国家賠償訴訟
別名:国家賠償請求訴訟
公務員の職務上の不法行為によって損害を受けた者が国または地方自治体に賠償を求める訴訟。国家賠償法を根拠として行われる。
国家賠償法第1条では次のように規定されている。
国家賠償法国家賠償法第2条では、道路、河川、公共施設の管理の不備などによる損害も国家賠償の対象となる旨が規定されている。
第一条
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
国家賠償訴訟が提訴される事例としては、警察による誤認逮捕や違法な取り調べ、国道などからもたらされる排ガスによる健康被害などがある。在日外国人が参政権を認められない事実に精神的苦痛を受けたとして慰謝料を求め国家賠償訴訟を起こした例もある。
関連サイト:
国家賠償法 - e-Gov
国家賠償法
(国家賠償請求訴訟 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 05:02 UTC 版)
国家賠償法(こっかばいしょうほう)は、日本国憲法第17条の実施法律として制定された、日本の法律である。行政救済法の一つで、行政法に分類されるが、民法の特別法としての側面も持つ。法令番号は昭和22年法律第125号、1947年(昭和22年)10月27日に公布された。主務官庁は法務省訟務局行政訴務課で、人事院事務総局公平審査局調整課および総務省行政管理局調査法制課と連携して執行にあたる。
- ^ 松本克美 2003, p. 317.
- ^ 藤田宙靖(編著) 2005, p. 481.
- ^ 法治協会(編)『行政法論叢』法治協会、1903年、192-212頁。NDLJP:2937359/104。(穂積八束、松波仁一郎執筆)
- ^ 今村成和『国家補償法』有斐閣、1957年、89頁。 NCID BN02480478。
- ^ a b 藤田宙靖(編著) 2005, p. 482.
- ^ 法治協会(編)『行政法論叢』法治協会、1903年、198頁。NDLJP:2937359/107。(松波仁一郎執筆)
- ^ 甲斐素直. “国家補償法その1 国家賠償”. 憲法人権の基礎理論. 2008年5月15日閲覧。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 昭和56年4月14日 民集第35巻3号620頁、昭和52(オ)323、『損害賠償等』。
- ^ “弁護士法”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2008年10月24日閲覧。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 昭和62年2月6日 集民第150号75頁、昭和59(オ)1058、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 昭和60年11月21日 民集39巻7号1512頁、昭和53(オ)1240、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 平成9年9月9日 民集第51巻8号3850頁、平成6(オ)1287、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 昭和57年3月12日 民集第36巻3号329頁、昭和53(オ)69、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 平成5年2月18日 民集第47巻2号574頁、昭和63(オ)890、『教育施設負担金返還』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 昭和59年3月23日 民集38巻5号475頁、昭和56(オ)174、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 昭和57年1月19日 民集36巻1号19頁、昭和55(オ)401、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 平成元年11月24日 民集第43巻10号1169頁、昭和61(オ)1152、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 平成7年6月23日 民集第49巻6号1600頁、平成1(オ)1260、『損害賠償、民訴法一九八条二項による返還及び損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 平成16年4月27日 民集第58巻4号1032頁、平成13(受)1760、『損害賠償,民訴法260条2項による仮執行の原状回復請求事件』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 平成16年10月15日 民集第58巻7号1802頁、平成13(オ)1194、『損害賠償,仮執行の原状回復等請求上告,同附帯上告事件』。
- ^ 最高裁判所大法廷判決 平成17年9月14日 民集 第59巻7号2087頁、平成13(行ツ)82、『在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 昭和57年4月1日 民集第36巻4号519頁、昭和51(オ)1249、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 昭和31年11月30日 民集第10巻11号1502頁、昭和29(オ)774、『損害賠償請求』。
- ^ 東京高等裁判所判決 昭和29年7月19日 高裁判例集第7巻12号1063頁、昭和28(ネ)1169、『損害賠償』。
- ^ (稲葉 et al. 2018), p. p. 310 - 311.
