収録されている書評とは? わかりやすく解説

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収録されている書評

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 08:47 UTC 版)

完全な真空」の記事における「収録されている書評」の解説

スタニスワフ・レム著『完全な真空読書人(チテルニク)出版所、ワルシャワ。Stanisław Lem. Doskonała próżnia. Warszawa: Czytelnik 実在しない書物書評というアイデアレム独自のものではない。それは、ラブレーによる『ガルガンチュワとパンタグリュエル』ですら最初の例とは言えないほど古くからあるアイデアである。しかし、 『完全な真空』が一風変わっているのは、そういった架空書評だけを集めて一冊のアンソロジー目指す点にある。レム氏の意図首尾一貫した衒学趣味なのか、それとも悪ふざけなのか? 私には悪ふざけのように思われる…。 『完全な真空』は純文学ヌーヴォー・ロマンSF文化論宇宙論など、16冊の〈実在しない書物〉を、大まじめにときにユーモラスに論じた架空書評集。 マルセル・コスカ著『ロビンソン物語書肆スィユ、パリMarcel Costat. Les Robinsonades. Paris: Éditions du Seuil 無人島漂流したセルジュ・Nは、空想の中から召使侍女呼び出し孤島生活を楽しもうとするが、状況次第混乱し、島は想像上群衆いっぱいになってしまう…。 パトリック・ハナハン著『ギガメシュ』トランスワールド出版社ロンドンPatrick Hannahan. Gigamesh. London: Tranworld Publishers サイモン・メリル著『性爆発ウォーカーカンパニーニューヨークSimon Merrill. Sexplosion. New York: Walker & Company 化学物質NOSEXによって世界中人々から性欲失われ人類絶滅危機訪れ近未来SF。 アルフレート・ツェラーマン著『親衛隊少将ルイ十六世』ズアカンプ社、フランクフルトAlfred Zellermann. Gruppenführer Louis XVI. Frankfurt: Suhrkampf Verlag 南米ジャングル奥地18世紀フランス王国再建したナチス親衛隊少将奇怪な宮廷生活をえがく。 ソランジュ・マリオ著『とどのつまりは何も無し真昼書房パリSolange Marriot. Rien du tout, ou la conséquence. Paris: Éditions du Midi列車は着かなかった。彼は来なかった…」否定否定積み重ね無限に後退続け語り手アンチ・ロマン辛辣なパロディ。 ヨアヒム・フェルセンゲルト著『逆黙示録真夜中書房パリ。Joachim Fersebngeld. Perycalypsis. Paris: Éditions de Minuit ジャン・カルロ・スパランツァーニ著『白痴』モンダドーリ書房ミラノ。Gian Carlo Spallanzani. Idiota. Milano: Mondadori Editore 『あなたにも本作れます』。 Do yourself a book クノ・ムラチェ著『イサカオデュッセウス』。Kuno Mlatje. Odys z Itaki 世に埋もれた第一級天才〉を見出さんと〈精神金羊毛求め探検隊〉を組織し探索続け青年奇妙な冒険譚。 レイモン・スーラ著『てめえ』ドゥノエル書店パリRaymond Seurat. Toi. Paris: Editions Denoël アリスター・ウェインライト著『ビーイング株式会社』アメリカン・ライブラリー、ニューヨーク。Alistar Waynewright. Being Inc.. New York: American Library コンピュータ・ネットによって人生あらゆる局面演出するビーイング社〉の企業戦略と、その結果実現したすべてがあらかじめ設定され世界…。 ヴィルヘルム・クロッパー著『誤謬としての文化ウニヴェルシタス書店ベルリン。Wihelm Klopper. Die Kultur als Fehler. Berlin: Universitas Verlag ツェザル・コウスカ著『生の不可能性について』『予知不可能性について』全二巻国立新文学研究所プラハ。Cezar Kouska. De Impossibilitate Vitae/De Impossibilitate Prognoscendi. Praha: Státní Nakladatelství N. Lit. 著者生誕可能性産出するため、両親ロマンスから紀元前250万年造山活動までさかのぼってしまう抱腹絶倒確率論。 アーサー・ドブ著『我は僕(しもべ)ならずや』パーガモン・プレス。Arthur Dobb. Non serviam. Pergamon Press 道徳的ジレンマ核心となるAI人工知能)のアイデアによる精巧な風刺。それは近い将来有力な科学雑誌掲載されるかもしれないような書評ドライなスタイル書かれている。この書評はアーサー・ドブ教授による本書『我は僕(しもべ)ならずや』と、これを介した「パーソネティクス」の分野コンピューター内での真に知的な存在(「パーソノイド」)のシミュレートされた作成について説明している。説明は「[パーソネティクスは]これまで人間創造した最も残酷な科学」という引用から始まる。レムは、博識な評論家にパーソネティクスの一般理論その歴史最新技術、およびその結果いくつか説明させて、その分野の専門家仕事自由に引用している。さらに、書評子は本書から、ドブ教授記録したパーソノイドの哲学者であるADAN300の議論引用している。ADAN300は自分は(未知の)創造者何を負っているかを考える。このパーソノイドは自分自身自由意志持っている信じていることは明らかである(すなわち、“non serviam”、つまり自分は「[神に]奉仕しない」ことを選択できる)。「最終的にこの世界を終わらせなければならない」というドブ教授ジレンマ表現する引用により書評は終わる。 『新し宇宙創造説』。 The New Cosmology コスモス創造者たちのゲーム産物とみて、〈ゲームの理論〉によって宇宙発生成長論じサイバネティック宇宙論。アルフレッド・テスタ教授ノーベル賞受賞講演スタニスワフ・レム著『完全な真空』沼野充義・工藤幸雄・長谷見一雄訳、国書刊行会、東京、日本語版。完全な真空日本語版の解説代わりに収められ書評最初英訳出版され1979年出たタイム』誌(1979年1月29日号)のR・Z・シェパード氏書評と『ニューヨークタイムズ・ブック・レビュー』誌(1979年2月11日付)のジョイス・キャロル・オーツ氏の書評紹介されている。

※この「収録されている書評」の解説は、「完全な真空」の解説の一部です。
「収録されている書評」を含む「完全な真空」の記事については、「完全な真空」の概要を参照ください。

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