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たいじ 1 【胎児】
人口統計学辞書 |
出典:国際連合 |
胎児
受胎 1は、精子 4による卵子 3の受精 2の結果であり、妊婦の妊娠状態 5あるいは妊娠期間 5の開始を指す。受胎の成果 6は妊娠経過と共に、順次、胚 7、胎児 7と呼ばれる。胚が胎児になる瞬間ははっきりとは決まっていない。一部の学者はそれを、子宮内の生命の12週目または3ヶ月目の最後と決めているが、受胎後8週目以後の生命の発達段階も胎児状態と呼ばれることが多い。卵着床 8とは子宮 9の内膜に卵子が着床することを指すが、この過程は受精後数日で起こる。
- 1. 受胎conception(名);受胎するconceive(動)。
- 2. 受精fertilization(名);受精するfertilize(動)。
人工受精artificial fertilization:人工授精artificial insemination、すなわち性交渉(性行為)(627-2)とは別の過程で達成された受精。 - 3. 受精卵は卵子eggまたは接合子(融合子)zygoteと呼ばれる。
- 5. 妊娠pregnancy(名);妊娠したpregnant(形):あるいはgravid, expectant。一部の学者は、妊娠は卵子着床(602-8)をもって始まると考える。
- 7. 胚embryo(名);胎生のembryonic(形);胎生学embryology(名):胚の発達を扱う学問。
胎児foetus, fetus(名);胎児のfoetal, fetal(形)(§411参照)。 - 9. 子宮uterus(名);子宮のuterine(形)。
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胎児
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/04 08:46 UTC 版)
胎児(たいじ、fetus)とは、生物学上は胎生の動物の母体の中で胚が器官原基の分化が完了してから出産までの成長中の子を指す。
ヒトの場合は、生物学、医学のみならず法律上の扱いも加わる。
目次 |
生物学における胎児
胎生の動物において、母親の体内で成長途上にある胚を獣医学では胎子(ただし俗には動物のばあいも胎児)という。ほ乳類の場合胎児は子宮の中で胎盤(たいばん)および臍帯(さいたい)でつながり酸素と栄養の供給を受け、老廃物と二酸化炭素の排出を母親に任せ成長し出生する。胎児は、母親の飲食物、能動喫煙、受動喫煙の影響を受ける。
医学における胎児
ヒトの産科医療では妊娠第8週目から胎児、それ以前は胎芽という。
法学における胎児
民法における胎児
詳細は「権利能力」を参照
詳細は「人の始期」を参照
民法などの私法関係における胎児の権利能力に関する法制には、一般に胎児について既に生まれたものとみなして権利能力を認める一般主義(ローマ法、スイス民法が採用)と、個々の権利関係に応じて権利能力を認める個別主義(フランス民法、ドイツ民法が採用)がある[1]。
日本の民法は個別主義を採用しており、人が原則として権利能力をもつのは出生してからであり(出生時期についての議論については人の始期を参照)、まだ出生していない胎児の段階では権利能力はもたないのを原則としつつ(民法3条1項)、胎児の権利の保護を考慮して以下の一定の場合について胎児を生まれたものとみなしてこれに権利能力を与えている。
- 胎児に権利能力が認められる場合
民法上の「生まれたものとみなす」という意味について、従来の判例[2]や通説的見解は、胎児には出生まで権利能力はないが、生存状態で生まれてきたことを条件(権利能力発生の停止条件)として、出生により生じた権利能力が問題の時点(相続の時点など)にまで遡って生じたものとして扱うという意味であると解する(法定停止条件説・人格遡及説)。したがって、胎児が流産や死産によって出生されなかった場合にはそもそも権利能力が生じることはなく、胎児には出生しない限り法定代理人は存在しえないことになる。
これに対し、胎児は出生に至らなくとも法律の認める範囲内で制限的な権利能力があり、胎児が生存状態で生まれてこなかったことを条件(権利能力消滅の解除条件)として、そこで生じていた権利能力が消滅したものとして扱われると解する有力説[3](法定解除条件説・制限人格説)もある。この見解は、法定代理により胎児の権利を主張する余地を認めることに特徴がある。登記実務については、法定解除条件説がとられている[4]。
不動産登記法における胎児
略語について
説明の便宜上、次のとおり略語を用いる。
- 登記法
- 不動産登記法(平成16年6月18日法律第123号)
- 登記令
