はん‐が〔‐グワ〕【版画】
はんが〔ハングワ〕【版画】
ドビュッシー:版画
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ドビュッシー:版画 | Estampes | 作曲年: 1903年 出版年: 1903年 初版出版地/出版社: Durand |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 塔 "Pagodes" | 5分30秒 | No Image |
2 | グラナダの夕べ "La soiree dans Grenade" | 5分30秒 | No Image |
3 | 雨の庭 "Jardins sous la pluie" | 4分00秒 | No Image |
作品解説
この作品はしばしばドビュッシーが印象主義的なピアノ技法を確立した作品として評される。作曲が完成した直後に書いた手紙の中で、「曲名がとても気に入っている」と書いている。また、全体は三曲から構成されており、各曲それぞれ、オリエント、スペイン、フランスから題材をとっているが、実際にドビュッシーは東洋にもスペインにも行ったことがないため、「想像でうめあわせをするしかありません」と同手紙に書かれている。
1890年代半ばごろから作曲に着手し、1903年に完成、翌年初演された。大作オペラ《ペレアスとメリザンド》を完成させ、初演などを終えた時期で、しばらくぶりの本格的なピアノ作品となる。
《版画》はジャック・エミール・ブランシュに献呈されている(ただし、第二曲の〈グラナダの夕〉は、それよりはやくピエール・ルイスに献呈されている)。古典的な和声概論にとらわれないその音づかいに、当時の理論教師たちは目をむいたようだ。
〔第一曲〕塔
ドビュッシーは1889年にパリで開催された万国博覧会において、バリ島民の演奏するガムラン音楽をきき、深く興味をもった。この曲はその影響を反映したといわれている。
五音音階を用いた東洋風の主題が、変化し、繰り返され、独特の雰囲気をつくりあげている。
〔第二曲〕グラナダの夕べ
ハバネラのリズム、ムーア人の歌調、ギターの響き、スペイン・アンダルシーアの古都グラナダを彷彿とさせる音楽となっている。スペインの作曲家ファリャも、この作品をきいて、ドビュッシーの天性の想像力と才能を賞賛した。三段譜が登場する。
〔第三曲〕雨の庭
繊細なアルペジオによって庭の木立にふりかかる雨が描かれる。「ねんねよ、坊や Dodo l’engant do」と、「もう森にはゆかないよ Nous n’irons plus au bois」という二つのフランス童謡からあおいだ主題を、曲中にたくみに引用してかかれている。
日本的なしっとりした雨のイメージと比べると、かなりカラっとした印象がある。
版画
版画
版画
版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 13:38 UTC 版)
版画(はんが)とは、印刷を行う紙以外に、彫刻や細工を施した版を作り、インクの転写・透写等によって複数枚の絵画を製作する技法、またはそれにより製作された絵画のこと。版画はその版の仕組みから大きく4つに分類される。凸版画、凹版画、平版画、孔版画である。また、印刷する版面の種類によって木版画、銅版画、石版画、シルクスクリーンに分類される。
- ^ MAU造形ファイル プレス機の節
- ^ 『版画の技法と表現』、町田市立国際版画美術館、1987年、13頁(ISBNなし)
- ^ 『版画の技法と表現』、町田市立国際版画美術館、1987年、14頁(ISBNなし)
- ^ a b c 島田 1990, pp. 226–228.
- ^ グループ・ギャラリー 1990, pp. 118–119.
- ^ グループ・ギャラリー 1990, pp. 120–123.
