ケインズ経済学の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 15:52 UTC 版)
1960年代、主要国において大きな政府の体制が敷かれたが、1970年代からのスタグフレーション下で肥大化した政府の非効率性が問題点にされた。 このころ、混合経済体制の目的が公共投資による経済成長から所得再分配そのものへ変質し、国政機関による国内の利害調整・買票の手段へと転化した。ここに至って、公共投資や規制は既存の産業構造保持を目的とするようになり、経済成長を阻害しかねない状況へおちいった。 また、積極財政で投下した資金が石油危機のために、石油代金として国外に流失して、米国内で乗数効果を発生せず、米国のスタグフレーション治療に効果がなく、財政赤字だけが拡大したことが批判を浴びた。 その後、新自由主義の台頭により、混合経済システムは「大きな政府」と批判されるようになった。批判を背景に、サプライサイド改革をすすめる国は「小さな政府」へ転向しているが、改革の根拠とされたサプライサイド経済学の妥当性については極めて批判的な意見が多く、ブードゥー経済学と嘲笑されるに至っている。 現在、「不況期における政府投資による雇用・有効需要創出」を再評価し、「投資採算・回収性によるプロジェクト厳選」、「創出需要が輸入で流出することの防止」などを反省し、「環境との調和」に留意した「修正ケインズ学説」に基づいてバラク・オバマ米政権の「グリーン・ニューディール政策」が打ち出されている。
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