京都在住時代とは? わかりやすく解説

京都在住時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 06:28 UTC 版)

岩佐又兵衛」の記事における「京都在住時代」の解説

洛中洛外図屏風東京国立博物館 1614-15年 又兵衛最高傑作にして、浮世絵源流ともなった美術史上の記念碑的作品。 元は滋賀県長浜市舟木家で発見されたため、他の洛中洛外図区別する必要もあって舟木本とも呼ばれる1949年秋、美術史家源豊宗長浜医師舟木栄の家に立ち寄った際に客間立ててあり、源は「紛ら方な岩佐勝以特徴的な野生的躍動的な作風歴然としている」とし又兵衛初期作直感した舟木によれば彦根の某家の旧蔵であったものという。その後1957年国所有となり、東京国立博物館管理となった又兵衛研究権威であった辻惟雄は、「又兵衛前派」の作として50年に亘り又兵衛作を否定してきたが、辻自身変心により、又兵衛作が定説となり、2016年岩佐勝以筆」として国宝指定された。 源豊宗によれば、「新しく夜明け迎えた庶民生活感溢れた自由闊達な姿が生き生き描写され、生を謳歌する巷の声騒然とひびいている。勝以画の人物独特の豊頰長頤で、反り身姿態、裾すぼまりの服装などならではの強靭な弾力帯びて画かれている。」 黒田日出男により、右双の豊国社描かれ豊国舞台で演じられている能楽慶長19年1614年8月19日翌年破却されるこの舞台で能楽演じられ最後の日最後演目、「烏帽子折」(長ハン)であることが判明した。この日がこの屏風作成年代の上限である。右双の五条橋で踊る老後家尼は豊国社での花見から帰る高台院秀吉後家北政所)と特定された。また、二条城訴訟主宰し、女の訴え聞いている人物羽織紋様(九曜紋)から京都所司代板倉勝重特定された。二条城大手門潜ろうとしている公家慶長18年1613年7月3日、共に公家衆法度作成尽力した板倉勝重から振舞い招かれ武家伝奏広橋兼勝特定された。左双の中心軸上に描かれている印象的な武家行列の主は駕籠舁きの鞠挟紋から、勝重の次男にして家康近習出頭人板倉重昌特定された。 このように注文主板倉家または板倉家繋がりが深い人物であることが予想されるが、黒田による資料博捜精密な読解により、注文主下京室町呉服商板倉勝重呉服所となっていた「笹屋(半四郎)」と特定された。 「豊国祭礼図屏風」(重要文化財徳川美術館(1614-1616) 豊臣秀吉七回忌に当たる、慶長9年1604年8月12日から18日にかけて盛大に行われた臨時大祭光景描いた作品舟木本比べ人体表現不自然な写し崩れ歪み見られる事から、舟木本の後に制作されたと考えられる。 右隻六扇目中央左、上半身裸の男が持つ朱鞘には「いきすぎたりや、廿三、八まん、ひけはとるまい」と記されている。これは慶長17年1612年江戸で処刑されかぶき者頭領大鳥兵衛(一兵衛)の鞘の銘「廿五まで 生き過ぎたりや 一兵衛」を模したと言われ戦乱終わろうとしている時代生まれた当時若者気持ちを表すとしてしばしば言及されたが、近年近世史家の杉森哲也は「廿三」とは豊臣秀頼死没年齢であることを指摘し黒田日出男はこの場面描かれているのは、かぶき者喧嘩見立てた大坂の陣であり、23歳豊臣秀頼と母・淀殿滅亡であったとしている。また、この場面から渡った向こう側(男女視線微妙に交差する世界)には戦乱(大坂の陣)の終息とともに訪れた浮世」を現出している。 この屏風発注者は、黒田日出男によれば高野山光明院伝来していることや、豊国踊り場面に「太」の字とともに卍紋がはっきりと描かれていることから、光明院に関係の深い秀吉愛顧大名蜂須賀家政であり、慶長十九年の秀吉十七回忌に際して、自らの隠居屋敷ほど近い地に豊国社創建した際に発注したと、想定される。 なお、美術史家佐藤康宏は以下のような主張行なっているが、光明院毛利家由来が深いとする宮島新一の全く根拠の無い説に依拠したものとして黒田により厳しく批判されている。 〜発注者装飾の特徴伝来経緯から松平忠直だと想定できる徳川一門忠直が、豊臣氏祭礼を描かせるのは矛盾しているように思われるが、忠直幕府反抗的で後に配流された人物でもある。忠義は、霊廟祀られ秀吉幕府創設者徳川家康仮託し秀吉遺言背いて豊臣家根絶やしにし豊国神社破却命じておきながら、自分死後東照大権現として祀らせるという家康が行った矛盾した二番煎じを、徹底したパロディとして表現するのが主眼だった。〜。

※この「京都在住時代」の解説は、「岩佐又兵衛」の解説の一部です。
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