- 不動産登記令(平成16年12月1日政令第379号)
- 登記規則
- 不動産登記規則(平成17年2月18日法務省令第18号)
- 記録例
- 不動産登記記録例(平成21年2月20日民二500号通達)
概要
上述のように、胎児は相続・遺贈を受ける権利を有し(民法886条1項・965条)、それらの登記を受けることもできる(明治31年10月19日民刑1406号回答)。ただし、相続登記においては法定相続分に基づく相続登記をすることができるのであって、遺産分割に基づく相続登記をすることはできない(昭和29年6月15日民甲1188号回答)。
また、胎児は相続放棄をすることはできない(昭和36年2月20日法曹会決議)が、胎児に相続分がない旨の特別受益証明書(民法903条参照)を添付して、相続を原因とする移転登記を申請することができる(登記研究660-203頁参照)。
更に、胎児を登記名義人とする遺贈による登記はすることができるが、死因贈与に基づく登記をすることはできない。民法に胎児が贈与を受けることができる旨の規定が存在しないからである。
登記手続きの流れ
まず、胎児を登記名義人とする相続又は遺贈を原因とする移転登記をする。ただし変更登記、根抵当権の場合は相続による移転登記後に、当事者の合意による変更登記をすることになる(民法398条の8第1項、登記法92条)。
その後、胎児が出生した場合、登記名義人表示変更登記をする(記録例602)。なお、胎児が双生児として出生した場合、更正登記をする(登記研究582-181頁)。死産だった場合、胎児が共有者として登記されていたなら更正登記をし(記録例240)、胎児の単独所有として登記されていたなら抹消登記をした後に次順位相続人名義での移転登記をする。
本稿では、相続に基づく移転登記・登記名義人表示変更登記・死産だった場合の更正登記及び抹消登記の登記申請情報への記載の例について説明する。
相続登記
登記の目的(登記令3条5号)は不動産が前所有者の単独所有であった場合、「登記の目的 所有権移転」とし(記録例191)、被相続人Aと他人の共有であった場合、「登記の目的 A持分全部移転」のように記載する(記録例188参照)。また、所有権以外の権利の相続の場合、例えば「登記の目的 1番質権移転」(記録例341参照)や「登記の目的 2番抵当権A持分移転」(記録例380参照)のように記載する。
登記原因及びその日付(登記令3条6号)は被相続人の死亡の日を日付として「原因 平成何年何月何日相続」とする(記録例191)。
登記申請人(登記令3条1号)については、登記権利者による単独申請である(登記法63条2項)。胎児については、未成年者の法定代理人の規定が類推適用され、母が登記申請をする(昭和29年6月15日民甲1188号回答)。その記載方法は以下のとおりである。
不動産の所有権の移転の場合(被相続人 A)のように記載し、その下に相続人の住所及び氏名を記載する(法務局、法定相続の申請書の書式、別紙1参照)。胎児の住所は母の住所を記載し、氏名は「亡A妻B胎児」のように記載する(明治31年10月19日民刑1406号回答)。ただし、被相続人が認知をした非嫡出子であって、婚姻による準正が発生していない場合、「B胎児」のように記載する(登記研究591-213頁参照)。母と胎児の共有名義に移転登記をする場合の記載の例は以下のとおりである。
なお、所有権以外の権利の相続の場合、「相続人」の箇所を「抵当権者」や「根抵当権者」のように記載するのが実務の慣行である(書式解説2-810頁)。
添付情報(登記規則34条1項6号、一部)は登記原因証明情報(登記法61条・登記令7条1項5号ロ)である。所有権の移転登記の場合、住所証明情報(登記令別表30項添付情報ロ)も添付する。胎児の住所証明情報は、母親のものでよい。
登記原因証明情報については、所有権移転登記#登記原因証明情報に関する論点を参照。所有権以外の権利の移転の場合でも論点は同じである。なお、懐胎を証する書面は不要であるという先例がある(明治31年10月19日民刑1406号回答)が、新不動産登記法下においては、権利に関する登記を申請する場合には原則として登記原因を証する情報の提供が要求され(登記法61条)、厳密に証明を要求されていることから、医師の診断書又は母の上申書を登記原因証明情報の一部として添付しなければならないとする見解がある(一発即答36頁)。
登録免許税(登記規則189条1項前段)は所有権の移転の場合、不動産の価額の1,000分の4である(登録免許税法別表第1-1(2)イ)。用益物権・賃借権・採石権の移転の場合、不動産の価額の1,000分の2であり(同第1-1(3)ロ)、担保物権の移転の場合、債権金額又は極度金額の1,000分の1である(同第1-1(6)イ)。仮登記の移転登記(当該移転登記は仮登記でされる。登記研究603-73頁参照)の場合、元の仮登記が所有権なら不動産の価額の1,000分の2であり(登録免許税法別表第1-1(12)ロ(1))、用益物権・賃借権・採石権なら不動産の価額の1,000分の1であり(同第1-1(12)ハ(2))、担保物権なら不動産1個につき1,000円である(同第1-1(12)ヘ)。なお、端数処理など算出方法の通則については不動産登記#登録免許税を参照。
