流体要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 01:27 UTC 版)
羽根車 流体にトルクを与える要素である。目的に合わせて径向き羽根、後向き羽根が使用される。翼の上にシュラウド(覆い)が付いているものも有る。流路面積は通常、底面では末広がりだが翼の高さは低くなっていくので全体としてそれほど拡散胴にはなっていない。流れは三次元的に曲がっており速度および圧力分布は極めて複雑である。よって効率のよい流れを求めて流れの視覚化技術やCFD解析技術の向上も模索されている。特徴として更に、流れに垂直な方向にも圧力勾配が生じている。これは回転系から見ると「コリオリの力」と「流線曲率の定理」の影響による圧力勾配が生じるためで、その結果翼の両側に圧力差が生じている。羽根車出口の周速は遷音速(せんおんそく)に達しているものもあるが、流速はスリップと呼ばれる現象などの要因によって減速しディフューザー入り口ではマッハ0.8程度の高亜音速になるように設計される。加工方法は切削加工、精密鋳造、鍛造などがあり所要の目的に応じて選択され、材料はチタン合金やアルミ合金が使用される。 固定流路 流れを整流するケーシングやガイド、減速して昇圧するためのディフューザーなどの要素である。流れを転向あるいは変速させる所に翼型を用いるのは、流れの剥離すなわち圧力損失を抑えるためである。その他の流路形状によっても様々な損失が有り精度良く見積もることが重要である。例として吸込み流路、戻り流路、案内羽根、クロスオーバー、円形翼列、案内羽根なしディフューザー、ボリュート(スクロール)などがある。
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