制作の経緯と公開とは? わかりやすく解説

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制作の経緯と公開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 23:41 UTC 版)

殺人狂時代 (1947年の映画)」の記事における「制作の経緯と公開」の解説

第二次世界大戦真っ只中1942年秋、1920年代フランス実在したアンリ・デジレ・ランドリュー (1869-1922) という殺人鬼モデルにした映画脚本を書くので、その映画主演をしてもらいたいという話をオーソン・ウェルズチャップリン持ち込んだアイデアだけで脚本を書く以前段階であったため、その場は断るが、後にそのアイディア別の形で映画化することを思いつくトラブル避けるために、ウェルズ連絡して原案」のクレジット入れ5000ドルを払うが、実質ウェルズは何もしていない。ただし、後にウェルズ『殺人狂時代』産みの親自分だと吹聴したことにチャップリン心を痛めたという。チャップリン映画化際し、ランドリューのエピソードウェインライトというイギリスにいた殺人鬼掛け合わせた形の主人公「アンリ・ヴェルドゥ」を考案脚本完成に、検閲影響挟んだこともあったが2年をかけ、1946年5月から撮影開始したラストシーンから撮影した)。しかし、この頃チャップリン様々な困難にぶち当たっていた。 まず時代の変化であった第二次大戦では圧倒的物量勝利したアメリカであったが、フィルムなど軍用優先的に回される資材不足していた。気が済むまで撮り直し繰り返すことが常であったチャップリンにとっては、フィルム不足は頭の痛いであった。さらに、信頼していたスタッフ多く亡くなった引退して、かつてのような手法撮影することははなはだ困難であった。さらに、チャップリン自身にも何かと厄介な問題付きまとっていた。この映画の撮影に入る前、チャップリン別の映画企画をしており、その映画主演起用する予定であったジョーン・バリーという女優ストーキング行為をされた挙句バリーの子供の認知裁判巻き込まれる血縁関係がないことは証明されたが、平和主義者共産主義者として糾弾されていたチャップリン不利な判決慰謝料扶助料等の支払い)が下った。そして、一番大きな困難はやがて来る「赤狩りであった大戦中、ソ連助け第二戦構築訴えていたチャップリン反共団体などが「共産主義者」として糾弾大戦後アメリカ亡命していた友人作曲家ハンス・アイスラー共産主義者として糾弾された際、アイスラー擁護するコメント発したことが、さらにバッシング大きくさせた。 撮影1946年9月終了し、後は公開するだけとなった段階で、チャップリン対す非難は手の付けられないレベル達していた。在郷軍人団体カトリック団体など猛烈な上映反対運動繰り返し上映予定していた映画館などに脅迫繰り返して上映やめさせる動き盛んに行ったこうした妨害を何とか排除しつつ1947年4月11日ニューヨークで封切られたが、興行成績悲惨なものであったチャップリン自身1200ドル(約43億円。1ドル360円で計算)の利益目論んでいたが、結果325000ドル(約1億円強)であった。これはチャップリン映画通常興業的失敗作」と呼ばれる巴里の女性』などよりも悪い興行成績であり、チャップリン映画唯一純損失出た映画でもあった。失敗の影響は、以前から経営不振伝えられていたユナイテッド・アーティスツ経営をさらに圧迫させることにもなった。 アメリカで失敗一方で遅れて封切られたヨーロッパなどではまずまず好評だった。しかし、そういったニュース1943年結婚した愛妻ウーナの深い愛情も傷ついたチャップリンの完全な癒しはならず、やがて苦難アメリカ追放迎えることとなる。アメリカでこの作品正当に評価されるようになったのは、ベトナム戦争対す反戦運動高まった1970年代になってからである。 なお、純粋にランドリューを主人公にした映画もある。1962年製作されフランス映画 Landru (日本では劇場未公開ビデオ題『青髭』)で、監督「殺人狂時代」高く評価しているクロード・シャブロルである。シャブロルは「ランドリューは単なる変わり者だが、ヴェルドゥは哲学者」と述べている。 チャップリンは、チャーリーにおいてはアザラシから作った付け髭をつけていたが、この作品では自前の髭を蓄えている。

※この「制作の経緯と公開」の解説は、「殺人狂時代 (1947年の映画)」の解説の一部です。
「制作の経緯と公開」を含む「殺人狂時代 (1947年の映画)」の記事については、「殺人狂時代 (1947年の映画)」の概要を参照ください。

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