平手打ち騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 20:08 UTC 版)
「第94回アカデミー賞」の記事における「平手打ち騒動」の解説
長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターとして登壇したコメディアンのクリス・ロックが脱毛症であることを公表している女優のジェイダ・ピンケット・スミスを侮辱する発言をしたため、夫で俳優のウィル・スミスが壇上に上がり、ロックに平手打ちをする騒ぎが発生。その後、スミスは放送禁止用語を交えてロックの発言を批判したこともあり、アメリカ国内において授賞式を生中継していたアメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)や日本国内で授賞式を中継していたWOWOWなどは放送を一時中断する事態になった。 騒動を受けて、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)はウィル・スミスに対して、会場から退場するように求めたが、スミスは応じず、会場に留まった。その後、スミスは主演男優賞を受賞し、スピーチの中で「AMPASやノミネートされたすべての仲間に謝りたい」と述べたが、この時点ではクリス・ロックへの謝罪は行わなかった。 ウィル・スミスは2022年3月28日に投稿したInstagramの中で「クリス、あなたに公に謝罪したい。私は不適切で間違っていた。自分を恥じ入り、私の行動は自分がなりたい男のものではなかった。愛と優しさのあふれる世界に暴力の存在する場所はない」と述べ、クリス・ロックを始め、AMPAS関係者や視聴者、主演男優賞を受賞した『ドリームプラン』のモデルでもあるテニス選手のウィリアムズ姉妹(ビーナスとセリーナ)の父親などに対しても謝罪した。 クリス・ロックは警察に被害届の提出を行わないことをアメリカのメディアに対して明らかにしているが、AMPASは2022年3月28日にウィル・スミスの行動を非難すると同時に調査を開始し、カリフォルニア州法などに準じた対応を行う声明を発表した。同月30日、AMPASは「スミス氏の行為は、アカデミーの行動基準に違反する。目撃した人たちに深い衝撃を与え、トラウマを植え付けた」と述べ、懲戒手続きを開始したことを明らかにした。前述の通り、スミスは主演男優賞を受賞しているが、ロサンゼルス・タイムズは同賞が剥奪される可能性もあると報じている。 2022年4月1日、ウィル・スミスは「私は多くの人を傷つけ、アカデミーの信頼を裏切った。私はアカデミーから退会するとともに、今後のアカデミーの判断を受け入れる」と述べ、AMPASから退会する意向を示し、AMPASもその申し出を受理したことを同日発表した。 2022年4月8日、AMPASは授賞式を始めとするAMPAS主催イベントへの出席を今後10年間禁止する処分を理事会において決定し、ウィル・スミスもこの決定を受け入れたことを発表した。なお、今回のアカデミー賞で受賞した主演男優賞は剥奪されず、今後のノミネートについても除外にはならないことも併せて発表された。
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