エジプト美術とは? わかりやすく解説

エジプト美術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 18:17 UTC 版)

西洋美術史」の記事における「エジプト美術」の解説

詳細は「エジプト美術」および「アマルナ美術」を参照 ナイル川流域興ったエジプト文明肥沃な大地背景大い発展し初期王朝時代にはエジプト美術の原型誕生した。エジプト美術の初期メソポタミア美術英語版)の影響受けた考えられている。初期蛇王の碑などに代表される浮彫彫刻丸彫彫刻さかんに制作され、既に技術様式においてエジプト美術の独自性原形垣間見えるファラオ神権権力確立する古王国時代には葬祭複合体として古代史においても重要な建築物であるピラミッドギザなどに建立された。なお、従来墳墓マスタバ)の概念取り払いピラミッドとして確立見たのはジェセル王の時代であり、宰相イムヘテプによってサッカラ建立され階段ピラミッドがその嚆矢とされている。壁画においてはメイドゥーム英語版)など、動植物には写実的精微表現有したものが数多く制作されているのに対し、人像表現極めて形式的かつ概念的で、上半身正面向き下半身真横からといった形態表現されていることが多い。これは、死者食料として役割担っており、生き良さ重要だったのに対し表され人々王侯奉仕する労働力として永遠不動の形を要求するというエジプト独特の信仰から来る表現の違いであると推察されている。 中央集権瓦解し中王国時代に入るとアメンエムハト3世時代に入るまで巨大建造物造営見られなくなり、代わってオシリスハトホルなど、独創的な形式有する葬祭殿神殿出現した彫刻においては第11王朝期ごろから個性写実的に捉える傾向持った新しテーベ様式出現し従来伝統的なメンフィス様式とともに大潮流を形成したしかしながら経済の停滞とともに制作傾向大型石像彫刻から木製の小像へと変化している。 新王国時代に入ると王権の強化とともにエジプト美術は絶頂期迎えアモン大神殿ルクソール神殿など、テーベ中心に各地大型造営事業推進された。とりわけ第18王朝期に従来の二大潮流の中に豪華な装飾性色彩主義加えられ宮廷美術新境地切り開いたまた、アマルナの地に都を移したアメンホテプ4世唯一神アトンへの信仰没頭したことから、この時代制作され美術作品自然主義的な傾向色濃く反映されており、エジプト美術のなかでは異彩を放っている。宮廷美術として型にはめられ厳格な形式性から解放されたことから、リアリズム表現技法大い伸張した。王女口付けをするアメンホテプ4世彫刻画など、人間感情情愛モチーフとした構図採用され表情姿態誇張的な表現がとられた。 この時代美術それ以外時代のエジプト美術と区別しアマルナ美術呼称する。アマルナ美術後世のエジプト美術にも大きな影響与えツタンカーメン黄金マスクなどにおいても、アマルナ美術内観的表現様式名残見て取れる。 エジプト美術の最大特徴その様式の不変性で、三千年に及ぶ悠久の時経てもほぼ変わることなく一貫していることが挙げられる。こうして連綿と継承され技術はその洗練性を高め後期には沈浮彫りなどの高度に発達した特殊な技法が誕生している。一方でこうした不変性社会的歴史的基盤があって初め成立する特殊な美術であったこともまた事実であり、ギリシア美術のような影響力を他の美術与えことはなかった。しかし、末期王朝時代に入ると王国衰退とともにエジプト美術も因襲的な模倣終始し他国からの影響を受けながらその独自性すら失っていった。紀元前332年アレクサンドロス3世によってエジプト征服なされると、エジプト美術は形骸化しギリシア美術影響中に消えていった。

※この「エジプト美術」の解説は、「西洋美術史」の解説の一部です。
「エジプト美術」を含む「西洋美術史」の記事については、「西洋美術史」の概要を参照ください。

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