“征遼の睟”サラカエル一派
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「紅世の徒」の記事における「“征遼の睟”サラカエル一派」の解説
19世紀末~20世紀初頭のハワイ近辺で活動していた[革正団]で、“征遼の睟”サラカエルを事実上のリーダーとする一派(上記の見出しは便宜上の仮のもの)。活動拠点はハワイ島マウナロア山の地下基地。 “探耽求究”ダンタリオン製作の『オベリスク』(正式名称『我学の結晶エクセレント27071-穿破の楔』)を使い、全世界にサラカエルのメッセージを発信しようとしていた。そのため1895年にハワイのホノルル外界宿から宝具『テッセラ』を強奪、それを用いて地下基地の存在および『オベリスク』を隠蔽していた。しかし1901年、『空裏の裂き手』クロード・テイラーの行方を追っていた『約束の二人』、ホノルル外界宿の再設置にやって来た『鬼功の繰り手』サーレ・ハビヒツブルグと『極光の射手』キアラ・トスカナにより壊滅する。 “征遼の睟(せいりょうのすい)”サラカエル[Sarakiel] 男性の“紅世の王”。炎の色は碧玉。XV巻に登場。 長髪で美麗な男性の聖職者の風貌をしているが、戦闘の際には後光が射して、髪の間に無数の縦に開いた瞳が現れる。 理知的な性格で、自分の思想に共感するのであれば、敵であるフレイムヘイズも、“徒”から食われれば非常に弱い人間も、『同志』としてどちらが上も下も無い対等な関係である事を望む。 自覚も無く“徒”に喰われ続けるだけの人間を憂い、“徒”と人間との間に『明白な関係』を打ち立てることで、2つの種族が住まうこの世をより良く変えようとしていた。これは人間が“徒”に比べて劣った搾取される種族である事を世に知らしめる行為と同義であり、混乱や虐殺の増加を招きかねない上に、人間という種族全体が失意と落胆に陥る可能性のある行為でもあったが、彼は人間ならばそれすら乗り越え、“徒”と向き合ってより良く生きて行けると本気で信じていた。 睨んだ対象に自在法を飛ばし、瞳を対象に宿らせる事で強化や干渉を行う自在法『呪眼(エンチャント)』を使う。また『呪眼』である瞳自体を飛ばし、防御や攻撃にも用いる。 自らの“存在の力”を動力源に『オベリスク』でメッセージを発し、『明白な関係』作りのためのささやかなきっかけを作ろうとしていたが、1901年に『極光の射手』としての真の顕現を果たしたキアラに妨害され失敗、最期を悟った後は、自らの願いをほんの少しだけ発信し、この世と人間を蹂躙する事のできる力を持った“紅世の徒”の存在の説明と、そんな“徒”とも対等に関わっていく事のできる人間の『心』についての語りの中途で『オベリスク』ごと粉砕され討滅された。 キリスト教に、サリエルの別名をもつ同名の天使が存在する。 “吠狗首(はいこうしゅ)”ドゥーグ[Doog] 男性の“紅世の徒”。炎の色は灰色。XV巻に登場。 二足歩行の黒犬の姿をしている。句点の多い、たどたどしい話し方をする。 物覚えが悪く、いつも手帳を持ち歩いてさまざまなことを書き付けていた。また達筆で、自分が消滅しても書いた内容が消えないよう、筆記にはサラカエルに教わった暗号を使っていた。 犬の面と毛皮を付けた岩石獣人の“燐子”『黒妖犬(モディ)』を使う。簡単な命令をこなす程度の最低限の知能しかないが、大量に作り出すことや、機能を凍結させ長期保存させる事もできる。奥の手として『黒妖犬』自身が崩壊するほどの強烈な咆哮を放つ『金切り声(トラッシュ)』を持ち、サラカエルの『呪眼』の強化と組み合わせることで、複数のフレイムヘイズや“紅世の王”をしばらくの間行動不能にさせる事が出来る。 [革正団]として活動する200年ほど前からサラカエルと行動しており、その頃はサラカエルを『お頭』と呼んでいた。[革正団]となって以降は「同志サラカエル」と呼ぶように言われていた。 地下基地の近域で行われた戦いで、基地に設置しておいた『黒妖犬』の『金切り声』で時間を稼いだ後は、サラカエルの言い付けで戦線を離脱。瓦礫に飲まれかけた同志ハリエットを助けた後は、サラカエルの遺言で、他の同志にサラカエルの遺志を伝えるべく、彼の考えが書かれた本を持ってアメリカ大陸へ泳いで渡ろうとし、消息不明となる。また、この地下基地の最奥部には、凍結状態の『黒妖犬』が一体保存されていた。 その後の経歴の詳細は不明だが生存しており、1920年代に欧州で何度も[百鬼夜行]の手助けのもとに[革正団]運動を続け、多くの“徒”に人間との関係を意識させることとなった。XXII巻で新世界『無何有鏡』が創造され、[百鬼夜行]が新世界へ旅立った直後に御崎市の封絶に入ってきて、新世界が探し求めてきたものか確かめるために新世界『無何有鏡』へ旅立った。 新世界においても[百鬼夜行]の協力の元、人間との共存を引き続き説いて回った。それは少しずつ効果を表しており、渡り来てから2年弱の間に、3つほどの“徒”の組織がその思想を受け入れ、人間との関わり方について罰則まで設けた上でそれを厳守するようになった。これにはベルペオルも驚いており、他の“徒”からは[革正団]の思想上の首魁の一人だと考えられている(外伝『アンコール』)。その後、新世界へ渡り来てから二年の間に坂井悠二と出会い、『オベリスク』のことも含めた話をした模様(外伝『アンフィシアター』)。 第三期アニメでは姿だけ登場した。 マン島に、妖精犬モーザ・ドゥーグが存在する。
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