ハイブリッド動力化試験とは? わかりやすく解説

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ハイブリッド動力化試験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 02:54 UTC 版)

JR北海道キハ160形気動車」の記事における「ハイブリッド動力化試験」の解説

ITT改造後キハ160-12010年9月11日 / 苗穂工場ITT床下2010年9月11日中央左から、ディーゼルエンジン、アクティブシフト変速機発電機兼アシストモーター 気動車動力効率向上と環境性能充足とを両立し、これらの低廉コストでの実用化企図して開発されハイブリッド駆動システム試験搭載するための改造で、苗穂工場2007年施工された。電動機モータ)とディーゼルエンジン搭載し各々動力源駆動軸直接動力伝達可能なパラレル方式ハイブリッド駆動一種で、JR北海道ではモータ・アシスト式 (MA) ハイブリッド称する本方式の動力伝達機構として、アクティブシフト変速機 (Active Shift Transmission, AST) が先行して開発された。これは2組副軸カウンターシャフト)を搭載するデュアルクラッチ式の4段自動変速機で、JR北海道日立ニコトランスミッションとの共同開発よるものである。副軸1組(2速・4速側)には電動機入力軸が接続しエンジン電動機とは各副軸噛み合いクラッチを介して個別動力断続ができる。 電動機動力源以外に発電変速制御機能併有し、電力変換のための主変換装置インバータ / コンバータ)・電力蓄積供給するバッテリー接続される。本形式システムでは電動機定格出力 123 kW交流電動機1基を用いバッテリー容量 7.5 kWhリチウムイオン二次電池搭載するAST運転状況に応じて電動機エンジン・出力軸の接続切り替え発車時には電動機のみで起動し惰行運転・減速の際には電動機発電機として動作させて発生電力バッテリー充電するエンジン起動惰行運転時の発電一定速度到達後の加速時限られ効率の高い回転域のみを使用することで騒音排出ガス低減寄与している。各装置専用制御装置 (Hybrid Transmission Control Unit, H-TCU) によって制御され運転室からのマスコンやブレーキハンドルの操作に応じてエンジン始動停止エンジン電動機とのクラッチ断続逆転機断続などを統合的自動制御する。伝動系の統合制御可能になることから、液体式駆動装置必須であった液体変速機省略でき、冷却系潤滑系簡素化伝動効率改善が可能である。 改造工事では動力系大規模な換装が行われ、床下では当初装備エンジン液体変速機撤去し総排気量 13.0 L のコモンレール式ディーゼルエンジン (330 ps / 2,100 rpm) と AST形式:THAN-44-200) ・主変換装置電動機が各1基搭載された。バッテリー・リアクトルなどの一部電装系室内 1 - 2 位側の旧ロングシート部に搭載され機器収納の上部は荷物置き場変更された。座席従来のものをすべて撤去し転用品の座席クロスシートとして設置している。エンジン・変速機換装電装系機器群の追加に伴い自重は 34.2 t に増大している。 外部塗色基調色を白色とし、正面窓周囲車体裾部全周車体側面中央部青色を、正面中位前照灯周囲側面ロゴ頭文字部に萌黄色配する側面には本車開発コード図案化した " Inno Tech Train " のロゴマーク配された。 駆動システム動作下記の4形態基本とする。 モータ走行モード A発車時の伝動形態で、AST電動機出力軸とを接続し電動機のみで車両起動するエンジン動力切り離され起動には関与しない車両速度所定達するまで本モード加速する移行速度45 km/hエンジン停止時) 20 km/hエンジン動作時)である。 モータアシスト走行モード B力行継続時の伝動形態で、モード A移行速度達するとエンジン始動しASTエンジン動力出力軸とを接続する電動機からの動力接続保持され車両エンジン電動機との動力併用して加速続行する惰行発電モード C力行により所定速度達して以降伝動形態で、AST出力軸への動力伝達切り離しエンジン電動機とを接続する逆転機伝動しない中立位置となる。電動機は、エンジン動力とする発電機として動作し発生した電力バッテリー充電する回生ブレーキモード D) 下り勾配停車のための減速時用い伝動形態で、ASTエンジン動力切り離し出力軸電動機とを接続する逆転機前進位置接続される輪軸からのバックトルクが 最終減速機プロペラシャフト逆転機AST経路伝達され電動機発電機として動作し回生ブレーキ構成する発生した電力バッテリー充電されエネルギー回収する長時間停車電動機のみでの走行中にバッテリー電圧降下した場合エンジン自動的に始動し充電開始するこの方式は鉄道車両としては世界初で、エンジン発電のみに用い電動機のみで駆動するシリーズ方式ハイブリッド駆動との比較では、バッテリーインバータ装置小型化が容易で導入費用低廉化が可能であり、既存気動車動力系換装容易に行え利点があるとされる

※この「ハイブリッド動力化試験」の解説は、「JR北海道キハ160形気動車」の解説の一部です。
「ハイブリッド動力化試験」を含む「JR北海道キハ160形気動車」の記事については、「JR北海道キハ160形気動車」の概要を参照ください。

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