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 昭和58年2月18日 民集37巻1号101頁、昭和56(オ)539、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 平成16年1月15日 民集第58巻1号226頁、平成14(受)687、『損害賠償請求事件』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 昭和61年2月27日 民集40巻1号124頁、昭和58(オ)767、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 平成17年12月8日 集民第218号1075頁、平成17(受)715、『損害賠償請求事件』。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 昭和30年4月19日 民集第9巻5号534頁、昭和28(オ)625、『農地委員会解散命令無効確認並に慰藉料請求』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 平成19年1月25日 民集第61巻1号1頁、平成17(受)2335、『損害賠償請求事件』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 昭和45年8月20日 民集第24巻9号1268頁、昭和42(オ)921、『損害賠償請求』。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 昭和50年7月25日 民集第29巻6号1136頁、昭和47(オ)704、『損害賠償請求』。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 平成5年3月30日 民集第47巻4号3226頁、昭和61(オ)315、『損害賠償請求事件』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 昭和59年1月26日 民集38巻2号53頁、昭和53(オ)492、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第一小法廷判決 平成2年12月13日 民集44巻9号1186頁、昭和63(オ)791、『損害賠償』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 平成8年7月12日 民集第50巻7号1477頁、平成3(オ)1534、『国家賠償』。
- ^ 最高裁判所第三小法廷判決 昭和50年11月28日 民集第29巻10号1754頁、昭和48(オ)896、『損害賠償請求』。
- ^ 最高裁判所第二小法廷判決 昭和53年7月17日 民集32巻5号1000頁、昭和52(オ)1379、『損害賠償』。
- ^ “西山太吉国賠訴訟”. 藤森克美法律事務所. 2008年12月15日閲覧。
- ^ “☆ドミニカ移民☆”. 2009年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月15日閲覧。
- ^ 最高裁判所大法廷判決 平成14年9月11日 民集第56巻7号1439頁、平成11(オ)1767、『損害賠償請求事件』。
- ^ 東京地方裁判所判決 平成14年8月27日 、平成9(ワ)16684、『第1事件・損害賠償請求事件 第2事件・損害賠償等請求』。
- ^ 横浜地方裁判所判決 平成26年5月21日 、平成19(ワ)4917、『損害賠償等請求事件』。
- ^ 国際協力機構 2001.
- 1 国家賠償法とは
- 2 国家賠償法の概要
- 3 制定の背景
- 4 構成
- 5 関連法令
- 6 参考文献
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:14 UTC 版)
「闇サイト殺人事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
第一審でKTの国選弁護人を務めていた弁護士2人(藏冨恒彦と福井)は、KTによる控訴取り下げ後の2009年4月 - 6月にかけ、控訴取り下げへの異議申し立ての打ち合わせなどのため、KTと拘置所職員の立ち会いなしで面会する「弁護士面会」を名古屋拘置所に申請したが、拘置所側は「死刑確定直後で心情安定のため、立ち会いが必要だ」として、立ち会いの伴う「一般面会」しか認めなかった。2人はこれを違法として、2009年8月12日付で、名古屋地裁に国家賠償請求訴訟[事件番号:平成21年(ワ)第4801号、請求額:120万円]を提訴。その後、2010年11月4日には同様に、無立会の面会を認められなかったことを違法として、死刑囚KTに対し慰謝料などを支払う国賠訴訟[事件番号:平成22年(ワ)第7629号]を提起し、先の訴訟と併せ、被告(国)に対し2,700万円の支払いを求めていた。 名古屋地裁民事第3部(德永幸藏裁判長)は2013年(平成25年)2月19日、「拘置所長が裁量権を濫用した」として、原告側の訴えを認め、国に対し145万2,000円の賠償を支払うよう命じる判決を言い渡した。2014年(平成26年)3月13日、名古屋高裁民事第3部(長門栄吉裁判長)は第一審に続き、拘置所長の対応を「裁量権を逸脱・濫用したもので違法」と認め、国に対し計145万2,000円の支払いを命じる控訴審判決を宣告した。原告側は上告したが、2015年(平成27年)4月22日付で最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)が上告を退ける決定を出したため、控訴審判決が確定した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「闇サイト殺人事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「闇サイト殺人事件」の記事については、「闇サイト殺人事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:20 UTC 版)
