九つの世界の生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 23:54 UTC 版)
「マーベル・シネマティック・ユニバースの設定・用語一覧」の記事における「九つの世界の生物」の解説
アリ 本項では、スコット/アントマンやピム親娘がサポートのために調教し、操るアリたちを記述する。クロオオアリ (Carpenter ant / Camponotus pennsylvanicus) スコットやピム親娘と最も親密に行動・活動するアリ。アントマンになって間もなかった頃のスコットは、ピムからナンバリングされた個体番号247の羽アリに“アントニー”と名付け、空飛ぶ愛馬の如き相棒的存在として可愛がったが、ダレンとの戦いで死亡してしまった。 その後スコットは、モバイル研究所を巡るソニー・バーチの一味やエイヴァ・スター/ゴーストとの一件で跨った羽アリには、“ユリシーズ・S・グラント”、“アントニオ・バンデラス”と名付けている。 なお、日本語の「クロオオアリ」は学術上は日本の在来種 Camponotus japonicus を指すが、劇中の訳では同属の Camponotus pennsylvanicus(カンポノータス・ペンシルバニカス)の訳名に用いている。本来羽根を持ったアリは女王と雄のみ、しかも羽化から結婚飛行までのごく限られた期間だけであるが、劇中の彼女たちはなぜか全て無脱翅、飛行可能状態の女王アリである。体色は漆黒ではなく、かなり茶色がかった表現になっている。 サシハリアリ[弾丸アリ](Bullet ant / Paraponera clavata) 世界最大級のアリの一つ。強力な毒針を持つため、研究、実験、飼育などの際は取り扱いに細心の注意が必要とされる。 ピム・テック本社屋でもその毒針を用い、ダレンや彼の手下らを行動不能にするのに一役買う。 ヒゲナガアメイロアリ(Crazy ant) 最初はスコットを仲間として認識しないが、訓練によるコミュニケーションの上達につれ頼もしい味方になっていく。 劇中みられる手書きの英語表記では「Crazy ant」と正確な種まで特定しない呼び名になっており、セリフ上では「Paratrechina longicornis」、「ヒゲナガアメイロアリ」と紹介される。しかしビジュアルとして描かれる姿は、むしろ沖縄の市街地などでもよくみられるアシナガキアリ(Yellow crazy ant / Anoplolepis gracilipes)のそれに近い。 ヒアリ(Fire ant / Solenopsis mandibularis) 「ヒアリ」はトフシアリ属に属する中南米原産の幾つかの種の総称であり、本作品に登場するヒアリは Solenopsis mandibularis という種類で、アカヒアリ(Solenopsis invicta)や日本にも帰化したアカカミアリ(Solenopsis geminata)等の同属種。 小型だが毒針を持ち凶暴で膨大な数に繁殖するため悪名が高い。また彼らは多数の働き蟻が集まり結合することで筏や橋を造って水を渡ることができ、その能力を活かしてスコットは警備が一層厳重となったピム・テック本社屋に潜入する際に、給水本管内部を移動した。 クマムシ(Tardigrade) 量子世界に複数生息する微生物。ジャネット曰く「可愛いけど人を食べる」生物で、探査機で量子世界に入ったピムにも襲い掛かろうとしている。 アスガルドの生物 ペガサス以外の本項に記述する生物も、北欧神話に登場する生物のモデルである。スレイプニル(Sleipnir) “スレイプニル”のモデルである、8本脚の軍馬。ソーたちがヨトゥンヘイムで氷の巨人群に追い詰められた際に、オーディンが騎乗して登場した。 フギン&ムニン(Hugin and Munin) “フギンとムニン”のモデルである、二羽のワタリガラス。2013年にソーがヴァナヘイムからアスガルドに帰還した際にアスガルドの王宮を飛び、オーディンの腕にとまる。 フェンリス(Fenris) “フェンリル”のモデルであり、ヘラの忠実なペットでもある黒い体毛に覆われた巨大な狼。機銃掃射にも耐え、素早く動けるほどの肉体と強靭な顎・刃物のように鋭い牙、主人同様に極めて凶暴な性質を併せ持つ。 ヘラの兵隊と共にその亡骸はアスガルドの武器庫の最下層部に安置されていたが、ヘラによって永遠なる炎を与えられ、緑色の瞳となって復活。以後は主人に従い、アスガルドの民を恐怖させ、母国から避難しようとする彼らに立ち塞がって襲いかかるが、そこに落ちてきたブルース・バナーがハルクに変身して妨害したため対決。激しい水中戦の末に、巨大な滝へ流される。 アラゴーン(Aragorn) ヴァルキリーが愛馬としていた天馬。ギリシャ神話のペガサスと同様に、背中にある猛禽類のような大きな一対の翼でヴァルキリーの戦士を乗せて空を飛ぶ。 太古の時代にオーディンに追放されたヘラが反乱した際に、彼女の鎮圧のためにヴァルキリーたちと辺境の星へ向かったが、ヘラの連撃によって、ヴァルキリーたちと共にほぼ全滅状態に陥ってしまった。 そのためか、現代においてはアスガルドをはじめとする九つの世界や各惑星のいずれにもその姿が見られなかった。しかし、2023年に地球で勃発したアベンジャーズたちとサノスの群勢の最終決戦には、ブリュンヒルデ/ヴァルキリーが一頭に騎乗して参戦。ヴァルキリーだけでなく、ピーター/スパイダーマンも騎乗させて戦場を飛んだが、ヴァルキリーがどのような経緯でこの一頭の天馬を手にしたのかは不明。 ティバー ヴァナヘイムの城の近くにある王家の馬小屋に住み、板金鎧を身に纏った力強い馬。シフはこの馬に乗ってヴァナヘイムの戦いに参戦する。 フロスト・ビースト(Frost Beasts) ヨトゥンヘイムに棲息する四足歩行の巨獣。氷の巨人と同様に体表は薄青く両目も赤いが、巨人を上回るほどの巨体で、尻尾の先端に数本の突起が生えている。非常に獰猛で、その巨体に反してかなりの速度で疾走する。 氷の巨人の寺院の壁に氷漬けにされていたが、巨人群とソーたちの大乱闘のなか、戦況を覆すためにラウフェイに解き放たれ、寺院から撤退したシフとウォーリアーズ・スリーを追いかけて、巨人群と共に挟み撃ちにするものの、ムジョルニアを駆使したソーの特攻で口内から後頭部を貫通され、奈落へと落ちる。 同種の別個体が数体存在するようで、ソーとマレキスがヨトゥンヘイムに辿り着いた際に現れた個体が両者に襲いかかるが、次元移送に巻き込まれ、グリニッジでダーク・エルフの群れを丸呑みした。 その事後に、イギリスの廃墟を走り回っていたが、その後の去就は不明。 ドラゴン(Dragon) ムスペルヘイムの地底に棲む、鎖でつながれた巨大な竜。獰猛で、炎の悪魔らと同様に身体の所々が火に覆われており、その体躯に反して非常に機敏で、背中からエンジンのように炎を後方へ放ちながら高速飛行する能力を持つ。 ムスペルヘイムに乗り込んできたソーがスルトを一度倒すと解放され、ムスペルヘイムから脱出しようとするソーを殺そうと挑みかかったが、差し架かったビフレストへ無理矢理突入したことで首が切断されて死亡。その頭部は、ビフレストの効果でアスガルドの天文台へ体液を撒き散らしながら放り込まれる。
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