アカデミー賞授賞式でのトラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 08:57 UTC 版)
「クリス・ロック」の記事における「アカデミー賞授賞式でのトラブル」の解説
「第94回アカデミー賞#平手打ち騒動」および「ウィル・スミスの平手打ち事件」も参照 2022年第94回アカデミー賞授賞式では女優ジェイダ・ピンケット・スミスの短い髪形についてジョークを飛ばし(ジェイダは脱毛症と診断されたことを2018年に告白していた)、その夫でクリスと長年の友人でもあるウィル・スミスに平手で殴打された。 米Los Angles Timesによると騒動が起きた際、クリスの弟のケニーは米ブルックリンを走る電車に乗っており、ネット上に出回った動画を通して知ったとしている。また、ウィルとクリスは1990年代からの知り合いで、「騒動前までは非常に良い関係だった」と語った。 アカデミー側は、式典中にクリス・ロックをステージ上で平手打ちした後、ウィル・スミスが舞台から離れる事を拒否したことを明らかにした。同日夜、ロサンゼルス市警察はスミスを逮捕する準備をしていたが、クリス・ロックは断固として告訴を望まなかった。 クリスは同日授賞式に司会者として出演していた女優のワンダ・サイクスに、授賞式後のアフターパーティーで開口一番に謝罪。「あなたたちが主役になるはずの夜だった。あなたと(共同司会者の)エイミー(・シューマー)、レジーナ(・ホール)は素晴らしい仕事をしていた。それが、このような形になってしまって申し訳ない」と述べ謝罪していた。 2日後の29日の米テレビ内で、主催者のゲイル・キングが「スミス以外の他の聴衆が歩いて行ってそれをしたとしたら、彼らは警備員に付き添われたり、逮捕されたりしただろう」と推測。同番組に出演していたジム・キャリーは「彼(スミス)はそうであるべきであった」とし、「聴衆から怒鳴り、不満を示したり、ツイッターで何かを言いたいのなら、ステージに上がって誰かを顔に叩きつける権利はない」と付け加え、「もしも私がクリスであれば、彼(スミス)を訴える」とスミスを批判。 3日後の30日に米NBCテレビのトーク番組「エレンの部屋」に出演したワンダ・サイクスはクリスの謝罪を「なぜ謝るの?」という感じだったとし、一連の出来事について「気分が悪くなった。今もまだ少しトラウマを抱えている」と語り、スミスが平手打ち後も会場にとどまって残りの授賞式を楽しむことが許されたことは世間に対する間違ったメッセージになったと主催者を批判した。「誰かが暴力を振るえば、建物の外にエスコートされて追い出されるだけのこと。それをしなかったことはとても不快だった」と語った。 理事会の会議後に発表された声明により、「不適切な身体的接触、虐待的または脅迫的な行動、アカデミーの完全性の侵害を含む」というアカデミーの行動基準に違反しているとされ、アカデミーはウィル・スミスに対する懲戒手続きを発表した。アカデミーは、「直接目撃された方、およびテレビの視聴者の皆さまに深いショックとトラウマを与えた」とウィル・スミスを断じ、クリスに対しては「我々のステージでの出来事を謝罪申し上げます。あの瞬間、即座に持ち直していただき感謝いたします」と声明文で伝えている。 アカデミー側は、式典中にクリス・ロックをステージ上で平手打ちした後、スミスが舞台から離れる事を拒否したことを明らかにした。理事会の会議後に発表された声明により、「不適切な身体的接触、虐待的または脅迫的な行動、アカデミーの完全性の侵害を含む」というアカデミーの行動基準に違反しているとされ、アカデミーはウィル・スミスに対する懲戒手続きを発表した。アカデミーは、「直接目撃された方、およびテレビの視聴者の皆さまに深い衝撃とトラウマを与えた」と断じ、クリスに対しては「我々のステージでの出来事を謝罪申し上げます。あの瞬間、即座に持ち直していただき感謝いたします」と声明文で伝えている。 米メディアによると、調査機関ブルー・ローズ・リサーチが2000人以上に「どちらがより間違っていたか」をネットアンケートしたところ、所得層別で大きな違いがあり、年収15万ドル(約1800万円)以上では54.2%がスミスと回答したのに対し、2万5000ドル以下では63.4%がロックと答えた。また、高学歴層ほどスミスに否定的な傾向も顕著となった。 日本では「家族を侮辱されたのだからウィル・スミスがビンタしたのも理解できる」という意見が多いのに対し、アメリカでは「手を出したウィル・スミスが完全に悪い」という声が多い理由として、権力と富がある人、政治家やセレブリティーをコメディアンがネタにする「スタンダップコメディ」の文化がアメリカにはあり、また「許される暴力」という考え方がアメリカには存在しない事があげられる。 