ミシェル・ペローとは? わかりやすく解説

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ミシェル・ペロー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/20 02:16 UTC 版)

ミシェル・ペロー (Michelle Perrot; 1928年5月18日 -) はフランス歴史学者パリ第7大学名誉教授である。フランスにおける女性史研究の第一人者とされ、アナール学派ジョルジュ・デュビィと共に『女の歴史』全5巻(藤原書店)を監修。著書『歴史の沈黙 ― 語られなかった女たちの記録』、『フランス現代史のなかの女たち』などの邦訳もあり、ジョルジュ・サンド研究者として、日本における「ジョルジュ・サンド セレクション(ジョルジュ・サンド生誕200周年記念)」の編集にも携わった。女性史のほか、労働史、犯罪や刑務所制度に関する社会学的研究も行い、こうした功績により女性の自由のためのシモーヌ・ド・ボーヴォワール賞レジオンドヌール勲章国家功労勲章などを受けた。


  1. ^ a b c d e f g L'HISTOIRE DE MICHELLE PERROT. Entretien avec Margaret Maruani, Chantal Rogerat” (フランス語). (ミシェル・ペローの経歴 ― マルガレット・マリュアニ、シャンタル・ロジュラによるインタビュー; 2002年). 2018年9月28日閲覧。
  2. ^ a b PERROT Michelle [née ROUX Michelle - Maitron]” (フランス語). maitron-en-ligne.univ-paris1.fr. 2018年9月28日閲覧。
  3. ^ Lycée Fénelon” (フランス語). 2018年9月28日閲覧。
  4. ^ ブノワット・グルー 有吉佐和子, カトリーヌ・カドゥ訳 (1975). 最後の植民地. 新潮社 
  5. ^ ブノワット・グルー (新装復刊版 2000). フェミニズムの歴史. 白水社 
  6. ^ 労働司祭”. 労働者の世界にキリストの福音を伝えることを目的とし、みずから労働者となって生活をともにしているカトリック教会の司祭たちをいう。この運動は、現代社会における労働者階級の教会からの離反が、教会のブルジョア性と怠慢にあるとする深刻な反省をもとに、第2次世界大戦後のフランスにおいて、ドミニコ会士ジャック・レーブらによって始められた。またパリ大司教スハール枢機卿は「ミッション・ド・フランス (フランス宣教会) 」を創設、労働者のなかでの宣教をはかったが、保守的カトリックの反発を招き、1954年、教皇庁は「労働司祭の実験停止」命令を発した。しかしその後もこの運動は発展を続け、65年にはレーブの「使徒的協会」が正式に認可された。一方、54年に結成された「労働宣教会」も発展し、約1000人の労働司祭が、工場労働者、給仕、塗装工、掃除人などとして奉仕している。この運動は、ブラジル、カナダ、日本でも展開されている。(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』). 2018年9月28日閲覧。
  7. ^ 筑摩書房 工場日記 / シモーヌ・ヴェイユ 著, 田辺 保 著”. www.chikumashobo.co.jp. 2018年9月28日閲覧。
  8. ^ 青年キリスト者労働連盟またはカトリック青年労働者連盟 (JOC)”. 産業社会に生きる信徒青年労働者を教会に結びつけることを目的に、1925年カルディン神父 (1882-1967) がベルギーのブリュッセル郊外に設立した若いキリスト教信者労働者組織の運動。いわゆる宗教活動ばかりではなく、キリスト教的な社会正義の理念を労働界に具現するための活発な活動を積極的に行なっている。世界の60か国以上に広がり、日本でも活動している。(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』). 2018年9月28日閲覧。
  9. ^ 創立者紹介 | 聖ペトロ・パウロ労働宣教会 Mission ouvrière saints Pierre et Paul”. www.mopp.sakura.ne.jp. 2018年9月28日閲覧。
  10. ^ 邦訳に「十八世紀における社会関係と都市」(二宮宏之ほか編集『都市空間の解剖』(新評論, 1985) 所収) などがある。
  11. ^ 邦訳に『ヨーロッパの民族学』(樋口淳, 諸岡保江, 野村訓子訳, 白水社, 1994)、『フランスの民俗学』(マルティーヌ・セガレンとの共著, 樋口淳, 野村訓子訳, 白水社, 1991) などがある。
  12. ^ 国際関係史を専門とし、邦訳に『ドイツ軍敗れたり』(西海太郎編訳, 白水社, 1987) がある。
  13. ^ 数量史(計量歴史学、クリオメトリックス)”. 長期的なデータを数量化することによって,社会の展開や人間の行動様式を解明しようとする、新しい歴史学の一手法。数量化されたデータを歴史の中に跡づける方法は近代経済学で行なわれ、数量経済史と呼ばれる一分野を形成している。数量史は、この数量的研究方法を経済史以外の分野に向け、社会史の数量化を目指している。最初の本格的な研究は,物価史を通じて社会構造を明らかにすることから始まったが、現在では歴史人口学、歴史気候学などの新しい歴史研究分野を開拓するまでに至っている。(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』). 2018年9月28日閲覧。
  14. ^ a b 塩川浩子によるミシェル・ペローの紹介文 (棚沢直子編『女たちのフランス思想』勁草書房, 1998)
