ホーム・キャンペーンの重要なプレイヤーキャラクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 10:11 UTC 版)
「グレイホーク」の記事における「ホーム・キャンペーンの重要なプレイヤーキャラクター」の解説
ガイギャックスとクンツのホーム・キャンペーンに参加したプレイヤー達の多くが臨時プレイヤーであり、自分のキャラクターに名前を付けないことさえ時折あったのに対し、遥かに頻繁にプレイするプレイヤーもおり、彼らのキャラクターの何人かは、グレイホーク・キャンペーンセッティングの出版前に、ゲーム世界内全体でよく知られるようになっていた。これらのキャラクター達の幾人かは、ガイギャックスが彼の様々なコラム、インタビュー、出版物で言及したため有名になった。別の事例では、ガイギャックスがゲームのために呪文を作成した時、彼は時折彼のホーム・キャンペーンの魔法使いキャラクター名を呪文名に真実味を加えるために使用した。例えば「メルフス・アシッド・アロー」で、メルフ(英語版)は彼の息子ルークが作成したキャラクターである。当時収録されたキャラクターの幾人かはグレイホークの代名詞となった: マーリンド(英語版) ゲイリー・ガイギャックスの友人であるドン・ケイは、1972年にガイギャックスのグレイホーク・キャンペーンの2回目のセッションでマーリンドを作成した。ガイギャックスは後に、マーリンドが、プレイヤーがキャラクターに創造的な名前を付ける試みの最初のものであったことを回想した。初期の頃、ほとんどのプレイヤー(ガイギャックス自身を含む)が、単純に彼ら自身の名前のもじりをキャラクターの名前の基本に使用した(例えばGaryはYragなど)。他の架空の世界との相互交流は初期には普通の出来事であり、そしてこういったセッションの1つで、マーリンドはケイの好む設定であるアメリカの大西部に移されたことがある。マーリンドが最終的にグレイホークの世界に戻った時、彼は自分の6連発拳銃を一緒に持ち帰った。ガイギャックスは彼のグレイホーク設定では火薬の使用を許さなかったが、ドン・ケイのために抜け道を用意し、マーリンドが実は2本の魔法のワンドを所持しており、これは大きな音と共に小さいが致命的な飛び道具を発射できる、と裁定した。彼の名前は『アンアースド・アルカナ(英語版)』に掲載されたアイテムである、「マーリンドのスプーン」に使用された。 ロビラー(英語版) ロビラーは、ロブ・クンツの所有するファイターであった。マーリンドと同様に、2回目のセッションのためにグレイホーク城の近くで作成された。1972年、ガイギャックス家の台所テーブル上での出来事であった。ガイギャックスはクンツにロビラーという名前を提案した(この名前はガイギャックスの短編小説「ザ・ノーム・キャッシュ」の端役にちなんでいた)。クンツは毎回出席するプレイヤーであったため、ロビラーは急速に力と所有物を手に入れた。グレイホーク市が作られた時から、彼はグレイホーク市にある緑竜亭の秘密の所有者となり、そこで彼はこの街で起こる出来事の監視を続けた。クンツは瞬く間に他のプレイヤー達とのプレイがもどかしくなり、しばしばガイギャックスと1対1で単独の冒険を行った。ロビラーは単にガイギャックスのグレイホーク・ダンジョンの13層目と最底部に最初に到達しただけではなく、途中で彼はまた9柱の半神達を解放する責任を負った(ガイギャックスが10年後に復活させた、グレイホーク最初の神格の幾柱か:アイウーズ(英語版)、ラリシャズ、トライセリオン(英語版)、エリスヌル(英語版)、オリダマラ、ハイローニアス(英語版)、セレスティアン、ヘクストア、オーバド・ハイ)。ロビラーはまた、ガイギャックスの「邪悪寺院(英語版)」に最初に入り、それを完全に制覇した。ロビラーは、寺院の中心部で、女デーモンのザグトモイ(英語版)を牢獄から解放もした。