「弘前大教授夫人殺し事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
10月22日、那須は国家賠償を求めて青森地裁弘前支部へ提訴を行った。再審と同じく南出を中心とした原告側が請求したのは、那須当人と9人の親族、そして亡父についての総額9759万5900円の賠償であった。 那須側が主張した公務員の不法行為は、まず捜査機関が物証を捏造した上で虚偽の実況見分調書と鑑定書を作成し、次に検察が違法な見込み逮捕、勾留を行い、また物証の捏造を知りながらそれを無視して一部の資料を隠蔽し、そして高裁と最高裁が一審の無罪を深く検討しなかったことにより職務上の注意義務を怠った、というものであった。 物証の捏造を強く主張する那須側に対して、被告となった国側は、松木・鑑識鑑定によるズック靴と白シャツの鑑定結果には「何ら疑義を差しはさむ余地は存しない」とその正確性を改めて強調した。のみならず、白シャツについての松木・鑑識鑑定が実際に行われたのは1949年8月23日頃のことで、その後白シャツは松木のもとから直接科捜研へ引き渡されたのであり、引田が白シャツを目にしたというのは虚偽である、という全く新たな主張も展開した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「弘前大教授夫人殺し事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「弘前大教授夫人殺し事件」の記事については、「弘前大教授夫人殺し事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 02:16 UTC 版)
「広島タクシー運転手連続殺人事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
広島弁護士会所属の弁護士・足立修一は2006年12月1日に死刑廃止運動を行う市民団体に所属していた知人から「年末に死刑囚Hの死刑が執行されそうだから、死刑囚Hの元国選弁護人の氏名を教えてほしい」と依頼されたため、第一審当時の弁護人を紹介した上で「自分も『元国選弁護人のうち弁護士1人に連絡を取り、死刑囚Hと面会して恩赦・再審を申請できないか』と考えている」と伝え、元国選弁護人・二國則昭に対し「死刑囚Hと面会してほしい」と依頼した。これを受け、二國は2006年12月14日(死刑執行11日前)に同じく元弁護人の臼田耕造弁護士とともに死刑囚Hの収監先・広島拘置所へ赴き、「安否伺い」を理由にHとの接見を申し入れたが許可されなかった。 その話を聞かされた足立は「死刑囚Hへの死刑執行が近い時期に迫っている」と感じたため「再審請求を行う必要性が強い。死刑囚Hと接見して再審請求・恩赦出願の権利行使を促すべきだろう」と考え、同日15時10分ごろに広島拘置所で「再審請求の弁護人となろうとする者」として死刑囚Hとの接見を申し入れた。15時20分ごろ、広島拘置所第二統括の刑務官は「足立が死刑囚Hとの接見を申し入れている」ことを聞き、15時40分ごろになって接見係の副看守長からその要件を確認した上で首席から「原告の接見申し入れ内容は『再審請求の件』である」ことを報告したが、首席は第二統括に対し15時55分ごろ「死刑囚Hは再審請求をしているわけではないため、足立は面会の相手方として該当しない。面会を断るように」と指示したため、第二統括は足立に対し「死刑囚Hは再審請求を提起していないため、面会はできません」と伝えた。足立はこれに対し「責任者を呼んでほしい」などと求めた上で、職員応接室で対応した職員に「死刑囚H本人に自分が面会を希望していることを伝えてほしい。再審請求の意思があるかを確認するためにここに来たのだから面会をさせてほしい」「面会させないにしても『再審請求を起こす意思があるかどうか』について自筆で回答をもらって書面による意思確認をしてほしい」などと依頼したが、そのような対応は取られず、職員から「これ以上話はできない」などと要求を退けられたため、16時30分ごろに「面会拒否は国家賠償に相当するものだ」と告げて退席した。 足立は2007年8月2日付で慰謝料など約180万円の支払いを求めて広島地裁に国家賠償請求訴訟を起こしたが、広島地方裁判所民事第3部(金村敏彦裁判長)は2009年12月24日に原告・足立の請求を棄却する判決を言い渡した。足立は判決を不服として広島高等裁判所へ即日控訴したが、広島高裁(小林正明裁判長)は2010年12月21日に第一審判決を支持して原告・足立の控訴を棄却する判決を言い渡した。原告・足立は控訴審判決を不服として2010年12月24日付で最高裁判所へ上告したが、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)は2011年10月13日付で原告・足立の上告を棄却する決定を出したため、足立の敗訴が確定した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「広島タクシー運転手連続殺人事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「広島タクシー運転手連続殺人事件」の記事については、「広島タクシー運転手連続殺人事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 13:53 UTC 版)
