動向調査(TIMSS) 2003年に国際教育到達度評価学会(IEA)が行った国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2003)では、小学4年生の算数の平均得点は1995年より3点低くなったが統計上の誤差を考慮すると有意差はなかった。小数第2位までのひき算「4.03-1.15」では、正答率が95年の87.3%から03年の72.3%へと15.0ポイントも下げている。中学2年生の数学同一問題全79題の平均正答率は、1999年より4%低くなっていて、前回より上がった問題が7問、下がった問題が72問となっている。 同時に行われた調査では、「数学の勉強が楽しい」かについて「強くそう思う」割合は9%(前回は6%)と若干増えたものの、国際平均29%と比べると依然低いままであった。また「そう思う」割合は30%(前回33%)、「そう思わない」「まったくそう思わない」割合は61%(前回61%)、前々回(1995年)の54%より7%増えた。
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