女性政治評論家のミカ・ブルゼジンスキーは、「ジェイダは私がこれまで見てきた中でもっとも人を勇気づけ、女性を助けてくれる女性だ」と事件に言及。ジェイダは自身の番組『レッド・テーブル・トーク』で夫婦関係や病気、セックスライフなどについて赤裸々に語り、視聴者の共感を集めてきた。ブルゼジンスキーは続けて「彼女は誰も行く勇気を持っていないところに立ち向かい、自分で自分の面倒を見られる人だ」とし、夫に守ってもらう必要はないとブルゼジンスキーは主張。このコメントをきっかけに、ウィルが事件を起こしたためにジェイダが自分で自分の名誉のために発言するチャンスが奪われてしまったという意見が増えた。 2022年4月1日、ウィル・スミスは「私は多くの人を傷つけ、アカデミーの信頼を裏切った。私はアカデミーから退会するとともに、今後のアカデミーの判断を受け入れる」と述べ、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)から退会する意向を示し、AMPASもその申し出を受理したことを同日発表した。 ウィルの今後のキャリアを懸念する声が各地で上がる中、『天使にラブ・ソングを…』シリーズでも知られる俳優・コメディアンのウーピー・ゴールドバーグは、「彼は戻ってきます。心配いりません」と私見を述べた。
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アカデミー賞授賞式でのトラブル
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「ウィル・スミス」の記事における「アカデミー賞授賞式でのトラブル」の解説
詳細は英語版「en:Will Smith–Chris Rock slapping incident」を参照 2022年3月27日、第94回アカデミー賞の授賞式で、長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターを務めた、共演者であり長年の友人同士でもあるクリス・ロックが、スミスの妻で脱毛症に悩まされているジェイダ・ピンケット・スミスを映画『G.I.ジェーン』のジョークでネタにしたことに腹を立て、クリスを平手打ちし、その後放送禁止用語を連発した。米国ではABCにて放送されていたテレビ中継が一時中断する騒ぎとなった。 同日夜、ロサンゼルス市警察はスミスを逮捕する準備をしていたが、クリス・ロックは断固として告訴を望まなかった。 クリスのジョークを受けた妻ジェイダは、夫のスミスの行動について「やりすぎだった」とした。 米Los Angles Timesによると騒動が起きた際、クリスの弟のケニーは米ブルックリンを走る電車に乗っており、ネット上に出回った動画を通して知ったとしている。また、ウィルとクリスは1990年代からの知り合いで、「騒動前までは非常に良い関係だった」と語った。また、クリスはジェイダが脱毛症である事を知らなかったと証言した。 アカデミー側は、式典中にクリス・ロックをステージ上で平手打ちした後、スミスが舞台から離れる事を拒否したことを明らかにした。 クリスは同日授賞式に司会者として出演していた女優のワンダ・サイクスに、授賞式後のアフターパーティーで開口一番に謝罪。「あなた達が主役になるはずの夜だった。あなたと(共同司会者の)エイミー(・シューマー)、レジーナ(・ホール)は素晴らしい仕事をしていた。それが、このような形になってしまって申し訳ない」と述べ謝罪していた。 理事会の会議後にアカデミーにより発表された声明では、「不適切な身体的接触、虐待的または脅迫的な行動、アカデミーの威厳の侵害を含む」というアカデミーの行動基準に違反しているとされ、アカデミーはウィル・スミスに対する懲戒手続きを発表した。アカデミーは、「直接目撃された方、およびテレビの視聴者の皆さまに深い衝撃とトラウマを与えた」と断じ、クリスに対しては「我々のステージでの出来事を謝罪申し上げます。あの瞬間、即座に持ち直していただき感謝いたします」と声明文で伝えている。 2022年4月1日、ウィル・スミスは「私は多くの人を傷つけ、アカデミーの信頼を裏切った。私はアカデミーから退会するとともに、今後のアカデミーの判断を受け入れる」と述べ、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)から退会する意向を示し、AMPASもその申し出を受理したことを同日発表した。
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