ミッションの経過状況
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「マーズ・エクスプロレーション・ローバー」の記事における「ミッションの経過状況」の解説
詳細は「スピリット (探査機)」および「オポチュニティ」を参照 時刻はUTC(協定世界時) 2003年6月10日17時59分:デルタ IIロケットに搭載されたスピリットが打ち上げられる。 7月7日15時18分:オポチュニティが打ち上げられる。 2004年1月3日4時35分:スピリットが火星のグセフ・クレーターに着陸。なお、スピリットの着陸後1週間で、NASAのウェブサイトの閲覧回数は今までのミッションを遥かに上回る17億回を記録し、データ転送量(サイトを見た人が画像や動画をダウンロードした量)は34.6テラバイトにも達した。 1月24日1時5分:オポチュニティが、火星の反対側にあるメリディアニ平原に着陸。 1月21日:ディープスペースネットワーク (DSN) とスピリットとの通信が途絶えた。探査機はデータのない信号を転送したが、この後に予定されていたマーズ・グローバル・サーベイヤーとの通信セッションの機会を逃してしまう。 1月22日:JPLがスピリットから異常を示すビープ音を受信することに成功する。 1月23日:フライトチームがスピリットからデータを返送させることに成功する。通信途絶の原因は、初めはオーストラリアにある地球局付近の悪天候によるものと考えられていたが、調査の結果、ローバーに搭載されているフラッシュメモリのサブシステムに問題があることが分かった。スピリットは一切の探査を休止し、10日間をかけてソフトウェアのアップデートとテストを実施した。フラッシュメモリの再フォーマットを行い、メモリの使いすぎを修正するパッチを当て、この問題を解決した。オポチュニティも、これと同じ修正パッチによってソフトウェアのアップグレードが行なわれた。 2月5日:スピリットが活動を再開。 3月23日:NASAは記者会見を開き、火星表面上で過去に水が存在したことを決定づける証拠を発見した、と発表した(これは「主要な発見」と報道された)。科学チームの代表団は、オポチュニティが着陸したメリディアニ平原のクレーター内部にある岩石の露出部分で発見した、流水の痕跡を示す階層パターンの画像およびデータを公表した。また、ここで発見された塩素と臭素の不規則な分布状態は、現在では蒸発した塩水の海岸線の跡ではないかと考えられている。 4月8日:第1次ミッション延長。NASAが探査機の任務期間を3ヶ月間から8ヶ月間に延長することを発表。事業でかかる数ヶ月あたりの280万ドルと同様に、予算の拡大は1500万ドルの追加を交えて9月までに提供された。 4月30日:オポチュニティがエンデュランス・クレーター(英語版)に到着。到達までには5日かかり、走行距離は200mであった。 9月22日:第2次ミッション延長。NASAが探査機の任務期間を6ヶ月延長することを発表。この頃、オポチュニティはエンデュランス・クレーターを離れ、着陸時に投棄した耐熱シールドの横を通過し、ビクトリア・クレーター(英語版)に向かっていた。一方、スピリットはコロンビア・ヒルズの頂上への登山を試みていた。 2005年4月6日:第3次ミッション延長。2つの探査車が正常通り機能している最中、NASAは2006年9月までの18カ月の追加ミッションを発表した。その頃オポチュニティはエッチド・テレインに到達し、スピリットは岩の多い斜面を進みながらハズバンド・ヒルへの登頂を試みていた。 8月21日:スピリットは4.81キロメートルの走行に581火星日かかった後、ハズバンド・ヒルに到達した。探査機操作担当のクリス・リーガーによれば、ミッション開始時はスピリットとオポチュニティが保障期間の90日間を超えて作動することは予想されなかったし、コロンビアヒルズへの到達は「まさしく夢」であったそうだ。またローバーの調査主任、スティーブ・スクワイヤーズは「火星は寒冷で乾燥しているゆえ、アルミ製のローバーはさびることがない。ほとんど変化のない火星表面で、何百万年も存在し続けるだろう。人類が作った何よりも長く」と述べている。 2006年9月:第4次ミッション延長(2007年10月まで)。 2007年7月4日:オポチュニティによるビクトリア・クレーターの探査が決定。 9月11日:オポチュニティ、ビクトリア・クレーターに降下開始。 10月1日:第5次ミッション延長(2009年まで)。 10月2日:オポチュニティ、ビクトリア・クレーター内で調査開始。 2008年9月2日:オポチュニティ、ビクトリア・クレーターから脱出。 2009年5月1日:スピリットはトロイと呼ばれる緩い砂地を通過しようとした際に車輪が砂にはまり、身動きがとれなくなる。 2010年1月26日:NASAはスピリットの砂地からの脱出を断念。以後静止観測を行うとした。 3月22日:この日を最後に、スピリットとの通信が途絶。 2011年5月25日:スピリットとの通信が幾度も試みられたものの回復する見込みがなく、NASAはスピリットの運用終了を発表した。 2013年5月15日:NASAは、オポチュニティの累計走行距離が35.760 km に達したと発表した。1972年12月にアポロ17号の宇宙飛行士が月で運転した月面車の総走行距離35.744 kmを上回り、NASAの地球外探査車の最長走行距離の記録を樹立。 2014年1月24日:オポチュニティ着陸10周年。 7月28日:NASAは、オポチュニティの累計走行距離が40 km に達したと発表した。ソ連の月面車ルノホート2号の総走行距離 39 km を上回り、地球以外で最も長い距離を走行した探査車になった。 2015年3月23日:NASAは、オポチュニティの累計走行距離が、フルマラソンと同じ42.195 km に達したと発表した。
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