  15. ^ 邦訳に『フランス共和国の肖像 ― 闘うマリアンヌ 1789-1880』(阿河雄二郎ほか訳, ミネルヴァ書房, 1989) などがある。
  16. ^ 邦訳に『ソヴィエト・シンドローム』(清水幾太郎訳, 講談社, 1981)、『幽霊の解剖 ― ソヴィエト社会主義の政治経済学』(篠原義近訳, 新評論, 1982) などがある。
  17. ^ 邦訳に『フランス革命を考える』(大津真作訳, 岩波書店, 1989)、『幻想の過去 ― 20世紀の全体主義』(楠瀬正浩訳, バジリコ, 2007)、『マルクスとフランス革命』(今村仁司, 今村真介訳, 法政大学出版局, 2008)、『フランス革命事典』(モナ・オズーフとの共著, 河野健二, 富永茂樹, 阪上孝訳, みすず書房, 1998) などがある。
  18. ^ 邦訳に「二人の子どものフランス巡歴」(『記憶の場 フランス国民意識の文化=社会史 2 統合』(ピエール・ノラ編, 谷川稔監訳, 岩波書店, 2003) 所収) などがある。
  19. ^ 仏大統領、旧植民地独立派の拷問「国家責任」認める 「汚い戦争」の事実解明は「歴史家に」懸念も”. エマニュエル・マクロン大統領は2018年9月13日の声明で、モーリス・オーダンは拷問中に死亡、あるいは処刑されたと発表し、背景には治安部隊による反体制派「容疑者」の逮捕・拘禁を認めた法制度があったとした。同日、パリ郊外に住むオーダン氏の妻を訪ね、「許しを請う」と述べた。. 2018年9月28日閲覧。
  20. ^ 邦訳に『新しい労働者階級』(海原峻, 西川一郎訳, 合同出版, 1970) などがある。
  21. ^ エドワード・P・トムスン 市橋秀夫, 芳賀健一訳 (2003). イングランド労働者階級の形成. 青弓社 
  22. ^ Mai 68、5月革命。 | OVNI| オヴニー・パリの新聞”. ovninavi.com. 2018年9月28日閲覧。
  23. ^ 邦訳に『フェミニズムの世界史』(村上真弓訳, 白水社, 1993)、『家族と婚姻の社会学』(有地亨訳, 法律文化社, 1978) などがある。
  24. ^ 邦訳に『性の歴史』(宮原信訳, 新評論, 1987 / 藤原書店, 1992)、『農民の愛と性 ― 新しい愛の歴史学』(蔵持不三也, 野池恵子訳, 白水社, 1989)、『フランスの家族 ― アンシャン・レジーム下の親族・家・性』(森田伸子, 小林亜子訳, 勁草書房, 1993)、『食の歴史』全3巻 (マッシモ・モンタナーリとの共著, 宮原信, 北代美和子監訳, 藤原書店, 2006) などがある。
  25. ^ 邦訳に『書物から読書へ』(水林章, 露崎俊和, 泉利明訳, みすず書房, 1992)、『読書と読者 ― アンシャン・レジーム期フランスにおける』(長谷川輝夫, 宮下志朗訳, みすず書房, 1994)、『書物の秩序』(長谷川輝夫訳, 筑摩書房, 1996)、『読むことの歴史 ― ヨーロッパ読書史』(グリエルモ・カヴァッロとの共編, 田村毅, 月村辰雄, 浦一章, 横山安由美, 片山英男, 大野英二郎, 平野隆文訳, 大修館書店, 2000) などがある。
  26. ^ 邦訳に『パリ 1750 ― 子供集団誘拐事件の謎』(アルレット・ファルジュとの共著, 三好信子訳, 新曜社, 1996)、「記憶の重荷」(二宮宏之訳『思想』1996年8月号所収) などがある。
  27. ^ 邦訳に『帰ってきたマルタン・ゲール ― 16世紀フランスのにせ亭主騒動』(成瀬駒男訳, 平凡社, 1985)、『境界を生きた女たち ― ユダヤ商人グリックル、修道女受肉のマリ、博物画家メーリアン』(長谷川まゆ帆, 坂本宏, 北原恵訳, 平凡社, 2001)、『愚者の王国 異端の都市 ― 近代初期フランスの民衆文化』(成瀬駒男, 高橋由美子, 宮下志朗訳, 平凡社, 1987)、『古文書の中のフィクション ― 16世紀フランスの恩赦嘆願の物語』(成瀬駒男, 宮下志朗訳, 平凡社, 1990)、『贈与の文化史 ― 16世紀フランスにおける』(宮下志朗訳, みすず書房, 2007)、『歴史叙述としての映画 ― 描かれた奴隷たち』(中條献訳, 岩波書店, 2007) などがある。また、ペローと共に『女の歴史』を編纂し、第III巻(16-18世紀)の編集を担当している。
  28. ^ ミシェル・ペロー講演録「フランスの女性史はどこまできたか」塩川浩子訳   棚沢直子編『女たちのフランス思想』勁草書房, 1998
  29. ^ 邦訳は他に『性の差異』(小野ゆり子訳, 現代企画室, 2000) などがある。
  30. ^ フランソワーズ・テボー:著, 北原零未:訳「フランスにおける女性史・ジェンダー史 -新しいアプローチ、新しい対象、新しい問題-」『ジェンダー史学』第9巻、ジェンダー史学会、2013年、79-91頁、doi:10.11365/genderhistory.9.79 
  31. ^ 「GIP (監獄情報グループ) の宣言書」(大西雅一郎訳) :『ミシェル・フーコー思考集成 IV ― 1971-1973 規範・社会』(蓮實重彦, 渡辺守章監修, 小林康夫, 石田英敬, 松浦寿輝編, 筑摩書房, 1999) 所収。
  32. ^ 歴史の沈黙 持田明子 - PR誌「機」 | 藤原書店”. fujiwara-shoten.co.jp. 2018年9月28日閲覧。
  33. ^ 中野隆生「ミシェル・ペロー著 福井憲彦/金子春美訳『フランス現代史のなかの女たち』, 日本エディタースクール出版部, 一九八九・六刊, 四六, 二三一頁」『史学雑誌』第98巻第11号、史学会、1989年、1856-1857頁、doi:10.24471/shigaku.98.11_1856 


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