フクロウとキタキツネの森とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > フクロウとキタキツネの森の意味・解説 

ノースサファリサッポロ

(フクロウとキタキツネの森 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/01 05:06 UTC 版)

ノースサファリサッポロ
施設情報
所有者 サクセス観光
管理運営 有限会社サクセス観光
面積 約1400坪
頭数 450
種数 135
開園 2005年7月
閉鎖 2025年9月[1]
所在地 061-2273
北海道札幌市南区豊滝469-1
位置 北緯42度56分49.3秒 東経141度13分22.9秒 / 北緯42.947028度 東経141.223028度 / 42.947028; 141.223028座標: 北緯42度56分49.3秒 東経141度13分22.9秒 / 北緯42.947028度 東経141.223028度 / 42.947028; 141.223028
公式サイト www.north-safari.com
テンプレートを表示
トナカイと触れ合える(記事本文にあるように事故及びケガに対し自己責任である)

ノースサファリサッポロは、北海道札幌市南区にかつて存在した動物園レジャー施設である[2]。2005年7月開園、2025年9月閉園[1]。運営する有限会社サクセス観光(本社:北海道札幌市)が無許可で設置していた(後述)。

概要

ノースサファリサッポロ、デンジャラスの森(旧:フクロウとキタキツネの森)、ノースサファリアドベンチャーの3つの施設で構成されていた。

動物とのふれあい、距離の近さをテーマに展示を行っていた。入園時の免責事項には事故及びケガに対し自己責任で入場する旨が記載されていた。

他の動物園ではあまりふれあいを行っていないゴマフアザラシや、ミーアキャットキタキツネエゾタヌキトナカイフタユビナマケモノアカハナグマなどにふれることができた。アフリカライオンベンガルトラに鉄柵一枚を隔てエサやりを行ったり、ライオン展示舎の屋根に設けられた開口部から釣竿を使ってエサやりをするライオン釣りも実施していた。

デンジャラスの森では誓約書に署名しないと入場できないデンジャラスゾーンがあり[3]ミズオオトカゲインドタテガミヤマアラシビルマニシキヘビなど危険な動物の至近を通ったり、ピラニア水槽、ワニ展示場の上に設けられた一本橋を渡るなどスリルを感じさせる展示方法を採っていた。

デンジャラスの森にはフクロウ、タカ、コンドルなどの猛禽類が約25種類展示され、こちらも檻などに隔てられることなく間近で見ることができた。天井から釣竿でツキノワグマにエサやりができる森の釣堀や、ベンガルトラのエサやりがあった。

ノースサファリアドベンチャーで行っていたアクティビティは水陸両用車を用いたジャングル探検やキャタピラ式の乗り物DTVシュレッダー、セグウェイがあった。夏季には恐竜テーマパークであるジュラシックランドを開園し、大型のロボット恐竜の棲む太古の森をイメージしたエリアを自動操縦式カートで探検する趣向だった。

積雪期はハスキー犬の犬ぞりスノーモービル、雪上バナナボートなどを行っていた。

同園は移動動物園も行い、商業施設や幼児施設、老人施設などで実施していた。動物プロダクション部門ではテレビ番組やCM撮影、イベントなどの動物出演をプロデュースしていた。

サクセス観光は2025年1月23日に東京地裁より破産開始決定を受けた加茂株式会社[4]より富士花鳥園を譲渡されサクセス観光の登記簿上では富士花鳥園の住所に支店が登録されている[5]

開園の経緯

2004年、建設業を営んでいた星野和生が、札幌市南区にあった定山渓熊牧場が閉園すること知り、温泉街近くにレジャー施設を建設することをめざして有限会社サクセス観光を設立したことが発端である[6]。星野は当時の心境を「自分で建設会社をやっていたのもあって『作れるな』という感覚が大きかった」とインタビューに答えている[7]

星野は、この時点で園舎が市街化調整区域に位置し、無許可建築が違法であることは認識していたが、「市街化調整区域に建物を建てる方々が(他にも)たくさんいた中で、そこはちょっと甘く考えていた」と語っている[8]

無許可開設問題

本園は市街化調整区域に位置しているが開発行為に関する許可を取らずに開設されていた。札幌市は開業前の2004年10月、無許可で建設工事が行われていることを確認したため、運営会社のサクセス観光に許可を得るように行政指導を行った。しかし同社はそれに応じずに開園し、施設の拡張も続けた。札幌市は口頭や文書で指導を再三行ったものの、同社は「改善する」と回答をするだけで実際には改善しなかった[9]

開業当初、同社は第一種動物取扱業者の届け出を出しておらず、行政指導の後の2006年5月に届け出が受理されていた[9]。その他、2004年には川の水を水路に引き込む工事を無許可で行う(市の指導を受けて取りやめ)、2024年にアザラシと共に泊まれる宿泊施設を無許可で開設[10]、看板の無許可設置(2006年以降、北海道開発局から8回にわたって撤去するよう指導されていたが「道が分かりにくい」等の理由で応じず)[11][12]ツキノワグマコブラなどの特定動物を飼養許可期限を超えて無許可の状態で飼育する(札幌市は10回以上行政指導)[13]、野生のアザラシ9頭を無届けで飼育する(5年後に札幌市が把握し、登録申請をするよう指導したが、7頭はその時点で既に死亡)[14]、などの様々な問題が報じられた。

園に対する市民感情の悪化も受けて[15]、札幌市が都市計画法に基づき、全施設の除却命令を出す方針であると2025年2月に報じられた[9]。2月18日、同社は違法状態の全156施設の撤去計画を札幌市に提出した[16]。3月10日、同社は9月末での閉園をホームページ上で発表した[17]

加えて市は、サクセス観光に対し、コロナ禍での宿泊事業者の支援のための1962万円の補助金を交付していたことが分かった。今後、この補助金の返還を求めるか検討しているという[18]

サクセス観光が国から受け取った6000万円の事業再構築補助金について、交付を認めた中小企業基盤整備機構が2025年7月23日付で補助金の交付決定を取り消し、全額返還を命じた[19][20]

2025年9月30日、閉園した[1]

施設情報

  • 住所:北海道札幌市南区豊滝469-1
  • 夏季営業(2018年 ノースサファリサッポロ、デンジャラスの森):4月28日〜11月30日
  • 冬季営業(2018冬季 ノースサファリサッポロ、冬季アクティビティのみ):1月6日〜3月21日
  • ノースサファリアドベンチャー:2018年6月2日〜10月21日
    • ジュラシックランド:2018年7月14日〜9月24日
  • 入園料(夏季):中学生以上1800円 小学生以下600円 3歳以下無料
  • 入園料(冬季):中学生以上1200円 小学生以下500円 3歳以下無料
  • 駐車場料金:軽、普通乗用500円 バス1000円

代表的な飼育動物

ノースサファリサッポロ

デンジャラスの森

単独展示

  • ベンガルトラ、ツキノワグマ、トナカイ、キタキツネ、ギンギツネ、エゾタヌキ

過去の施設

フクロウとキタキツネの森

2008年11月開園。園名の通り、フクロウなどの猛禽類キタキツネなどのキツネ類を中心に展示する動物園で、キタキツネへのエサやりや抱っこ、フクロウやタカの腕乗せやフライトショーをメインとしていた。展示方法は独特で、フクロウと人を隔てる檻や柵はなく、至近距離で見ることができる。キツネもキツネ舎で放し飼いにされており、そこへ人が入っていく方式のため、間近でキツネを見ることができた。積雪期は大部屋の内部に雪山を作り、キツネが穴を掘る生態観察も容易な施設であった。

フクロウなど猛禽類は約20種類、キツネは3種類、十数匹程度が展示されていた。飼育しているキツネ類は全て人工繁殖させたもの。媒介する野生動物を遮断し、定期的な駆虫剤投与と定期検査により対策を行っていた。