クンツは後に、彼の傑作であるダンジョンが単独の冒険者に完全に破られたことにガイギャックスが狼狽し、罰として自分の城に戻るロビラーを軍勢が追跡し、彼は城を放棄せねばならなかった、と述べた。ロビラーはまた、緑竜亭の所有権も失った。 テンサー(英語版) テンサーは、ガイギャックスの息子アーニーが演じる魔法使いであった。グレイホークの最初期の頃、アーニーはしばしばロブ・クンツ(ロビラー)やテリー・クンツ(テリック)と共にゲームをした。ひところ、3人は自分達がグレイホーク・ダンジョンの下層部を略奪している間、彼らの忠実な手下達の勢力をあわせて、1層目への進入路を封鎖した。テンサーはグレイホーク・ダンジョンの13層目(そして当時の最底部)に到達した2人目のキャラクターとなり、そしてその時、彼はロビラーが行方不明であることに気付いており、彼を探していた。ゲイリー・ガイギャックスはテンサーの名前を2つの呪文名に含めた。「テンサーズ・フローティング・ディスク」と「テンサーズ・トランスフォーメーション」である。 テリック(英語版) テリック(TerikあるいはTeric)は、テリー・クンツによって作成されたキャラクターであった。テリックは、テンサー、ロビラーと3人でグレイホーク・ダンジョンの1層目を占拠した頃に、しばしば共に冒険をおこなった。テリックがロビラーとテンサーの行方不明に気付き彼らの捜索に向かった時、ガイギャックスのオリジナルなグレイホーク・ダンジョンの最下層に到達した3人目の、そして最後のキャラクターとなった。 エラックの従兄弟(英語版) ゲイリー・ガイギャックスの息子アーニーは当初、彼がエラックと呼ぶキャラクターを持っていた。後に、彼は個人的な課題のために彼の背景の一部として、自分自身をエラックの従兄弟と名乗る、名を明かすことを拒む魔法使いを作成した。ゲイリー・ガイギャックスは、アーニーがエドガー・ライス・バローズの火星シリーズを好んでおり、そしてかつてエラックの従兄弟をバルスームに似た火星(そこの住人達は、魔法使いが魔法を使うことを嫌った)に送ったことがあるのを知っていた。エラックの従兄弟は、その代わりにファイターとなることを強いられ、二刀流でうまく戦う術を学んだ。やがて彼はオアースにテレポートで戻ることができたが、彼が2振りの首斬りの剣(英語版)を手に入れた時、ロブ・クンツとゲイリー・ガイギャックスは彼が強力になりすぎたと決め、彼をデーモンの手中に誘い込んだ。デーモンは彼を別の次元界に捕らえ、そこでは首斬りの剣から魔力が吸い出され、破壊された。 イラグ(英語版) ガイギャックスがクンツを共同DMにした後、このファイターはガイギャックスの最初のキャラクターとなり、彼はしばしばイラグの様々な冒険について、コラムやインタビューで言及した。イラグ(Yrag)は、単純にゲイリー(Gary)の逆読みである。 モルデンカイネン これは恐らくガイギャックスの最も有名なキャラクターであり、また彼のお気に入りでもあった。モルデンカイネンは1973年の初め頃に作成され、彼の名前はフィンランド神話から引用された。しばしばクンツをDMとした絶え間ないプレイにより、ガイギャックスはモルデンカイネンを強力なキャラクターに成長させた。ガイギャックスは、ただモルデンカイネンが「二十数レベル」であると述べるのみで、彼が正確にどのくらいの力を持つのかは明らかにしなかった。彼がモルデンカイネンを最後に使った数年後でさえ、彼はモルデンカイネンの力と所有物のいずれも明かさなかった。第1版の様々な呪文に彼の名前が冠されている。例えば「モルデンカイネンズ・フェイスフル・ハウンド」、「モルデンカイネンズ・リュキュブレイション」、「モルデンカイネンズ・ソード」などである。 ビグビー(英語版) ビグビーは、ロブ・クンツのグレイホーク・ダンジョンにおける、低レベルの悪の魔法使いであるノンプレイヤーキャラクターとして世に出た。ゲイリー・ガイギャックスは、モルデンカイネンをプレイしている時に彼を服従させることに成功し、ビグビーに手下になることを強制した。長い時間といくつかの冒険の後に、モルデンカイネンはビグビーが悪の道から離れるよう説得することに成功し、そしてクンツはビグビーが敵から忠実な手下に変貌し、そのためガイギャックスがビグビーをプレイヤーキャラクターとして引き継ぐことができる、と裁定した。その後、ガイギャックスはビグビーをモルデンカイネンに次いで2番目に力のある魔法使いに成長させ、そして彼の名前を一連の「ハンド」系呪文を記述するのに使用した(例えば「ビグビーズ・クラッシング・ハンド」、「ビグビーズ・グラスピング・ハンド」など)。このしばらく後に、ロブ・クンツはモルデンカイネンの未来の部下の名前は全て、ビグビーと韻を踏まねばならない、と裁定した。この結果、ドワーフのジグビー、クレリックのリグビー、ファイターのシグビー・グリグビーソン、ビグビーの弟子ニグビー、ビグビーの代わりにモルデンカイネンの新たな弟子となったディグビーなどがもたらされた。 メルフ(英語版) メルフはゲイリー・ガイギャックスの息子ルークによって作成されたエルフのキャラクターである。ルークが彼のエルフの能力値を振り、キャラクターシートにその他の事項まで書き込んだ後、彼は自分の新キャラクターに付けるべき名前を思い付くことができず、単純にキャラクターシートの先頭に書かれていたものを使った。M Elf(これは、男のエルフ[male elf]の意)。ゲイリー・ガイギャックスは、メルフの名前を「メルフス・アシッド・アロー」の呪文に借用した。 レアリー(英語版) レアリーは、ブライアン・ブルームによって作成された魔法使いで、3レベルに到達するまでの間だけプレイされた。その時点でブルームは、そのキャラクターを「中くらいのレアリー」と呼ぶことができるという目標を達したため、彼を引退させた。ガイギャックスは呪文の「レアリーズ・ニーモニック・エンハンスメント」や「レアリーズ・テレパシック・ボンド」に彼の名前を借用した。 オットー(英語版) オットーは、ビグビーのように、グレイホーク・ダンジョンにおける悪のノンプレイヤーキャラクターである魔法使いとして世に出た。テンサーとロビラーは戦闘で彼を倒し、どちらを主人にするか選択の機会を与えられた時、オットーはロビラーに仕えることを選択し、それによってロビラーの創作者であるロブ・クンツによって管理されるキャラクターとなった。その後、オットーは、ロビラーによるテンプル・オブ・エレメンタル・イーヴルの破壊を含む、ロビラーの数多くの冒険に同行した。ゲイリー・ガイギャックスはオットーの名前を「オットーズ・イレジスティブル・ダンス」に借用した。 ドローミジ(英語版) ドローミジは、ジム・ウォード(英語版)によって作成された魔法使いである。ドローミジ(Drawmij)は、単純に彼の名前(Jim Ward)の逆読みである。ガイギャックスは、彼の名前を魔法の呪文である「ドローミジズ・インスタント・サモンズ」に借用した。 八者の円(英語版) グレイホーク・ホーム・キャンペーンのガイギャックス自身のキャラクター達が、合計すると使い切れないほどの充分の富と、大抵の国家の軍勢に匹敵し得る常備軍両方を蓄積した時点で、彼はキャラクター8人全員―モルデンカイネン(ウィザード)、イラグ(ファイター)、ビグビー(ウィザード)、リグビー(クレリック)、ジグビー(ドワーフ)、フェルノリス(エルフ)、ヴラム(エルフ)、ヴィン(エルフ)―を集め、「八者の円」とした。彼らの資産を共同利用して、ガイギャックスは八者が邪悪な土地の真ん中に要塞を建設し、彼らが冒険を探して遠方まで旅しなくても済むようにしたゲーム内時間で3年後、八者の円と彼らの軍勢が収容された八角形の城である、黒曜石要塞が完成していた。
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