トマス・アキナスの自然法論とは? わかりやすく解説

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トマス・アキナスの自然法論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/18 15:51 UTC 版)

自然法論」の記事における「トマス・アキナスの自然法論」の解説

トマス・アキナスの自然法論は、端的に言えば全宇宙を支配する不変永久法から、人間一時的な便宜のために制定される人定法までの階層構造記述することにある。 永久法啓示によって与えられる神定法 理性によって把握される自然法何らかの効用のために特殊化され自然法としての人定法 まず、永久法とは、この宇宙支配する神の理念である。そして、永久法のうち、理性的被造物たる人間分有しているものが、自然法である。さらに、自然法のうち、人間何らかの効用のために特殊的に規定するものが、人定法である。最後に神定法とは、人間永久法により強く与れるように、神から補助的に与えられた法である。すなわち、人間能力には限界があるために、人々永久法から与った自然法もとづいて適切に人定法制定するということができず、また、様々な意見対立生じるので、それを補うために神から与えられたものが、神定法である。ここで、神定法として念頭に置かれているのは、旧約聖書新約聖書において命じられている事柄であり、前者旧法lex vetus)、後者新法lex nova)と呼ばれるこのような流れの中で、自然法はより強い存在意義与えられた。永久法は、神のうちにある最高の理念であり、あらゆる法の源泉である。このような永久法一部である自然法は、あらゆる人定法源泉であり、今や、その妥当性基準となる。 ここからして、人間によって制定された法はすべて、それが自然法から導出されているかぎりにおいて法の本質ratio legisに与るといえる。これにたいして、なんらかの点で自然法からはずれているならば、もはやそれは法ではなく、法の歪曲coruptio legisになるであろう。 — トマス・アキナス神学大全第2部の1第95問題2項

※この「トマス・アキナスの自然法論」の解説は、「自然法論」の解説の一部です。
「トマス・アキナスの自然法論」を含む「自然法論」の記事については、「自然法論」の概要を参照ください。

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