フィクションにおける黒幕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:40 UTC 版)
鎌倉の老人 (都市伝説)- 「鎌倉の男」とも。鎌倉市鎌倉在住のある男が日本の政治や経済を陰で操っているというもの。昭和後期の日本の小説や漫画の定番キャラでもあり作中での役割は単なる悪役から物語を展開させるトリックスター、主人公に助言を与える賢人までとさまざま。以下の人物がキャラクター例。亜東才蔵 (『東のエデン』)- 劇中に登場する大手総合商社「ATO商会」の会長兼相談役。戦後の復興期に運輸業からスタートしATO商会などを傘下に収める巨大企業連合「ATOグループ」と巨万の富を築いた大政商で、「昭和の亡霊」の異名を持つ「日本のフィクサー」、「鎌倉の老人」の一人。Mr.OUTSIDE(ミスター・アウトサイド)として、12人の日本代表を選抜してセレソンと名付け、彼らにノブレス携帯を与えた。セレソンゲームの主催者。世間から巧妙に姿を隠しており、生きていれば100歳になる。実は「亜東タクシー」という個人タクシーのドライバーをしており、主に乗客の中からセレソンを選抜していた。今の日本の礎を築いてきたという自負がある人間だが、やがて日本はこれでよかったのか、自分のやってきたことは正しかったのかと考えるようになり、日本の行き詰まった現状に危機感を抱いている。その打開策として、自分の眼鏡に適った人間に強制的に力を与えることによって、今一度日本が劇的に変化する瞬間を自分で演出しようとしている。 船津忠厳 (『創竜伝』)- 表向きの肩書は教育家・哲学家。戦時中に麻薬の密売で巨万の富と広大な人脈を築き、戦犯としての追及を巧妙に逃れて今に至る。「鎌倉の御前」と呼ばれ、政官財と日本の裏社会を支配し多くの大物をアゴで操る黒幕。徹底した軍国主義者。 渡老人(『日本沈没』)- 政官財で暗躍する黒幕。100歳という高齢にも関わらず、一種の激しい精神力と、短くするどい質問を浴びせてくる、頭脳の鋭さを持っている。戦前は満州事変で活躍し、直接ではないにしろ大勢の人間を死なせているという。戦時中は完全な隠遁生活を送って、戦犯にならずにやり過ごし、戦後は最初の15年ほどは猛烈に活動したが、80歳を過ぎてからは自分からは動かず、政財界の大物からアドバイスや斡旋、調停の口利きを依頼されていた。現在の総理大臣は、ほんの陣笠議員のころから渡老人から面倒を見てもらっており、造船疑獄事件の際に助けてもらっている。そのため、誰も渡老人には頭が上がらず、総理を茅ヶ崎の自邸に呼びつけて、ほんの二言三言で「D計画」の実行を決意させた。 「鎌倉のあの男」(『華麗なる一族』)- いまだかつて、名前も顔も、国民の前には一度たりとも現したことがない、日本の政治・経済・言論を陰で操る黒い人物。第三銀行の不正融資にも関与している。 「先生」(『羊をめぐる冒険』)- 右翼の大物。「右翼と言ってもいわゆる右翼ではなく、そもそも右翼ですらない」という。名前も顔もほとんど表に出していないため、一般にはあまり知られていない。インタビューも写真撮影も一切許可されておらず、生きているか死んでいるかさえ、普通の人間には知りえない。「先生」はタイミングを捉えることが巧妙で、攻めどきと引きどきを心得ており、目の付け所もいい。1913年に北海道で生まれ、小学校卒業後に東京に上京して右翼となり、一度だけ刑務所に収監されている。出所後は満州に渡り、関東軍の参謀クラスと懇意となり、謀略関係の組織を設立して、主に麻薬を扱っていたという。この時期から急激に謎の人物となり、中国大陸を荒らし回った後に、ソビエト連邦が満州に侵攻する二週間前という絶妙なタイミングで、抱えきれないほどの貴金属と一緒に、満州から本土に駆逐艦で引き上げている。戦後は占領軍に逮捕されたが、調査は途中で打ち切られて不起訴となっている。病気を理由にしているが、実際は中国大陸を狙っていたマッカーサーとの間で取り引きがあったという。巣鴨から出所した後には、どこかに隠しておいた財産を二等分にして、保守党の派閥と、まだ広告がちらし程度にしか考えられていなかった時代に広告業界を買い取っている。「先生」が表面に出ないのは、広告業界と政権政党の中枢を握っているため、できないことがないからであり、そもそも表面に出る必要がないからである。
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