初代 BC/BF系とは? わかりやすく解説

初代 BC/BF系(1989年-1993年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 16:24 UTC 版)

スバル・レガシィ」の記事における「初代 BC/BF系(1989年-1993年)」の解説

当時富士重工業は、好調なアメリカ向けの輸出への過度依存による組織硬直化進み1980年代末には専門誌新聞等で公然と他社による買収吸収合併倒産危機報道されるほどの厳し局面迎えていた。 倒産危機からの打開を図るべく、開発主管制度の導入開発部門連携強化等、大規模な組織改革断行され、開発コード「44B」として開発進められたのが、初代モデル型式BC/BF/BJ〔=日本国外向けロールーフワゴン〕)である。 開発プロジェクト総括責任者は、中村孝雄商品企画担当部長)。1966年発売スバル・1000以来改良繰り返しながら長年使われてきたプラットフォームからようやく決別し、すべてを完全新設計で作り上げた新開発ボディは、くさび形モチーフに、ブリスターフェンダー与えられ、各ピラー黒色処理とすることで、ガラス連続する航空機キャノピー連想させるもの。「アルシオーネ」で用いられデザインテーマ継承したデザインワークにはジョルジェット・ジウジアーロ関与したとも言われているが、純然たる社内デザインによる作である。チーフデザイナー務めた杉本清によればスケッチ段階までジウジアーロコンタクトがあったものの最終的に社内デザイン進められたと語っている。特に4ドアセダンではデザイン上の特徴として、リヤサイドウィンドウとクォーターウィンドウの下端を段付処理、ツーリングワゴンではクォーターウィンドウとリアウィンドウ下端を段付処理している。なお、オーストラリア向けであるリバティセダンリヤバンパー造形ならびにプレート位置異なる。 1991年マイナーチェンジセダンの「段付」の修正検討されたが、大幅なプレス部品およびガラス部品変更必要なため断念したと言われている。レオーネ比較して全長で約140mm、全幅で約30mm、ホイールベースで約110mm大型化した(4ドアセダン比)。レオーネ引き続き用意されツーリングワゴンには、ひとつの伝統として2段ルーフ採用され最上級の「VZ」にはルーフレール標準装備された(順次装着車拡大)。ただし輸出向けツーリングワゴンには、単に「ワゴン (WAGON)」と呼ばれ2段ルーフ採用していないモデルもある。 エンジン新開発水冷水平対向4気筒エンジンEJ」型を搭載。「EJ20」のシリンダーブロックシリンダーヘッドレオーネの「EA」型と同じくアルミ合金製で、ペントルーフ型燃焼室、センタープラグ配置クロスフロー方式である。また、全車に4バルブヘッドおよび電子制御インジェクション採用している。クランクシャフト5ベアリング支持で、バルブ開閉機構にはHLA(ハイドロリックラッシュアジャスター)を設ける。さらにクランク角センサーカムセンサー、ノックセンサーからの信号ECU学習管理点火時期決定する電子制御点火方式を採っている。「RSグレード搭載された「EJ20ターボ220 ps叩き出し、これは発表当時クラス最強であったトランスミッションは、FF4WD共、5速MT4速ATが用意された。 4WD-5速MT車にはセレクティブ4WDフルタイム4WDがあり、1.8L「Mi」のみセレクティブ4WDとなり、同排気量の「Ti」を含む他の4WD-5速MT車フルタイム4WDとなる。「RS」系と「GT」はリヤデフにビスカスカップリングLSDを備える。ATは、油圧多板クラッチMP-T」をトランスファー用いて前後輪の回転差、車速スロットル開度等から前後輪へのトルク配分を、前輪:後輪=6:4基本として、自動かつ無段階変化させるアクティブ・トルク・スプリット4WDACT-4)」を採用している。 サスペンションフロントL型ロアアームを用いたコイル/ストラットリヤラテラルリンク2本を配したコイル/ストラット採用している。また、前後ロールセンター結んだ「ロールアクシス」軸を最適化することによる「アンチダイブ・アンチスクォット・ジオメトリー」によって、加速ブレーキング時車体姿勢変化少なくしている。ツーリングワゴンVZには「EP-S」を装備したVZエアサス」もあった。 テストドライバーチーフは、車両研究実験部のドライバーである辰巳英治担当したテストコースだけではなく世界中あらゆる道を辰巳実際に走りこみ、開発チーム全員意見をまとめた最大公約数ではなく辰巳ただひとりの高度な見識技術感性ハンドリング最終セッティングが行われた。これは、スバル車の開発として初の試みであり、後年スバル車の開発思想大きく変わるきっかけとなったこうした転換背景にあったのは、当時同社主要株主だった日産自動車実施していた901運動だった。 販売終了前月までの新車登録台数累計は約268367台。

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