「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
2018年(平成30年)1月30日、優生保護法による強制不妊手術を受けた宮城県在住の60代女性が、個人の尊厳や自己決定権を保障する日本国憲法に違反するとして、国家賠償を求めて仙台地方裁判所に提訴した。 この原告女性の代理人弁護士を始めとする184人の弁護士によって、2018年(平成30年)5月27日、全国優生保護法被害弁護団が結成された。2019年(令和元年)5月15日時点で、全国規模の一斉電話相談を5回実施するなど、被害者の救済に向けた全国的活動を行っている。 2019年(平成31年)3月5日時点で、同様の国家賠償請求訴訟が、札幌・仙台・東京・静岡・大阪・神戸・熊本の7地方裁判所に提起されている。原告は、60代から80代までの男女20人にのぼる。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」の記事については、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:17 UTC 版)
「京都・大阪連続強盗殺人事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
2013年(平成25年)4月1日、廣田は第8次再審請求のための費用を工面するため、著書を出版して印税を得ようと考え、「極悪死刑囚の笑福転倒」と題する原稿と、その原稿を徳間書店に送るよう依頼する信書を、知人宛に郵送しようとした。原稿は、原稿用紙175枚で、日本の政治を風刺する内容だった。しかし、処分行政庁が同月5日付で信書の発信を不許可にしたことから、廣田は同年4月27日付で国に対し、処分取り消しを求める国家賠償請求訴訟を提起した。 被告(処分行政庁)は当時、原稿を原告(廣田)に返戻し、その写しを所持していなかったため、一審手続では原稿の内容に即した反論をしていなかった。大阪地裁第7民事部(田中健治裁判長)は2014年5月22日、原告(廣田)の請求を認める判決を言い渡した。しかし、被告側が同年6月4日付で大阪高裁に控訴したところ、大阪高裁第14民事部(森義之裁判長)は同年11月14日、原判決を取り消し、原告(廣田)の請求を棄却する判決を言い渡した。大阪高裁 (2014) は、「死刑確定者は死刑の執行を待つという特殊な身分にあり、心情の安定を損なうおそれが大きい状況にあるため、その処遇にあたっては、施設管理の必要上、死刑確定者における心情の安定の確保に特段の配慮が必要と考えられる」とした上で、原告の「発信不許可処分は、憲法第21条で保証された出版の自由の侵害」という主張について検討。「刑事施設の長の裁量により、信書の発信を認められるためには、社会通念上必要というべき事情がなければならないが、原告(廣田)の主張する理由(再審請求のために必要な費用を工面するために原稿を出版して印税を得ようとした)はそれに該当しない。また、出版社(徳間書店)との間で折衝が行われた形跡はなく、原稿の内容も元内閣総理大臣を誹謗中傷する趣旨のものが中心で、犯罪被害者を批判する記載、他民族を侮辱・蔑視する記載、わいせつな表現などが多数含まれるものであり、徳間書店によって出版される可能性が高かったとはいえない」と判断した。 廣田は上告したが、上告は最高裁第三小法廷(山崎敏充裁判長)が2016年5月31日付で出した決定によって棄却され、廣田の敗訴が確定した。 また、この訴訟に関連して、廣田は自身の著作物である原稿を大阪拘置所職員に騙されて提出させられ、無断で原稿の写しを作成された上、その写しを大阪法務局訟務部職員に交付され、同訟務部職員によって書面を作成された(写しや書面の作成は著作権侵害行為)として、国家賠償法第1条1項に基づき、被告(国)に対し、損害金300万円などの支払いを求めた国賠訴訟を提起した。しかし、大阪地裁第21民事部(森崎英二裁判長)は2015年(平成27年)6月11日、「原稿の提出を求めた行為は、所轄の統括において、発受の可否を判断するために本件原稿を必要があると認めて本件原稿を提出させた行為と評価できるから、刑事収容施設法上、当然に発受できない信書の発信を求める本件願箋への対処として適法なもの」「原稿を騙して提出させたとまで認めることはできない」と指摘。廣田による「著作権侵害」の主張についても、「写しの作成は著作権法第42条1項本文に定める『行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合』に該当し、違法ではない」などとして退け、廣田の請求を棄却する判決を言い渡した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「京都・大阪連続強盗殺人事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「京都・大阪連続強盗殺人事件」の記事については、「京都・大阪連続強盗殺人事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/20 03:08 UTC 版)
