『青空』創刊――檸檬とは? わかりやすく解説

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『青空』創刊――檸檬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:46 UTC 版)

梶井基次郎」の記事における「『青空』創刊――檸檬」の解説

1924年大正13年10月上旬本郷菊坂下の中谷孝雄下宿集まった次郎同人6人は雑誌正式名称を何にするか相談した。基次郎は「」(あざみ)という名がいいと主張したが、揚げない花だと反対する者があり廃案となった中谷同棲再開していた平林英子が、武者小路実篤の詩に「さわぐものはさわげ、俺は青空」というのがあると窓辺中谷囁いた中谷快晴の空を見上げながら「青空はいいな」と叫び即座に次郎賛同して青空」に決定した中谷吉祥寺行って十三夜月見をした基次郎は、作家として生計立て決意告げたという。 以前から基次郎は、京都での自分鬱屈した内面客観化ようとした瀬山の話」を書き進めていたが完成至らず習作どまりで断念していた。その中の「瀬山ナレーション」の断章挿話檸檬」(一個レモン出会ったときのよろこびと、レモン爆弾見立て自分圧迫する現実破砕してしまおうという感覚描いたもの)を独立した作品仕立て直して、創刊号発表することにした。 同人らは『青空創刊号掲載する原稿10月末に持ち寄り帝大前の郁文堂書店発売依頼する印刷代が高額だったため、そこでの印刷断念し稲森宗太郎友人寺崎浩父親岐阜刑務所所長をしていた伝手で、刑務所作業部で印刷してもらうことになった外村茂忽那吉之助帰郷ついでに刑務所原稿渡した後、校正などの事務連絡手間取り創刊発行新年になることになった11月中谷夫妻江戸川区転居したため、基次郎下宿同人集合する場所になったこの頃、基次郎武蔵野散策して、国木田独歩『武蔵野』のような作品書きたい考えていた。フランス日本20世紀絵画林武黒田清輝)への関心強まった次郎は、〈前からもさうでしたが、自分個人的なそしてその場その場感興に身を委せるといふ様なことに無意識的に移つて来たやうに思ひます〉と近藤直人書き送り同人誌創刊号載せる小説について語った創作といつても短いのを一つ――あまり魂が入つてゐないものを仕上げて此度出す雑誌出しました此度いよいよ雑誌が出るのです、名前は青空――いづれ京都へも出ます広告しておいて頂きたい様な愧しい様な気持です。(中略あなたにお送りいたします決し意気込んで送るのではありませんからそのお積りで。然し何年でも私はこれを守り立てゝゆく積りでゐます。その内にみなも段々調子が揃つて来るだらうと思ひます。 — 梶井基次郎近藤直人宛て書簡」(大正13年11月12日付) 12月宇賀康の家の紹介で、郊外荏原郡目黒町中目黒859番地(現・目黒区目黒3丁目4番2号)の八十川方に下宿先変えた。この家は偶然にも母の若い頃友人であった27日には、印刷された『青空300部を受け取りに、中谷外村と3人で岐阜刑務所作業部に出向いた。 半数外村茂実家送付し残り携えて京都行き販売協力のため円山公園にある料亭あけぼの」で待つ劇研究会後輩浅沼喜実、北神正、新加入の淀野隆三(文甲3年伏見商の息子)、龍村謙(文乙2年西陣織染織研究龍村平蔵長男)に渡したその夜、基次郎外村後輩らと、伏見過書町淀野隆三実家泊り翌日先輩山本修二の家(京都寺町丸太町)に行った1925年大正14年1月小説檸檬」を掲載した同人誌青空創刊号販売されたが、評判にならなかった。雑誌文壇作家寄贈しなかったためと思われたが、それは基次郎が「彼らは書店で(30銭を払って買って読む義務がある」と主張したからだった。先月半ばから取りかかっていた次号作の執筆取り組む次郎下宿部屋から出なかったので、仲間から「目黒不動さん」と呼ばれた

※この「『青空』創刊――檸檬」の解説は、「梶井基次郎」の解説の一部です。
「『青空』創刊――檸檬」を含む「梶井基次郎」の記事については、「梶井基次郎」の概要を参照ください。

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