版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/13 07:46 UTC 版)
フランシスコ・デ・ゴヤ「気まぐれ」「闘牛技」「戦争の惨禍」「妄」 ゴヤの銅版画集のうち、この4つを四大連作版画集という。姫路市立美術館は、その全て所蔵し、しかも「気まぐれ」以外は最も価値が高いとされる初版のセットである。 アンリ・マティス「ジャズ」(1947年) 全20点完存。「ジャズ」はテキスト付きが270部、テキスト無しの版画作品が100部限定出版されたが、本作品は後者でエディションナンバー26。
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版画
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その生涯に342点以上の版画も製作しており、戦前の木口木版の諸作品は日本の近代版画史の中で高い評価を得ている。版画の代表作には『瀬戸十景』、『メキシコの浴み』(1941年頃)、『タスコの裸婦』(1941年頃)などがある。戦後には木版画や石版画の画集を刊行するなどして大衆から人気を得て、「Peintre-graveur」(画家にして版画家)としての地位を確立させた。
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版画
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2007年 フィレンツェ(33.4×72.7cm)を200部制作。
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「ジョン・バルデッサリ」の記事における「版画」の解説
バルデッサリは1970年代初期から今日までプリントエディション(版画)の作品を制作している。最初のリトグラフ作品 I Will Not Make Any More Boring Art (1971)はノバスコシア美術デザイン大学の資金調達のために制作された。このリトグラフはバルデッサリの指示により、ギャラリーの壁に生徒に「I will not make any more boring art(私はもう二度と退屈なアートを作らない)」という文章をエンドレスに書かせた有名な展示に関連して制作された。彼はジェミナイ(en:Gemini G.E.L.)、 Arion Press 、Brook Alexander EditionsCirrus Editions、Crown Point Press、Edition Jacob Samuel、Mixografia、Multiples、Peter Blum Editionsといった版元(パブリッシャー)を通じエディション付き版画の制作を行っている。 The Fallen Easel (1988)、Object (with Flaw) (1988)においては、ファウンドイメージ同士の関係性をより複雑に提示するアプローチへとシフトしている。この二つの作品においてバルデッサリは互いに関係のない写真を巧みに組み合わせ、その対比によってその奥底に流れるミステリアスさ、時に不吉さを提示している。1990年代には版元の一つであるMixografiaでワークショップを始め、鋳型を用いた独自の版画プロセスにより三次元版画を制作した。このような次元に対する興味はGeminiによる近年のエディションにおいても発揮され、 Person with Guitar (2005)シリーズや、 Noses & Ears, Etc. (2006-2007)は塩ビ発砲ボードに手描きを含む三枚のレイヤーを重ねて作られた版画シリーズである。 God Nose (2007)はアルミダイカストにプリントされ、天井に設置するように作られている。またバルデッサリは2008年にGeminiから150冊限定で出版された版画セット「Artist for Obama」にも参加している。
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版画
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「エドヴァルド・ムンク」の記事における「版画」の解説
版画、特にリトグラフやエッチングは、1890年頃のフランスで隆盛を迎えていた。1891年にトゥールーズ=ロートレックがムーラン・ルージュのカラー・リトグラフを制作したのと同じ頃から、ムンクも多数の版画の制作を始めた。1894年までにドライポイントの技術を身に付け、間もなくアクアチント、さらに1895年にはエッチングも習得した。これらの凹版画に加え、1894年終わりにはリトグラフも習得した。1895年から1896年のパリ滞在時に『病める子』のカラー・リトグラフを制作して実験を重ねた。最後に木版画も用いるようになった。初期版画のほとんどは油彩画の主題をコピーしたものである。多くの場合、ムンクは銅版、石版、木版の上に直接描したため、刷り上がりは左右が逆になった。アクアチントとドライポイント、リトグラフと木版画、といったように、複数の版画技法を併用している点がムンクの特徴であり、版木をいくつかの部分に分解して刷るといった、新しい試みも行っている。1920年以降は新しい版画制作は減り1930年頃までにほぼ終了した。 ムンクは一つの版画から多くの刷りを重ねており、全部で700以上の版画から、約2万5000の刷りがある。そのうち約1万5000点がムンク美術館に収蔵されている。ムンクと交友を持った美術愛好家グスタフ・シーフラー(ドイツ語版)が、1907年と1928年に、2巻から成る版画の作品目録を出版し、ムンクの版画研究の基礎資料となっている。 『病める子』1894年。エッチング。 『マドンナ』1895-1902年。リトグラフ、60.5 × 44.4 cm。大原美術館。 『叫び』1895年。リトグラフ、35.5 × 25.4 cm。ムンク美術館。 『宇宙での出会い』1905年。木版画。
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版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 14:40 UTC 版)
キキ・スミスは、幅広い版画制作の工程を試している。いくつかの彼女の初期の作品は、ドレスやスカーフやシャツにしばしば身体部分のイメージをシルクスクリーンのプリントを施している。1980年代初めには、Colab(英語版:Colab)と提携し、Colabのイベントを含む政治声明の一連のポスター群の印刷をしている。1988年には、日本の解剖学の本から見つけた胎児の姿を15フィートのシルクスクリーンに繰り返す作品「オールソウルズ(All Souls)」を制作した。図像はハンドメイドのタイ製の紙に36種類のアタッチメントにより、黒インクで印刷されている。 MoMAとホイットニー美術館の両館は、キキ・スミスのプリント作品を広範囲に収集している。1999年の「ブループリント(Blue Prints)」シリーズは、銅版画のアクアチントの技法で制作されている。「聖女と鳩(Virgin with Dove)」は、耐酸性の銅板にエアブラシでアクアチントを施している。この技法はプリント時に聖女マリアと精霊の後光の効果をもたらす。
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版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 16:04 UTC 版)
油絵が売れなかったため、講談社の絵本の挿絵なども手掛けるべく努力していたが 22歳のとき、画家・瑛九の助言で、色彩銅版画を始めた。当時の日本では色彩銅版画を本格的に手掛ける作家が少なく、何とか絵で生活したいと思ったためである。生活費を稼ぐため、エロティックな版画集も制作した。 銅版画のプレス機は当初は小学生が使うようなハガキの倍くらいのサイズしか刷れない機械を使用。公募展で賞をとるたびに賞金で大型のプレス機を購入し、版画作品もこれに伴ってサイズが大きくなっていった。 版画の技法は、瑛九のエッチング講習会の助手をして基本的なことを学んだが、自己流を通した。木版、銅版、シルクスクリーン、リトグラフなどが現存する。特に、ドライポイントによる銅版画の評価が高い。 池田の作品が広く評価されるようになったのは、2人の外国人に銅版画のドライポイントを認められたことがきっかけである。第2回東京国際版画ビエンナーレ展と第3回展で、それぞれ国際審査員のドイツ人美術評論家・ヴィル・グローマンとニューヨーク近代美術館版画部長・ウィリアム・リーバーマンに評価され、入賞した。銅版に鋭い刃で傷を付ける、池田のドライポイントの線描は、パウル・クレーやデ・クーニング、ヴォルスの線に似ているが、雪舟の水墨画『秋冬景山水図』の線にも影響を受けている。日本人審査員は評価しなかったが、グローマンは「ここには東洋がある。日本の能面に通じる簡潔な美がある」と“東洋の影”を指摘して絶賛した。このドライポイントを主軸にした版画がヴェネツィア・ビエンナーレ展版画部門で評価されたのである。 雪舟の水墨画の影響がうかがえる作品としては、第2回パリ青年ビエンナーレ展版画部門優秀賞を受賞した「大きな女」やドイツの古雑誌を使ったコラージュ「ムーン・フェイス」などが挙げられる。 なお、エロティックな作品のモデルは生身の女性ではない。裸体モデルを使ったことはほとんどなく、ファッション雑誌やポルノ雑誌を利用して、イマジネーションを膨らませた。雑誌の表紙画の女性も特定のモデルはいない。 版画の代表作は、銅版画やリトグラフなど内外での受賞作品がまず挙げられる。池田自身が代表作125点を自選した『池田満寿夫25年の歩み』(1981年、アートよみうり)も出版されている。 