BFF
「BFF」とは・「BFF」の意味
「BFF」は、it分野においては、フロントエンドとバックエンドの中間に専用のサーバーを配置するアーキテクチャ設計パターンのことを指しており、一方、英会話ではベストフレンドを表す「親友」という意味を持ち、女子高校生の間で使われるスラングとして知られている。IT分野で「BFF」という場合は、「Backends For Frontends」の略称のことである。フロントエンドとバックエンドの中間に配置され、相互間で行われる複雑な情報の処理を緩和させる役割を担っている。つまり、バックエンドのAPI(Application Programming Interface)から取得したデータを、フロントエンドに合わせて加工していくサーバーと言えるだろう。さらに、フロントエンド側から発信されるリクエストに対して、様々なAPIコールも行う。BFFによって、APIの集約ができるようになるのだ。なお、フロントエンドとは、ウェブサービスやウェブアプリケーションなど、実際にユーザーの目に触れる部分を指す。一方、バックエンドとはその逆で、ウェブサーバーやデータベースのシステムなど、ユーザーの目には触れない部分のことである。ここでは、ユーザーがフロントエンドで入力したデータの処理などを行っていく。その間にBFFが位置することで、UI構築のしやすさというメリットが得られるだろう。
従来のウェブアプリケーションサーバーとの違いは、フロントエンド専用に作られているところにある。時代が進むにつれて、端末の種類が増えてきた。ウェブやデスクトップアプリ、スマホ版ウェブ、そしてスマホアプリと、その種類は多岐にわたる。そして、種類が増えたことで、その分ロジックが増加し、コードが複雑化してしまうようになった。BFFは、その流れを改善するものとして誕生したのである。これによって、クライアント、つまりサービスや機能を利用するコンピュータ側は、BFFに対してAPIを投げればよいだけになった。バックエンド側に合わせた対応や加工をする必要がなくなったのである。さらに、バックエンドからのレスポンスも、BFFによって適切なものに加工されるため、クライアント側による処理を少なくすることが可能になったのだ。マイクロサービス化が進み、そこで発生する課題を解決するためにできた仕組みだと言えるだろう。なお、「BFF」は、フロントエンドエンジニアの開発担当領域である。フロントエンドとバックエンドの境界をつくり、レイヤーを分割することで、それぞれの役割を明確に分けられるため、組織的に独立した状態で開発を進めやすくなる。一般的には、クライアントに合わせて、それぞれ専用のBFFを開発していくことが多い。
一方で、BFFを導入することによって、BFFに対するデプロイも当然発生する。障害の発生を防ぐために、バックエンドのAPIを仕様変更する場合は、BFFの変更も同時に行う必要があるのだ。従来の方法に比べて、開発や保守の手間が増えることは、視野に入れておくべきだろう。それに伴って、開発コストや運用コストも多くなるのだ。また、APIの結合によって、通信量の増加や遅延が起こりやすくなってしまう。そのため、インフラの増強や対処なども欠かせない。さらに、アクセスを一元化することで、サーバー障害によるリスクが増えることも、注意点として挙げられるだろう。BFFが向いているのは、同じAPIを使うクライアントが複数になる場合や、フロントエンドとバックエンドの境界を分けて、開発していきたい場合である。開発する内容や、開発対象によって異なるため、採用を検討する場合は、特徴やメリット、デメリットをよく吟味した上で選ぶことが重要だろう。
英会話の中で登場する「BFF」は、IT分野におけるものと異なる意味を持つ。こちらの場合は、「Best Forever Friend」の略称である。英語圏の10代の女の子を中心に、SNSやメールなどで使われることが多い若者言葉だ。インスタなどのSNSでは、「#BFF」のようにハッシュタグをつけて発信されるケースが多くみられる。なお、「s」を付けて、複数形として用いることも可能だ。さらに、この言葉は、映画やドラマの中でも使われている。特に、「ゴシップガール」や「グリー」など、アメリカの青春ドラマでは登場する機会が多い。この言葉は、もともと、アメリカの女子高校生がインスタなどSNSで使っていたものである。次第に、日本の女子高校生の間でもこの表現が広まり、2016年には流行語大賞の7位に入賞した。
日本語に訳す場合は、「親友」や「ズッ友」、「べスフレ」、そして「大親友」という表現が当てはまる。男の子の中では使われず、女の子が他の女の子を呼ぶ時に使われることが多い。ただし、実際には軽い気持ちやノリで使われることが多く、あまり深い意味は持たない。そのため、実際にはそこまで仲の良い間柄でなくても、「BFF」という言葉を使うケースが少なくないのだ。日本語の「親友」には、「お互いに信頼しあっている友達」や「きわめて仲の良い友達」という意味があるが、そこまで深い意味は持たない。「BFF」は10代の間で登場することが多いが、20代以降になると一般的には使われなくなる。20代や30代以降の女性や、男性が使う場合は、あえて選択したような、冗談っぽいニュアンスになりやすい。また、あくまでもスラングで、砕けた表現のため、フォーマルな場では用いることができない。TPOを考慮した上で使うことが重要である。
「BFF」の類語としては、「BFFI」が挙げられる。「Best Friend For Life」の略称で、「一生の親友」という意味を持つ言葉だ。「BFF」と同様、「BFFIs」と複数形で使うこともできる。その他には、「相棒」や「仲の良い友達」という意味を持つ「buddy」や、「兄弟のように仲の良い友達」という意味合いの「bro」も類語として挙げられる。「bro」は、「brother」という単語が省略されたものだ。その他には、「close friend」も「親友」といった意味を持つ。しかし、この「close friend」は「BFF」とは異なり、ティーンの間だけでなく、性別や年齢を問わず使われている。
ただし、「BFF」には、「Big Fat Friend」(大きくて太った友達)や「Big Fat Female」(大きくて太った女)、「Best Friend’s Funeral」(親友の葬式)など、「Best Forever Friend」とは異なる意味合いで使われるケースもある。相手を侮辱する言葉を含んでいる場合もあるため、使うシーンや使い方などには注意しておく必要があるだろう。
「BFF」の読み方
IT分野で「Backends For Frontends」の略称として使われる場合は、「ビー・エフ・エフ」と読む。一方、スラングとして使われる際も、「ビー・エフ・エフ」と読まれることが多いが、中には「ベスト・フレンド・フォーエバー」と略さずに読まれるケースがある。なお、「BFF」は書き言葉として使われるケースが多いため、会話の中で登場する機会は少ない。「BFF」の使い方・例文
「BFF」を使った例文には、以下のようなものが挙げられる。・BFFという名前が付けられる前から、同じようなシステムを導入していた企業もある。
・状況によって、BFFを取り入れた方がいいかどうかは異なる。
・フロントエンドエンジニアを目指すのであれば、BFFに関する知識を深めておくべきだ。
・BFFにおけるメリットを、彼に分かりやすく説明してくれないか。
・今日の楽しかった写真を、インスタで「#BFF」をつけてアップしてみた。
・女子高校生を中心に、「BFF」という言葉が流行っているが、TPOをよくわきまえた方がよい。
・彼女と私はこれからもずっとBFFだ。
・Amazing time at the party! #bff(パーティはとても楽しかった!#BFF)
・I'm gonna head to Tokyo with my BFFs next week.(来週、べスフレたちと東京に行ってくる。)
・Happy Birthday to my BFF !(私の親友、誕生日おめでとう!)
・Jane is my BFF.(ジェーンはずっと私の親友だ)
ビー‐エフ‐エフ【BFF】
読み方:びーえふえふ
《best friend forever》俗に、「永遠の親友」の意を表す略号。
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