乱流遷移の指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 01:54 UTC 版)
定義を見てみると分母は粘性力、分子は慣性力の強さを表しており、レイノルズ数は粘性力(周りの流体要素と同様に動こうとする力)に対する慣性力(周りとは別に動こうとする力)の強さを表していると見ることができる。したがってレイノルズ数が大きくなることは、各流体要素が別個に運動し、流れ場が乱流に近づくことを意味する。一般に、流れは、レイノルズ数が小さい内は層流だが、レイノルズ数が大きくなると、乱流に転ずる。このため、レイノルズ数は、乱流と層流を区別する指標としても用いられる。層流が乱流に遷移するときのレイノルズ数を限界レイノルズ数という。例として、円管内の流れでは2,300 - 4,000であることが知られている。レイノルズ数が2300と4000間では、層流と乱流ともに起こり得り"遷移"流と呼ばれ、配管の粗さや流れの不均一性等の他の要因に影響される。この結果は水力直径を用いた非円形水路についても発生し、遷移レイノルズ数は他の形状の水路についても計算することができる。一様流中の平板表面では限界レイノルズ数は500,000程度であることが実験から知られている。 これらの遷移レイノルズ数は"限界レイノルズ数"と呼ばれ、1895年にオズボーン・レイノルズにより研究されている。
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