園で調教されているメンフクロウやハリスホークが、挙式時や披露宴時に新郎新婦の元に結婚指輪を運ぶ演出を行っていた。

関連項目

  • 池の平ホテル - 同企業の「フクロウの杜」を運営。また夏季2か月間、冬季3か月間[21]、動物園を開催。

脚注

  1. ^ a b c ノースサファリサッポロ閉園 動物の受け入れ先確保などが課題”. NHK (2025年9月30日). 2025年9月30日閲覧。
  2. ^ ネコ大人気のおやつ「ちゅ〜る」、トラも大好物だった”. 産経ニュース (2021年9月16日). 2021年9月16日閲覧。
  3. ^ 週刊女性 2017年7月25日号
  4. ^ TSR速報 加茂(株)”. 東京商工リサーチ. 東京商工リサーチ (2025年1月30日). 2025年3月13日閲覧。
  5. ^ 【動物行き先は?】無許可開発など問題化し閉園する北海道の動物園…その支店が富士宮市「富士花鳥園」に(静岡)”. 静岡第一テレビ. 静岡第一テレビ (2025年3月12日). 2025年3月13日閲覧。
  6. ^ 落ちたら死にます!? 「日本一危険な動物園」とうたう触れ合えすぎる動物園」『週刊女性』2017年7月15日。2025年10月1日閲覧。
  7. ^ 日本一キケンな動物園「ノースサファリサッポロ」は、完全自己責任だからこそおもしろい!”. ジモコロ(イーアイデム) (2020年9月24日). 2025年10月1日閲覧。
  8. ^ 「日本一危険な動物園」20年間の営業にピリオド 人気を集める一方で違法建築を拡大 動物たちの今後は」『北海道テレビ放送』2025年9月30日。オリジナルの2025年10月1日時点におけるアーカイブ。2025年10月1日閲覧。
  9. ^ a b c “「日本一危険な動物園」、札幌市が「閉園命令」へ…制限区域に無許可で開設20年”. 読売新聞. (2025年2月1日). https://www.yomiuri.co.jp/national/20250131-OYT1T50160/ 2025年2月1日閲覧。 {{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  10. ^ 撤去計画は『提出されず』…20年間規模拡大続けた“ノースサファリ”「新たに設置許可を」vs「現施設の撤去が先」移転めぐり札幌市と深い溝も_北海道”. 北海道ニュースUHB (2025年2月17日). 2025年2月19日閲覧。
  11. ^ 【無許可で"動物園"の会社がまた…】「ノースサファリサッポロ」が“違法看板”国道沿いの国有地に5カ所設置―国が2006年から8回も指導→「申し訳なかった。速やかに撤去する」と回答_北海道札幌市”. 北海道ニュースHUB (2025年2月5日). 2025年2月19日閲覧。
  12. ^ 新たに『無許可看板や建設計画』も判明!違法建築の確認相次ぐノースサファリサッポロ…運営会社は「見直しかける」―札幌市「まずは撤去を」北海道【独自】”. 北海道ニュースHUB (2025年2月7日). 2025年2月19日閲覧。
  13. ^ 〈独自〉【新たにノースサファリの無許可判明】クマやコブラなどの危険動物が一時“無許可”状態に…札幌市が『10回以上指導』_建物の撤去計画は提出 北海道”. 北海道ニュースHUB (2025年2月18日). 2025年2月19日閲覧。
  14. ^ 【新たにノースサファリで未登録判明】“野生のアザラシ9頭”を5年間登録せずに飼育…札幌市への情報提供で発覚_「7頭はすでに死んだ」と説明も 北海道”. 北海道ニュースHUB (2025年2月14日). 2025年2月19日閲覧。
  15. ^ “「閉園する以外ない」住民から怒りの声 「ノースサファリサッポロ」無許可建築物全撤去の計画書を市に提出”. HTB 北海道ニュース. https://www.youtube.com/watch?v=PR35azsv2Bc 2025年3月11日閲覧。 
  16. ^ “無許可建築で営業のノースサファリサッポロ 運営会社が改善計画提出”. 朝日新聞. (2025年2月19日). https://www.asahi.com/articles/AST2L4HRQT2LIIPE00BM.html 2025年2月19日閲覧。  {{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  17. ^ “開発許可得ず20年間営業の「ノースサファリサッポロ」、9月末に閉園へ…代表取締役は辞任”. 読売新聞. (2025年3月10日). https://www.yomiuri.co.jp/national/20250310-OYT1T50106/ 2025年3月10日閲覧。 
  18. ^ 札幌市、無許可開発「ノースサファリ」側に補助金1962万円…「サッポロ割」に園内宿泊施設”. 読売新聞オンライン (2025年3月5日). 2025年3月5日閲覧。
  19. ^ “ノースサファリの無許可開発、国の補助金6000万円全額返還命令…札幌市も歩調合わせる”. 読売新聞. (2025年8月16日). https://www.yomiuri.co.jp/national/20250816-OYT1T50082/ 2025年8月18日閲覧。 
  20. ^ “国の補助金6000万円返還命令 札幌の無許可動物園、許可得ずに市街化調整区域で開設”. 読売新聞. (2025年8月18日). https://www.sankei.com/article/20250818-T677W4ZSMBNIFBKCMPATTIXBDA/ 2025年8月18日閲覧。 
  21. ^ northsafarisapporoの投稿(768362943269957) - Facebook

外部リンク


フクロウとキタキツネの森

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 07:52 UTC 版)

ノースサファリサッポロ」の記事における「フクロウとキタキツネの森」の解説

2008年11月開園園名通りフクロウなどの猛禽類キタキツネなどのキツネ類を中心に展示する動物園で、キタキツネへのエサやりや抱っこフクロウタカの腕乗せやフライトショーをメインとしていた。展示方法は独特で、フクロウと人を隔てや柵はなく、至近距離で見ることができる。またキツネキツネ舎で放し飼いにされており、そこへ人が入っていく方式のため、間近キツネを見ることができた。積雪期は大部屋内部雪山作りキツネ穴を掘る生態観察容易な施設であったフクロウなど猛禽類は約20種類キツネ3種類、十数程度展示されていた。飼育しているキツネ類は全て人工繁殖させたもの。媒介する野生動物遮断し定期的な駆虫剤投与定期検査により対策行っていた。 園で調教されているメンフクロウハリスホークが、挙式時や披露宴時に新郎新婦元に結婚指輪を運ぶ演出行っていた。

※この「フクロウとキタキツネの森」の解説は、「ノースサファリサッポロ」の解説の一部です。
「フクロウとキタキツネの森」を含む「ノースサファリサッポロ」の記事については、「ノースサファリサッポロ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「フクロウとキタキツネの森」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フクロウとキタキツネの森」の関連用語

フクロウとキタキツネの森のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フクロウとキタキツネの森のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのノースサファリサッポロ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのノースサファリサッポロ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS