乱流の時代とは? わかりやすく解説

乱流の時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:32 UTC 版)

アルファロメオ」の記事における「乱流の時代」の解説

1968年アルファロメオは、商工業集中する北部ノルド)に比べ農業中心貧しかった南部スッド)の雇用創出経済格差是正という国策に従ってアルファスッド(Industria Napoletana Costruzioni Autoveicoli Alfa Romeo-Alfasud S.p.A )を設立しナポリ郊外のポリミアーノ・ダルコに新工場建設し1970年パリ・サロン同社初の量産FFフロントエンジン・フロントドライブ小型大衆車アルファスッドデビューさせた。アルファスッド廉価モデルありながらボディ・デザインを「ジュリア」で功績のあったジョルジェット・ジウジアーロ託しスペース効率上げるために新開発水平対向4気筒エンジン採用するなど大変意欲的な車で技術的に性能面でもアルファ名に恥じないのだったフロントオーバーハングエンジン低くマウントし、異例にキャパシティ大きサスペンションを得ることで、後輪駆動のジュリアシリーズ以上のコーナリング性能手に入れたのである1966年日本発売されスバル・1000 と非常に近似したメカニズムレイアウトを指摘されることがある自動車雑誌スーパーCGNo.29に掲載されているアルファスッド開発責任者だったルドルフ・ルスカへのインタビュー記事の中で、同氏アルファスッド以前の同じレイアウトの車の車名いくつか挙げアルファスッド設計がそれらに「影響されわけではない」と主張している。 市場大いなる賞賛以って迎えられアルファスッドであったが、労働争議による国内での鉄鋼生産量の著し減退を補うためにソ連から輸入され鋼板が、ベルギーフランスのもの(アーベッドやユジノール)より品質劣っていたこと、工場建設計画通り進まず、その鋼板を数か月露天放置していたこと、さらに南部労働力質的問題による防錆処理不徹底などから、初期アルファスッドは「から錆びる」クルマとなり、低品質車のレッテルを貼られ、結果としてアルファロメオ全体イメージ失墜させてしまうこととなった1983年登場した後継車33では、品質問題はかなり改善されたが、これらの「南系」車種国外でセールス伸び悩んだ。なお、このナポリ進出以降エンブレムの「ALFA-ROMEO MILANO」から、「MILANO」の文字はずされている。 1972年ミラノアルファロメオから、大成功収めたジュリア」の後継となる新型ファミリーセダンがデビューする。それはアルフェッタと名付けられた。かつてF1グランプリ活躍したティーポ158/159」の愛称「アルフェッタ」を引き継いだこの車は、高度なメカニズム持っていた。高性能DOHCエンジン対地キャンバー変化少ないド・ディオンタイプのリアサスペンションバネ下重量軽減効果のあるインボードタイプのリア・ディスクブレーキやトーションバー式のフロントスプリング、車両前後重量配分最適化するためトランスミッションとリアデフを一体化したトランスアクスルとするなど、いずれも車の運動性能走行性能高めるための仕組みである。 しかしながら設計の古いエンジン性能を落とすことによる排出ガス規制への対応、意欲の低い生産現場そぐわない高度で高コスト設計当時世界的な水準から大きく劣った品質は、財務体質改善する至らず、さらにアルファ凋落進めたとも言える。このシリーズ設計活かして各種競技使われたが、やはり機械的信頼性低さから、ラリーではトラブルによるリタイヤ終わった。 「アルフェッタ」の基本構造下級車種第二世代ジュリエッタ、そしてそれらの後継アルファロメオ創立75周年記念して生産され75上級車アルファ690引き継がれたが、度重なるストライキ労働意欲低下し生産技術世界標準から大きく劣ったアルファロメオにとって、これまで以上に凝った高コスト製品は、アルファ経営圧迫することになった元来理想追求する設計良しとし、作業性や生産効率二の次とする体質から、すでにそのような量産車メーカー存続できない時代であったこと、それをブレイクスルーできる人材にも資金にも恵まれていなかったのがアルファロメオ悲劇であったちなみに商用量産車として初め可変バルブタイミング機構採用したのはアルファである。 1984年には日産自動車提携し合弁会社「A.R.N.A.」(AlfaRomeo and Nissan Automobili )を設立共同開発車「アルナ」を生産した。この車は日産大衆車パルサー」の車体スッド由来水平対向エンジン搭載したもので、シャシはもちろん、外観上もフロントアルファ伝統盾形グリルが付くほかはパルサーそのもので、イタリア国内ではそこそこ売れたものの、スタイリング酷評された。日本国内でもこの提携呼応して「パルサー・ミラノX1」というグレード設定され日産ディーラーアルファロメオエンブレム躍ったが、それはイメージ戦略上の何物でもなく、マーケティング上は双方もたらすものはほとんどなかった。このプロジェクト自体結局失敗終わったが、アルファロメオ日本メーカーの持つ高度な生産システム品質管理について多く学んだ

※この「乱流の時代」の解説は、「アルファロメオ」の解説の一部です。
「乱流の時代」を含む「アルファロメオ」の記事については、「アルファロメオ」の概要を参照ください。

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