その後Aは、不法留置と拷問を行った八丈島署、それを見過ごして予審請求を行った検事と起訴決定をした予審判事、有罪判決を下した一審・控訴審裁判所の違法行為と過失を訴え、534万円余りの国家賠償を求めて国を提訴した。 これに対し被告となった国側は、八丈島署による2人の検束は行政執行法に基づく正当なものである、と訴えた。また、2人は検事と予審判事に対しても自白を維持していたのであり、その予審請求や起訴決定にも過失は存在しない、と反論した。そして、公判に提出されていた各証拠や拷問を否定するEの証言を勘案すれば、一審・控訴審裁判所にも経験則に照らして有罪判決を下したことに違法・過失はない、とした。 法律論として原告側は、八丈島署から控訴審裁判所に至るまでの一連の不法行為は不可分なものであり、その途中(1947年10月27日)に施行された国家賠償法も全体に渡って適用される、とした。また、仮に一連の不法行為を別個のものと解釈するにせよ、国は民法第715条の定める使用者責任を免れ得ない。また、損害賠償請求権は原告に対する侵害がなくなった上告審判決日から進行するため、時効も成立しない。何よりも、基本的人権の尊重を謳うポツダム宣言の受諾を1945年(昭和20年)9月2日に宣示した「降伏文書調印に関する詔書」以来、国家無問責の原則はもはや存在し得ない、と主張した。 対する国側は、八丈島署から控訴審裁判所までの公務員の行為はそれぞれ別個であり、国賠法施行以前の警官・検事・予審判事の行為に対しては賠償義務はない。また、時効は原告が加害者を認識した1946年7月8日から3年後に成立している。ポツダム宣言についても、その受諾から直ちに国内法に変化をきたし、公務員の違法行為について民法第715条が適用されるということもない、と反論した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「八丈島事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「八丈島事件」の記事については、「八丈島事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 05:10 UTC 版)
2012年12月12日には、冤罪の責任追及のため、桜井が国と茨城県を相手に約1億9千万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起した。一方で杉山は、「妻や息子と過ごす時間を犠牲にしてまで、いつ終わるかもわからない、長い長い裁判を、私は闘う気持ちにはなれない」として、同様の訴えは起こさなかった。 2019年5月、東京地方裁判所は茨城県警の取調べや公判での警官の偽証および検察官の証拠開示拒否の違法性を認め、国と茨城県に計約7600万円の賠償を命じる判決を下した。この判決を不服として、国と茨城県は相次いで控訴した。 2020年2月、桜井は直腸がんで「余命1年」を宣告されるが、「真面目な警察官や検察官が職務を全うできる仕組み」の実現を訴え、国家賠償請求訴訟は続行する。 2021年8月27日、東京高等裁判所は茨城県警の取り調べに加えて水戸地方検察庁の取調べについても違法性を認め、国と茨城県に計約7400万円の賠償を命じる判決を下した。この判決に対して、国と茨城県はともに上告を断念し、9月13日に高裁判決が確定した。判決確定を受けて記者会見を開いた桜井は、「やっと重荷を下ろすことができてほっとした」と述べた上で、いまだに警察と検察から謝罪がないことを明らかにし、今後は冤罪被害防止に向けた法整備を促す活動や講演活動を継続していく意思を示した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「布川事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「布川事件」の記事については、「布川事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 14:52 UTC 版)
「福山市独居老婦人殺害事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
死刑囚Mは2014年(平成26年)2月7日付で、広島高裁に再審請求したが、請求の打ち合わせのための弁護人との面会をめぐり、以下のような国家賠償請求訴訟を起こしている。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「福山市独居老婦人殺害事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「福山市独居老婦人殺害事件」の記事については、「福山市独居老婦人殺害事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 08:27 UTC 版)
「ドラム缶女性焼殺事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
被告人N(死刑確定後にイニシャル「S」に改姓)は上告中の2004年9月28日、支援者からの差し入れとして「死刑執行方法などが記されたパンフレット」を郵送されたが、この時に収監先・名古屋拘置所は「死刑執行方法などの描写をそのまま閲覧させると心情不安定になり、自殺・自傷行為に及ぶなど拘置所内の規律維持に支障が出る可能性が高い」として、パンフレットの一部を抹消した上で被告人Nに渡した。また、N・K両被告人とは別の事件で死刑判決を受け上告中だった被告人1人(2004年11月に死刑確定)に対しても同年8月に同種のパンフレットが差し入れられたが、名古屋拘置所はその際も同様の対応を取っていた。 Nら死刑囚2人はこれらの名古屋拘置所側の対応を「日本国憲法で保障された『知る権利』などを侵害する違法な処分である」と主張し、日本国を相手にそれぞれ10万円の損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟を名古屋地裁に提訴した。これに対し国側は、「死刑囚に死刑執行方法が記された文書をそのまま読ませると、精神的に不安定となり自殺・自傷行為に及ぶなど『拘置所の規律が放置できない程度の障害』が生ずる危険性があった」と主張した。 2006年12月6日、名古屋地裁(田辺年則裁判長)は原告両死刑囚の訴えのうち一部を認め、被告・日本国に対し死刑囚2人へそれぞれ損害賠償1万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。 名古屋地裁は判決理由にて「拘置所側が抹消した部分は『死刑執行の方法・手順など』が客観的に記載されているだけで、死刑囚に大きな精神的動揺を与える可能性が高いとはいえない」と事実認定した上で、「原告らが抹消部分を閲覧しても『拘置所の規律が放置できない程度の障害』が生ずるとは考え難く、抹消処分は合理的とは言えない。拘置所長は裁量権を明らかに逸脱した」と指摘した。 また被告人Nはこれとは別に、上告中の2005年6月24日にも「死刑執行方法が記された文書」を差し入れとして受け取ったが、その時にも名古屋拘置所は「死刑執行方法などの描写をそのまま閲覧させると心情不安定になり、拘置所内の規律維持に支障が出る可能性が高い」として、文書の一部を抹消した上で被告人Nに渡した。 この対応を「『閲読の自由』を侵害した違法な行為」と主張した死刑囚N(後述の判決までに「S」姓に改姓)は前述の件と同じく日本国を相手に10万円の損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟を名古屋地裁に提訴した。2007年(平成19年)2月16日、名古屋地裁(末吉幹和裁判官)は原告・死刑囚Nの訴えのうち一部を認め、被告・日本国に対し損害賠償3万円の支払いを命じる判決を言い渡した 。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「ドラム缶女性焼殺事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「ドラム缶女性焼殺事件」の記事については、「ドラム缶女性焼殺事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 08:04 UTC 版)
「奈良県大和郡山市警察官発砲致死事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
Aの遺族は2006年2月7日、1億1800万円の国家賠償請求訴訟を提起する。2010年1月27日、国家賠償請求訴訟について、Aの遺族側が敗訴の判決が、奈良地方裁判所で下される。判決理由において、発砲した警察官側の未必の殺意は認定するものの、「発砲」については警察官の武器使用の範囲を定めた警察官職務執行法第7条の要件を満たした合法行為としている。同年2月5日、大阪高等裁判所に控訴の手続きがなされる。2013年5月29日最高裁第1小法廷はAの遺族の上告を退ける決定をし、請求を棄却した一、二審判決が確定した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「奈良県大和郡山市警察官発砲致死事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「奈良県大和郡山市警察官発砲致死事件」の記事については、「奈良県大和郡山市警察官発砲致死事件」の概要を参照ください。
国家賠償請求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:12 UTC 版)
「マブチモーター社長宅殺人放火事件」の記事における「国家賠償請求訴訟」の解説
2005年10月、千葉県弁護士会所属の島田亮・秦英準両弁護士が、旅券法違反容疑などで逮捕され、本事件の重要参考人として松戸警察署に拘置されていた被疑者Mに担当弁護士として接見した。 その途中2人は、警察官から3度に渡り「接見を終わらせてほしい」と要請された。別の日にも、島田は被疑者Mと接見したが、「捜査側との調整」などの理由で接見を33分待たされた。 これを受け両名は2006年11月29日、接見を捜査員に妨害されて精神的苦痛を受けたとして、千葉県を相手取り、慰謝料30万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を千葉地裁松戸支部に起こした。同日会見した2名は、「当時、逮捕事実ではなかったマブチ事件に対する取り調べを、弁護人に邪魔されたくないという、警察の意図が見え隠れしていた」と語った。 この訴訟の第1回口頭弁論公判が2007年1月19日、千葉地裁松戸支部(小野聡子裁判長)で開かれた。千葉県側は、答弁書で請求棄却を求め、争う姿勢を見せた。 2008年9月26日、千葉地裁松戸支部で判決公判があった。岡本岳裁判長は「違法行為は認められない」として、2人の請求を棄却する判決を言い渡した。
※この「国家賠償請求訴訟」の解説は、「マブチモーター社長宅殺人放火事件」の解説の一部です。
「国家賠償請求訴訟」を含む「マブチモーター社長宅殺人放火事件」の記事については、「マブチモーター社長宅殺人放火事件」の概要を参照ください。
- 国家賠償請求訴訟のページへのリンク