パトスとは? わかりやすく解説

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pathos

別表記:パトス

「pathos」の意味・「pathos」とは

「pathos」は、ギリシャ語の「πάθος」から派生した英語の単語で、感情情熱、特に悲しみ同情引き出す力を表す。文学演劇、映画などの芸術作品において、観客読者感情を揺さぶる要素として使われることが多い。例えば、映画終盤主人公が困難を乗り越えるシーンは、観客感情訴える「pathos」の一例である。

「pathos」の発音・読み方

「pathos」の発音は、IPA表記では /ˈpeɪθɒs/ となる。IPAカタカナ読みでは「ペイソス」、日本人発音するカタカナ英語では「パソス」と読む。発音によって意味や品詞が変わる単語はないため、特別な注意必要ない。

「pathos」の定義を英語で解説

「Pathos」 is a quality that evokes pity or sadness. It's often used in literature, drama, and other forms of art to stir the emotions of the audience or reader. For instance, a scene in a movie where the protagonist overcomes adversity can be an example of pathos, as it appeals to the audience's emotions.

「pathos」の類語

「pathos」の類語としては、「emotion」、「passion」、「sentiment」などがある。これらの単語同様に、人の感情を表す言葉として使われる。ただし、「pathos」は特に悲しみ同情引き出す力を強調するため、その使用状況注意が必要である。

「pathos」に関連する用語・表現

「pathos」は、アリストテレス修辞学における「エートスethos)」、「パトス(pathos)」、「ロゴスlogos)」の三つ説得の手段の一つである。エートス話し手信頼性誠実さを、ロゴス論理的な議論表し、パトスは聞き手感情訴える。

「pathos」の例文

以下に、「pathos」を用いた例文10個示す。 1. The pathos of the movie moved many viewers to tears.(その映画のパトスは多く視聴者を涙させた。) 2. The author's use of pathos made the novel a bestseller.(作者のパトスの使用はその小説ベストセラーにした。) 3. The pathos in his speech stirred the emotions of the audience.(彼のスピーチのパトスは観客感情揺さぶった。) 4. The pathos of the situation was evident in the faces of the refugees.(その状況のパトスは難民の顔に明らかだった。) 5. The pathos in the music touched the hearts of the listeners.(その音楽のパトスは聴衆の心を触れた。) 6. The pathos of the story made it a classic.(その物語のパトスはそれを古典にした。) 7. The pathos in her voice was unmistakable.(彼女の声のパトスは明らかだった。) 8. The pathos of the scene was enhanced by the actor's performance.(そのシーンのパトスは俳優演技によって強化された。) 9. The pathos in the poem resonated with many readers.(その詩のパトスは多く読者共感した。) 10. The pathos of the tragedy was felt by everyone.(その悲劇のパトスは誰もが感じた。)

パトス

「パトス」とは、ギリシャ語情念苦悩のことを意味する表現

「パトス」とは・「パトス」の意味

「パトス」はギリシャ語で「pathosと書哲学用語のひとつで、比較文化論近代論などでよく用いられる言葉である。もともとは古代ギリシャにおいて「常識論理性とらわれず感情そのもので動く人間の心理」を指しているが、概念に近いため正確にその意味説明することが困難な言葉でもある。そのため、現在では主に感情動きによる「高ぶる気持ち」や「激し情熱」という意味で使われることが多い。ラテン語では「passio」と訳され情熱意味する英語の「パッションpassion)」の語源にもなっている。

「パトス」は英語読みでは「ペーソスpathos)」となり、日本では主に哀愁もの悲しさ表現する際に用いられる日本ギリシャ語のまま入ってきた言葉が「パトス」で、英語として入ってきた言葉が「ペーソス」である。パトスが比較激しくポジティブ気持ち表現する際に用いられることに対しペーソスは悲しい感情を指すことが多いという、語源が同じでありながら意味に違いのある大変まれな単語のひとつである。

また「パトス」は、古代ギリシャの哲学者・アリストテレス著書「弁論術」において「情熱熱意」を意味し、「説得三原則」のひとつとして重要な要素であると述べられている。弁論術とは現在のスピーチプレゼンテーション相当するもので、聴衆相手)を説得納得させて行動起こしてもらうには「パトス」とともにエトス」「ロゴス」の3つの要素が必要であると記されている。

エトス」とはギリシャ語で「社会に基づく倫理道徳」を指す言葉で、倫理意味する英語「ethics」の語源とされている。弁論術の中では話し手の「信頼人間性の意味使われている。「ロゴス」はギリシャ語で「理論論理展開」を表わす言葉である。論理意味する英語「logical」の語源とされており、弁論術では「論理的に話す」ことの意味使われている。

弁論術では、情熱熱意(パトス)がないと相手内容伝わらないが、話し手信頼エトス)できる人物なくては納得してもらうことはできない。さらに、信頼できる人物熱意込めて説明しても、内容分かりやすくなければロゴス相手伝わらない説いている。この理論現代ビジネスシーンにおいても有効であり、多く企業ワークショップなどで社員教育役立てている。

「パトス」の熟語・言い回し

落日のパトスとは


落日のパトスは、秋田書店発行している青年漫画誌ヤングチャンピオン2014年12月号から連載されている漫画作者は「艶々つやつや)」。

東京都会から離れた住宅街に住む青年漫画家藤原秋(ふじわらあき)」のアパートの隣に、高校時代女教師仲井間真(なかいままこと)」が引っ越してきたことがきっかけで始まる人気コメディ藤原仲井間を中心に藤原アシスタント編集者などを巻き込んで繰り広げられるスリルエロス満載作品。現在、単行本13巻まで発売中

熱いパトスとは


心の奥底から湧き上がってくる熱く燃えるような情熱」を意味しており、キャッチコピーなどでよく使われるフレーズ

ほとばしる熱いパトスとは


テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」オープニング曲となった高橋洋子11目のシングル残酷な天使のテーゼ」の歌詞一節作詞は「及川眠子おいかわねこ)」、作曲は「佐藤英敏(さとうひでとし)」で、どちらもアニメソングヒット曲多く手掛けている人気コンビによる作品1995年10月25日リリースされ以来日本のみならず世界中でヒットしたとなった。なお、大手カラオケメーカーの調査によると、発売から現在までで最もカラオケ歌われた曲となっている。




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