ホーム・キャンペーン(1972年~1979年)
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「グレイホーク」の記事における「ホーム・キャンペーン(1972年~1979年)」の解説
ガイギャックスとアーンソンがTSRを通じてダンジョンズ&ドラゴンズのルールを開発して出版することに取り組んでいる間、ガイギャックスは個人的にグレイホーク城のダンジョンと近郊をデザインして友人や家族からなるサークルへの公開を継続し、彼らを新しいルールと構想のテストプレイヤー(英語版)として扱った。プレイヤー達が城と街の外の世界を探索し始めるにつれて、ガイギャックスは彼らのために他の地域や諸都市を作成した。プレイセッションが1週間に7回かそれ以上生じるという状態で、ガイギャックスは新たな世界全体の地図を作成するという時間も意向も持っていなかった(彼は自分の世界を単純に北米大陸の地図の上に書き、進行中の冒険を通じてゆっくりと情報が増大してゆくにつれて、そこに新たな都市や地域を書き込んだ)。グレイホーク市とグレイホーク城は、彼の出生地である実世界のシカゴの位置の近くに配置された(他の様々な場所はその周りに集中していた)。例えば、彼はグレイホーク市のライバルであるダイヴァース(英語版)市を実世界でのミルウォーキーにあたる位置に配置した。 ガイギャックスは同じく、城の地下でダンジョンを発展させ続けた。彼がそれを完了する時までに、この複雑な迷宮は13階層となり、邪な罠、秘密の通路、腹を空かせたモンスター、輝かしい財宝で満たされていた。これらのオリジナルのグレイホーク・ダンジョンが詳しく出版されたことは全くないが、1975年にヨーロッパのファン雑誌である“Europa”の記事で概要を垣間見せたことがある: D&Dのルールが出版される前に、「古グレイホーク城」は13階層のダンジョンを備えていた。1層目は部屋と回廊の単純な迷路だった。それは「参加者」が誰もかつてこのようなゲームをプレイしたことがないからだ。2層目は2つの独創的な事柄、ニクシーの住む水たまりと蛇の噴水があった。3層目は拷問部屋と小さな独房、監獄部屋を特徴とした。4層目は遺体安置所とアンデッドの階層であった。5層目は黒い炎の燃える奇妙な洗礼盤とガーゴイルを主題としていた。6層目は繰り返しの迷路で、多数の野生のイノシシがおり...不都合な場所あり、当然ながらふさわしい数のワーボアーに支援されていた。7層目は円形の迷路が主題であり、通路には多数のオーガがいた。8層目から10層目は洞窟と大洞窟の結合体で、トロール、巨大昆虫、輸送装置結合体とそれを守っている邪悪な魔法使い(と多くの強靭な仲間達)が特徴であった。11層目はこの城で最も強力な魔法使いの住居であった(彼はバルログを使用人としていた)。この階層の残りの部分は火星の白猿が住み着いており、それ以外の回廊下の副通路は財宝を持たない有毒生物でいっぱいであった。12層目はドラゴンで満たされていた。 最下層である13層目は、プレイヤーを「中国」に送り込む、逃れられない滑り台があり、落ちた者はそこから「野外の冒険」によって戻らねばならない。2層目から出現した、陰湿な傾斜通路による下方向への移動は頻繁に起こりえたが、知らないうちにこのような経路をたどる可能性は、7層目あるいは8層目まではそれほど大きくはなかった... 副階層には、絶えず互いに争いあっているオーク、ホブゴブリン、ノールの兵舎、博物館、巨大な闘技場、地底湖、巨人の住居、キノコの庭園が含まれる。 生きて最底部に到達した者は誰でも、このダンジョンを建設した狂気の建築家ザギグに会った(「Zagyg」は「Gygax」の逆読みの異形同音異義語(英語版)であり、このダンジョンを設計した人物―ガイギャックス自身―が正気でないに違いない、というガイギャックスの仲間内の冗談であった)。かつてたった3人のプレイヤーが最底部に到達してザギグに会ったが、全員がソロ冒険中であった。それはロブ・クンツ(ロビラー(英語版)で)、ガイギャックスの息子アーニー(テンサー(英語版)で)、ロブの兄弟テリー(テリックで)である。彼らの報酬は、直ちに世界の遠い反対側へ送られることであり、そしてそこで各々は、グレイホーク市に戻るための長い単独の旅に直面した。テリックとテンサーは途中でロビラーに追い付くことに成功し、そして3人は一緒にグレイホークに戻る旅をした。 この時までに、20人以上のプレイヤー達がほとんど毎晩ガイギャックスの地下室に押し寄せ、そして彼らの冒険を計画するために必要な労力は、ガイギャックスの余暇の時間の多くを奪った。彼はプレイヤーとしてのロブ・クンツの創造力豊かなプレイに感銘を受け、ロブをグレイホークの共同ダンジョンマスターに指名した。これはガイギャックスが他のプロジェクトに取り組むことを可能にし、そして彼がゲームにプレイヤーとして参加する機会も与え、イラグやモルデンカイネンのようなキャラクターが作成された。 ロブ・クンツのダンジョンの余地を作るために、ガイギャックスは13層目の最底部を廃止し、ロブの作品をグレイホーク城のダンジョンに統合した。ガイギャックスとクンツは彼らのプレイヤー達のために新たな階層の作成を続け、1985年にグレイホークのホーム・キャンペーンが終わりに近づいた時までに、城のダンジョンは50層以上を含んでいた。
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