ケインツェル一行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 09:27 UTC 版)
「ユーベルブラット」の記事における「ケインツェル一行」の解説
ケインツェル 左目を縦断するように大きな傷を顔に持ち、長く緑がかった金髪を三つ編みにした亜人の少年。 剣術と体術に天賦の才を持っており、右腕から現れる4本の巨大な黒い剣を操る。千の石槍の外、「辺境」において逆賊の集団「黒翼剣軍」を単独で攻め落としたことから「辺境の英雄」「黒い剣の男」の通称で知られているが、シュテムヴェレヒ方伯を殺害してからは「英雄殺しの逆賊」と呼ばれている。 正体は裏切りの槍の一人であるアシェリート。かつて「刃匠(ブラットマイスター)」の称号を戴き、帝国最強と謳われた剣士であった。見た目こそ少年であるが神託歴3952年ごろの生まれで実年齢は40歳。年相応の冷酷さを持っているが、若いころは純粋な性格であったが、純粋さゆえに人間臭い面に欠けるきらいもあった。 苦難の末に使命を果たした自分と仲間3人を斬り刻んだ、真の裏切り者である七英雄への復讐のみを目的に生きる。しかし、本質的には心優しい男であり、復讐の対象である七英雄に対しても、かつて仲間として共に戦い旅したころの記憶と裏切られた憎しみの間で苦悩する様子もある。皇帝ラルゴールと再会して汚名を払拭されたことから「アシェリート伯」となり、七英雄の領地をエルサリアと折半する立場となる。グレン討伐を果たした戦後は最前線の後方地となる城に詰めているが、そこに自身を含めた「14人の仲間全員の墓碑」を用意した。これはグレンが建てたものと比べると、一見しては誰の墓なのか分からないほど細やかなものである。 元々は普通の人間であったが、死の森にて七英雄に裏切りにあい瀕死の重傷を負った際、高位妖精(ホッホ・エルフェ)を喰らい融合したことで亜人となり生き延びた。高位妖精と融合したことから「妖精の声が聞こえる」「月の光を浴びることで本来の力を発揮する(力が回復する)」などの高位妖精の特性が身に付いており、月光の下では「黒い剣」を操ることができる。又、肉体が成長や老化などの変化を見せていないのも高位妖精の力によるものと思われる。しかし同時に、人間の身体のときよりも脆弱であり、剣技が以前の身体で習得したものであることの問題や、黒翼を使うと今の身体では耐えられないなどの問題を抱えている。実際に問題があるかは不明だが、その全身には七英雄に斬り刻まれた傷跡が残っている。 捨て子であり、刀鍛冶のもとで育ったが、刀の鍛錬や剣の型を見よう見まねでほぼ完璧に行えるなど特異な才能があり、剣術においては教えを受けた師以上の達人となった。 アト クシャールンド首領家第三王女。“僕”という一人称を使い、髪型や喋り方もボーイッシュなため、登場時は少年と思われていた。兄のクラトを慕い、傍にいたいがために戦士となる決意を固める。当初はクラトの命を奪ったケインツェルを仇とみなし、「復讐の黒装束」に身を包んで命を狙うも、実際は彼に非の無いことを認めて謝罪。以来ケインツェルに強く惹かれ、アルテアやピーピと共に旅に同行する。ケインツェルの正体と目的を知っており、彼の復讐を肯定し、また、彼が「逆賊」と呼ばれることを嫌い「裏切りの槍」の真実を明らかにすべきであると考えている。 大剣や二刀流を駆使し、剣術は未熟なものの大きな素質を感じさせる部分がある。自由都市ユラス・アプラスでの戦いで重傷を負い生死の境をさまようが、ケインツェルから「妖精の血」を傷口に注ぎ込まれたことで一命を取り留める。また、血の影響によって毛髪が変色し、背中や傷跡にケインツェルと同じ小さな羽根のようなものが生えた。 イェブルではぐれたケインツェルと再会した際に贈られた連結式の特殊な双頭剣を使うようになる。グレン討伐戦ではケインツェルと共に打った妖精鉱の剣(柄の長い仕様)を使った。 ピーピ 辺境の亜人種ミルエル・ミラエル族の少女。 本名は不明で、ピーピという名前はケインツェルが咄嗟につけたもの。国境を超えるためケインツェル達に同行。後にケインツェルの正体と目的を知ってからも同行を続ける。ユラス・アプラスの争乱後、再び離れてしまったケインツェルと再会するために、エルサリアと同行し、イェブルにて再会を果たす。 彼女の属するミルエル・ミラエル族は濃い「妖精の血」を引いており、精霊との親和性も高くエルサリアの仲間・エルツェンから簡単なレクチャーを受けただけでかなり強力な精霊魔法を使えるようになった。 アルテア 国境の町リエルデ・フェレムで密航屋を営む女主人。ケインツェルと昔の恋人の面影が重なるため、彼に好意を抱いている。やはりケインツェルの正体と目的を知ってからも同行している。 自由都市ユラス・アプラスでの戦い以降、都市に残り自衛団のリーダーを任されることになる。帝国軍の反攻開始に際しては補給物資の調達と配給を手配した。 ヴィド 眼帯をつけた黒髪長髪の男。紐のついたチャクラムの投擲を得意とする。元々は盗賊であったが、2年前に猛獣に襲われたところをクシャールンド首領家のクラトに救われて以来、臣下として仕えている。方伯軍によって捕らえられた第二王女のシャーレンを救うためにケインツェルと共に行動し、彼女の救出に成功する。その後はアトのことをケインツェルに託し、シャーレンと共に国へ戻った。 グレン討伐戦ではクシャールンド王としてケインツェル一行に合流する。ケインツェルの打った妖精鉱の剣(柄の長い仕様)を持って怪物化した兵を倒す遊軍として活躍した。 ゲランペン 方伯軍百人隊長。義兄弟の間柄であるファーゴを「お兄ちゃん」と呼び慕う、自称「神護りの戦妖精」。髭面、スキンヘッドの強面で正義感が強い大男だが、心は純情乙女で喋り方もオカマ口調。信頼していたファーゴの本性に迷いが生じ、それを確かめるためにもケインツェルたちに手を貸すが、再びファーゴに騙されて背後から刺される。持ち前の生命力から一命は取り留めたものの、ファーゴの亡骸を抱き留めたまま崩れ落ちる城の中に姿を消す。 しかし、ファーゴにとりついていた触手に取り付かれたために生き延び、生きながらえた命を罪滅ぼしに使うことを心に決める。その後はピーピたちに同行する。ケインツェルの復権以降は彼の軍の千人長として働き、戦後は最前線の城を纏める将軍位に就いている。
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