第2回東京国際版画ビエンナーレ展文部大臣賞の「女・動物たち」「女の肖像」「女」 第2回パリ青年ビエンナーレ展版画部門優秀賞の「月の祭」「大きな女」「女王」 第3回東京国際版画ビエンナーレ展東京都知事賞の「動物の婚礼」「夢の鳥」「花嫁の領地」 第4回東京国際版画ビエンナーレ展国立近代美術館賞の「夏1」「私は何も食べたくない」「化粧する女」 第1回クラクフ国際版画ビエンナーレ展入賞の「楽園に死す」「姉妹たち」「天使のいる風景」 ヴェネツィア・ビエンナーレ展版画部門国際大賞の「動物の婚礼」「庭を横切る昆虫」「金曜日は雨」「戸口へ急ぐ貴婦人たち」「天使の靴」「タエコの朝食」「サイズはサイズ」「化粧する女」「夏1」「夏2」「聖なる手1」「青い衣裳」「海のスカート」「ロマンチックな風景」「楽園に死す」「姉妹たち」「花園にて」「天使のいる風景」「ヴォーグから来た女」「夏の夢」「シンデレラの広告」「バラはバラ」「Spring and Springs」「青い椅子」「愛の瞬間」「Something1」「Something2」「ある種の関係」。 大賞受賞作28点のうち、「バラはバラ」など10点は自分のアトリエではなく、旅先のニューヨークのホテルなどで制作した。1965年、ニューヨーク近代美術館での個展のため、観光気分で渡米した際、池田はヴェネツィア・ビエンナーレ展の日本代表作家に選ばれた。しかし、旧作とともに、新作10点の出品を求められた池田は困惑した。池田は腐食に頼らない、ドライポイントとルーレットで急きょ制作を進め、現地の工房を借りて刷り上げた。旅先での不慣れな制作環境の中、チャンスを見事に生かした。 米国と日本を拠点とした制作活動では、メゾチント技法を多用する詩的な主題へ向かったが、突然に奔放なエロティシズムを打ち出し、転機となった。帰国後にドライポイントを再び手掛ける。また宗達や琳派の空間構成を意識した大作リトグラフやコンピュータ・グラフィックスの原画をもとにした版画を制作した。 第8回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展入賞の「靴の裏側」「ブダペストからの自画像」「マリリンの半分」 第3回クラクフ国際版画ビエンナーレ展入賞の「夢」 第17回アメリカ国内版画展入賞の「ファッション」
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版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 20:06 UTC 版)
※この「版画」の解説は、「残酷の4段階」の解説の一部です。
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版画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 03:57 UTC 版)
「ティツィアーノ・ヴェチェッリオ」の記事における「版画」の解説
ティツィアーノ自身は版画を制作することはなかったが、版画による大量印刷で多くの人の目に触れることが自身の評価を左右することには大きな関心を持っていた。1517年から1520年ごろに自身の絵画の木版デザインを多く手がけ、ドメニコ・カンパニョーラ(en:Domenico Campagnola) のような版画家たちと協力し、自身の絵画をもとにした版画を制作した。また、さらに後年になってからオランダ人版画家コルネリス・コート(1533年頃 - 1578年)がティツィアーノの作品をもとにした版画を制作している。クロアチア出身の芸術家マルティーノ・ロータ(en:Martino Rota)(1520年頃 - 1583年)も1558年から1568年に同様の版画を制作した。
※この「版画」の解説は、「ティツィアーノ・ヴェチェッリオ」の解説の一部です。
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「版画」の例文・使い方・用例・文例
- 木版画
- 彼女はその古い版画を8,000円で買いましょうと言った
- 量産を目的に作られた版画です。絵を描く人、木を彫る人、そして刷る人の共同作業によって作られました。
- これはニューヨークの街の風景のリノリウム版画だ。
- 農場の風景を描いたメゾチント版画
- 私は版画の種類の中でも、木口木版を主に制作しています。
- 私は版画の種類の中でも、木版を主に制作しています。
- 私はあなたの版画を飾って楽しんでいます
- 色刷り版画, 浮世絵; カラー写真.
- 台紙にはった石版画.
- 広重の版画.
- これらのさし絵は珍しい版画から複製したものである.
- 版画の中にはうまく複製できる[できない]ものがある.
- 珍しい日本の版画.
- 石版画を作成する行為
- スケッチまたは絵画または版画製作術
- 線画から得られる版画
- 石版印刷によって作られた版画
版画と同じ種類の言葉
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