トマスによるイエスの幼時物語とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > トマスによるイエスの幼時物語の意味・解説 

トマスによるイエスの幼時物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 12:39 UTC 版)

イエスの幼少時代」の記事における「トマスによるイエスの幼時物語」の解説

一般的に外典とされているトマスによる福音書には、正典よりも多くイエス幼少期記述がある。 ルカ福音書は、その誕生物語最後に神殿における十二歳のイエス物語を、イエス少年時代エピソードとして叙述している。ここでは誕生物語と、十二歳のイエス物語との間は全く空白であり、ルカはそれを、「幼な子成長し知恵満ちて力強くなり、神の恵みがいつもその上にあった。」(ルカによる福音書2.40、2.52)という句で埋めている。トマスによるイエスの幼時物語は、この空白埋めようとしているように思われる。それは五歳から十二歳までのイエス物語であって(五歳=2章、六歳=11章八歳12章12歳19章)、ルカ福音書神殿における十二歳のイエス物語終わっている。 参考までに第1章第2章と第6章第13章第19章(終章)を載せる。 【第1章】 わたし、イスラエル人トマスは、異邦人から成るすべての兄弟に、わたしたち主イエス・キリスト幼年時代と、彼がわたしたちの地で生まれて行なったすべての大いなる業知らせ必要がある考える。その始め次のようであった。 【第2章】 この少年イエスが五歳の時であった降って流れ浅瀬遊んでいた折、流れを穴に集め即座に清くしてしまった。しかも言葉命じただけであった。 また柔らかい粘土をこね、それで一二羽の雀の形作った。これを作ったのは安息日時のことであった。そしてほかのたくさんの子供たち一緒に遊んでいた。 するとあるユダヤ人が、イエス安息日遊びながらしたことを見て、すぐに行って彼のヨセフ告げた。「ごらんなさい、あなたの子供は小川のほとりにいて、泥を取って一二羽の作り安息日汚した。」 そこでヨセフその場所へ来て、それを見、大声をあげて言った。「何故安息日にしてはならないことをする。」するとイエス手を打ってその雀に叫んで言った。「行け」。そうすると雀は羽を広げ鳴きながら飛んで行ってしまった。 そしてユダヤ人たちはそれを見て驚き行って長上の人たちに、彼らが見た通りに、イエスのなしたことを物語った。 【第6章さて、ザッカイという名の教師が何かの折にそこに居合わせイエスがこんなことを父親言っているのを聞いて子供なのにそんな口をきくので大変驚いた。 それで数日後ヨセフ近寄って言った。「あなたは賢い子を持っている知性あります。さあ字を習わせこの子をわたしのところに寄越しなさい。そうすればわたしが字と一緒にあらゆる知識授け、またすべての年寄り挨拶しその人たちを先祖父親のごとく敬い、また同年輩の者をも愛すること教えましょう」。 そしてすべての文字アルファからオメガまで正確に吟味しながらはっきりと言ってみせた。しかしイエス教師ザッカイみつめて言った。「あなたはアルファ本性をも知らないのに、どうしてほかの者にベーター教えるのですか。偽善者よ、もし知っているならまず第一にアルファ教えなさい。そうすればベーターについてもあなたを信じましょう」。それから教師最初文字について質問始めたが、教師彼に答えることが出来なかった。 それから沢山の人が聞いている前でザッカイ言った。「先生第一文字構成秩序について聞きなさい。そして次の点に注意なさい。斜めの線と真中の線があるが、それはごらんのように一緒になる線を横切っていて、一点集まり、上にあがり輪舞してまた分岐するアルファ三部同種の同じ長さの線を持っている」。 【第13章彼の父は大工で、そのころは鋤や軛を作っていた。ある金持から彼に寝台作るよう注文があった。しかし一枚の板がその反対側の板[より短くて]、ヨセフ何をしたらいいかわからいでいると、少年イエスがその父親[ヨセフ]に言った。「二枚の木を下に置いてまん中からみて一方同じにあわせて下さい」。 それでヨセフ少年言う通りにした。するとイエスはほかの端に立ち、短い方の木を掴み、それを引き伸ばし他方と同じ長さにした。その父ヨセフはこれを見て驚き子供抱いて口づけして言った。「わたしは幸いだ神様がこんな子をわたしに下さったのだから」。 【第19章】 さて彼が一二歳だった時、両親慣習に従って巡礼人々一緒に過越の祭りエルサレム行った。そして過越の祭りの後、家に向かって帰途についた。するとその途上少年イエスエルサレム上って行った。それでも両親イエス巡礼人々中にいると思っていた。 彼らは一日道中をしてから、親戚の間でイエス探したが見つからないので、悲しんで探しながらもう一度町に戻った。そして三日目に、彼が神殿教師たちの間に座って耳を傾けた質問したりしているのを見出した。みなが注意向けて、どうして子供ありながら律法要点予言者たちの比喩解釈し長老たちや民の教師たちの口をつぐませたりできるのか驚いていた。 そこで母マリア近寄って言った。「どうしてわたしたちにこんなことをしたのですか。子よ、ごらんなさい、心配してあなたを探していたのですよ」。そこでイエス言った。「何故わたしを探すのですか。わたしが必ず父のところにいることがわからないのですか」。 それで律法学者パリサイ人たちは言った。「あなたはこの少年の母ですか」。彼女が、「わたしがそうですと言うと、彼女に言った。「あなたは女の中で幸せな方。神があなたの胎の実を祝福されたのです。本当にこのような尊厳と徳と知恵とをいまだかつて見たことも聞いたこともありません」。 そしてイエス立ってに従って行き、その両親服従していた。しかし母親すべての出来事を心にとめておいた。そしてイエスには知恵年齢恵み増していった。世々彼に栄光あれかしアーメン

※この「トマスによるイエスの幼時物語」の解説は、「イエスの幼少時代」の解説の一部です。
「トマスによるイエスの幼時物語」を含む「イエスの幼少時代」の記事については、「イエスの幼少時代」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「トマスによるイエスの幼時物語」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トマスによるイエスの幼時物語」の関連用語

トマスによるイエスの幼時物語のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トマスによるイエスの幼時物語のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのイエスの幼少時代 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS