国鉄での停滞と都市交通の変容とは? わかりやすく解説

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国鉄での停滞と都市交通の変容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 08:53 UTC 版)

日本の電車史」の記事における「国鉄での停滞と都市交通の変容」の解説

国鉄における技術革新は、世界でも珍しい寝台座席車兼用581系・583系電車1967年開発され1973年自然振り子式車両381系電車出来た辺り最後に停滞するようになっていく。その背景には、労使関係悪化もあって、新形式の投入に対して国鉄労働組合国労)や国鉄動力車労働組合動労)が反発したこと、試運転実施もこれらの労組非協力的姿勢反発困難だったことがあり、なお、国鉄財政悪化のなかで通勤五方面作戦などの混雑緩和追われ新形投入よりも既存車両同一車両大量増備した方が安定的見られ部分があるとされる。そのため、国鉄電化区間においてはその末期辺りまで、昭和30年代開発され103系電車113系電車などの車両20年前後長きにわたり投入され続け東海道・山陽新幹線でも、開業以来1980年代半ばまで0系電車長年にわたり増備され続けるという、技術的に停滞する結果招いた。 その一方で私鉄では徐々に技術革新進んでいった。帝都高速度交通営団(現在は別組織東京地下鉄)で、それまで制御方式である抵抗制御に代わって、電機子チョッパ制御(熱放出量が少ない・消費電力軽減できるシステムである回生ブレーキ使用が可能)並びにアルミ合金車体メンテナンス軽減軽量化利点がある)を採用した6000系電車1968年開発された。また、東京急行電鉄1950年代後半からステンレス車体(アルミ合金に同じ)を積極的に採用していたが、やはり回生ブレーキ使用できる界磁チョッパ制御方式導入至った高度経済成長期最盛期からオイルショック後時代にかけ、質より量に傾きがちであった国鉄代わり車両重電メーカー各社との協力で、日本の電車技術革新実効的に推進した、という点で、この時期大手私鉄企業地下鉄事業者功績大きい。 しかし私鉄についても会社によって方針は様々であり、抵抗制御鋼製車体の車両維持する会社まだまだ多かった。なお、地下鉄各社新技術の導入積極的なのは、抵抗器廃熱によるトンネル内の気温上昇勾配区間連続等、地上路線よりも運転条件厳しかったことによるまた、国鉄前述技術採用した電車製造されるには、オイルショックに伴い省エネ叫ばれるようになった1979年201系電車電機子チョッパ制御鋼製車体)まで待つ必要があった。 また、都市交通として使命長く負っていた路面電車も、自動車社会発達モータリゼーション)の影響で、大都市中心に広島市などの例外残して次々と廃止されていった大都市近郊においては路面電車代わりに地下鉄の建設1927年東京地下鉄道都市交通としては初)が盛んになっていく。 通勤形・近郊形車両への冷房導入や、都市発達による編成長大化、緊密ダイヤ化なども、この頃推し進められるようになっていった。ロングシート通勤車両冷房化京王帝都電鉄(現・京王電鉄初代5000系電車端を発しているが、地下区間において前述トンネル内気上昇問題があり、抵抗制御車両限らず地下鉄車両には冷房機を設置することが躊躇され(冷房機もまた車外に熱を排出する為)、サービス向上足枷となった1983年には、熊本市交通局インバータ技術活用した可変電圧可変周波数制御VVVF制御)を用いた8200形電車製造された。この方式は現在に至って電車電気機関車主流方式として広く採用されている。 国鉄末期には、211系電車205系電車直巻電動機使用し簡便な回路構成用いて回生制動使用できる界磁添加励磁制御方式開発採用される一方1986年に1編成のみが試作された207系電車のように、実用化まもないVVVF制御いち早く導入しようという気運見られた。これらは、国鉄分割民営化に伴うJR各社発足後本格的に進展する事になる。なお、211系205系電車では合金車体の他、機構簡略化軽量化図ったボルスタレス台車採用されている。

※この「国鉄での停滞と都市交通の変容」の解説は、「日本の電車史」の解説の一部です。
「国鉄での停滞と都市交通の変容」を含む「日本の電車史」の記事については、「日本の電車史」の概要を参照ください。

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