一般均衡理論とは? わかりやすく解説

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いっぱん‐きんこうりろん〔‐キンカウリロン〕【一般均衡理論】

読み方:いっぱんきんこうりろん

関連するすべての市場における需給同時的な均衡成立条件数学的に分析しようとする理論フランスワルラスによって創始されローザンヌ学派によって展開された。


一般均衡

(一般均衡理論 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/13 00:51 UTC 版)

一般均衡(いっぱんきんこう,: general equilibrium)とは、ミクロ経済学、特に価格理論のアプローチの一つである。主として1つの市場における価格と需給量の決定をあつかう「部分均衡分析」に対し、多くの財をふくむ市場全体における価格と需給量の同時決定を扱う理論を「一般均衡分析」と呼ぶ(ただし、部分均衡は注目する財以外をまとめて一つの財として捉え、明示的ではないがその均衡を考えていることになるため、一般均衡分析でもある)。

レオン・ワルラスが1870年代に創始し、パレートによって継承され発展したローザンヌ学派が確立し、1950年代にケネス・アロージェラール・ドブルーライオネル・マッケンジー二階堂副包らの貢献により現在の整合的な分析手法となった。

消費者や生産者がすべての財の価格を与えられた「プライステイカー」として行動する完全競争市場の一般均衡モデルは、消費者や生産者の効用関数や生産関数を特定化しなくても、凸解析不動点定理などでかなりの分析が可能な数学的に優れた構造を持つ。すべての財の市場の需給が一致する競争均衡価格の存在定理や、競争均衡における資源配分がパレート最適であることを言った「厚生経済学の第一定理」などが、一般均衡分析の重要な定理として知られている。これらの定理は仮定から結論を導く数学的な証明を追うことで理解可能であるが、2財2消費者を図示したエッジワースボックスでも直感的な理解は可能である。

一方、非競争的な市場の分析で、同一市場内で製品差別のない寡占の分析は、完全競争市場の一般均衡ではなく、非協力ゲーム理論によるものが主流になっている。


脚注

主な文献

  • Debreu, G. Theory of Value: An Axiomatic Analysis of Economic Equilibrium (Cowles Foundation Monographs Series), (Yale University Press 1959). 丸山徹訳『価値の理論 ―経済均衡の公理的分析』(東洋経済新報社), 1977年
  • Arrow, K. J. and Hahn, F. H. General Competitive Analysis, North-Holland, 1971
  • Balasko, Y. General Equilibrium Theory of Value, Princeton University Press, 2011

関連項目

外部リンク


一般均衡理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 19:18 UTC 版)

レオン・ワルラス」の記事における「一般均衡理論」の解説

彼の最大著作である『純粋経済学要論』(Eléments d'économie politique pure, ou théorie de la richesse sociale)は1874年上巻が、1877年下巻出版された。この著作によってワルラスは、一般均衡理論の父と考えられている。ワルラスはその経済学大系(l'économie politique et sociale)を、三分する。それは三層分かれる現実本質的な部分抽出して再構成した(真理を示す)理論経済学土台として、その論理的成果利用して人々経済的厚生高める(効用問題とする)応用経済学更には人と人の関係を問題とする(正義関わる社会経済学である。特に理論経済学最大目的は、自由競争適用されるべき範囲画定することだと言ってもよい。当時セー流れを汲む正統派経済学者たち(同時に教条自由放任主義と言ってもよい)が、根拠を示すことなくあらゆる側面自由放任主義唱えることを強く批判している。そこでワルラス考え完全競争ではすべての市場需給一致させる競争均衡価格実現するワルラスの一般均衡理論は、ローザンヌ大学時代弟子であるヴィルフレート・パレート中心とするグループローザンヌ学派)によって継承され、よく知られるようになった。後にワシリー・レオンチェフによって実際経済適用する道が開かれたジョン・メイナード・ケインズワルラスの一般均衡理論で想定されている経済現実市場大きく乖離していることを強く批判しワルラス流の価格決定モデル非現実的であると述べた。この批判は、ワルラス自身方法論からいえば、それは問題が違う、ということになる。他方、「新しい古典派」の理論家たちはケインズ異端見なしワルラスの一般均衡理論を再評価する。

※この「一般均衡理論」の解説は、「レオン・ワルラス」の解説の一部です。
「一般均衡理論」を含む「レオン・ワルラス」の記事については、「レオン・ワルラス」の概要を参照ください。

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