乱流効果の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/03 00:40 UTC 版)
乱流境界層は層流境界層よりも流れが剥がれにくいことは、表面にディンプルが彫りこまれたゴルフボールが描く軌道などによって経験的に知られていた。1930年代にはフリーフライト模型機の翼に、ディンプルのような凹凸や、針金などによる突起をつけて、剥離を遅らそうとする発想があった。 1938年、アメリカ合衆国においてNACA4字番号翼型の設計者であるイーストマン・N・ジェーコブスが付近の模型クラブの依頼を受け、参加モデラーが持参した模型翼の煙風洞実験を行った。当時、翼前半上面に3~4本の細い桁を入れた多桁構造翼が多く作られていた。持ち寄られた沢山の模型翼のうち、工作が下手なため桁がリブより1ミリメートル以上も飛び出し、翼の上面が凸凹になっている多桁翼があったが、予想に反してこれが最も失速角が大きかった。これに倣い、故意に翼の上にバルサ棒を突出させた模型機が流行した。これが模型乱流翼の始まりである。 第二次世界大戦中のドイツにおいては、F・W・シュミッツの模型飛行機用の翼型、特に乱流翼の組織的な研究が行われた。日本では1955年頃、『航空ファン』誌に橘清三がこれを紹介し、当時のモデラーがその資料を基に、乱流翼を使った機体を競技に登場させた。
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