登記名義人表示変更登記
登記の目的(登記令3条5号)は「登記の目的 3番所有権登記名義人住所、氏名変更」のように記載する(記録例602)。
登記原因及びその日付(登記令3条6号)は胎児が出生した日を日付として「原因 平成何年何月何日出生」のように記載する(記録例602)。
変更後の事項(登記令別表23項申請情報)は「変更後の事項 氏名住所 何市何町何番地 C」のように記載する(記録例601参照)。胎児が共有者だった場合、「変更後の事項 共有者 亡A妻B胎児の氏名住所 何市何町何番地 D」のように記載する(記録例602参照)。
登記申請人(登記令3条1号)については、登記名義人による単独申請である(登記法64条1項)。出生した子については、母親が法定代理人として登記申請をする。
添付情報(登記規則34条1項6号、一部)は登記原因証明情報(登記法61条・登記令7条1項5号ロ)及び代理権限証明情報(登記令7条1項2号)である。
登記原因証明情報は、氏名を示す戸籍謄本等と、住所を示す住民票の写し等である。代理権限証明情報は、母親が子の法定代理人であることを証する情報(戸籍謄本等)である。
登録免許税(登記規則189条1項前段)は不動産1個につき1,000円を納付する(登録免許税法別表第1-1(14))。
更正登記
登記の目的(登記令3条5号)は「登記の目的 3番所有権更正」のように記載する(記録例240)。
登記原因及びその日付(登記令3条6号)は「原因 錯誤」と記載し、日付を記載する必要はない(記録例240)。
更正後の事項(登記令別表23項申請情報)は例えば相続人が胎児と妻Bだった場合、「更正後の事項 所有者 何市何町何番地 B」のように記載する(記録例236参照)。なお、所有権以外の権利を更正する場合、「所有者」の箇所を「抵当権者」や「根抵当権者」のように記載するのが実務の慣行である。
登記申請人(登記令3条1号)は胎児以外の相続人を登記権利者とし、「亡A妻B胎児」又は「B胎児」を登記義務者として記載する。
添付情報(登記規則34条1項6号、一部)は登記原因証明情報(登記法61条・登記令7条1項5号ロ)、登記義務者の登記識別情報(不動産登記法22条本文)又は登記済証である。
所有権の更正登記の場合、書面申請のときには印鑑証明書(登記令16条2項・登記規則48条1項5号及び同規則47条3号イ(1)、同令18条2項・同規則49条2項4号及び同規則48条1項5号並びに同規則47条3号イ(1))を添付する。所有権以外の権利に関する更正登記の場合でも、登記義務者が登記識別情報を提供できない場合には添付しなければならない(登記規則47条3号ハ参照)。この印鑑証明書は、母親のものでよい。
登録免許税(登記規則189条1項前段)は不動産1個につき1,000円を納付する(登録免許税法別表第1-1(14))。
抹消登記
登記の目的(登記令3条5号)は「登記の目的 3番所有権抹消」(記録例247参照)や「1番付記1号抵当権移転抹消」のように記載する。
登記原因及びその日付(登記令3条6号)は「原因 錯誤」と記載する。日付を記載する必要はない(記録例248参照)。
登記申請人(登記令3条1号)は前の登記名義人である被相続人を登記権利者とし、「亡A妻B胎児」又は「B胎児」を登記義務者として記載する。
添付情報(登記規則34条1項6号、一部)は登記原因証明情報(登記法61条・登記令7条1項5号ロ)、登記義務者の登記識別情報(登記法22条本文)又は登記済証である。
所有権の抹消登記(所有権抹消登記)の場合、書面申請のときには印鑑証明書(登記令16条2項・登記規則48条1項5号及び同規則47条3号イ(1)、同令18条2項・同規則49条2項4号及び同規則48条1項5号並びに同規則47条3号イ(1))を添付する。所有権以外の権利に関する抹消登記の場合でも、登記義務者が登記識別情報を提供できない場合には添付しなければならない(登記規則47条3号ハ参照)。この印鑑証明書は、母親のものでよい。
登録免許税(登記規則189条1項前段)は不動産1個につき1,000円を納付するが、同一の申請書で20個以上の不動産につき抹消登記を申請する場合は2万円である(登録免許税法別表第1-1(15))。
刑法における胎児
詳細は「人の始期」を参照
詳細は「堕胎罪」を参照
詳細は「人工妊娠中絶」を参照
堕胎とは、胎児の生命・身体を犯すとともに、母体の健康をも犯すものである。胎児の生命の保護に関する法的措置については、それぞれの国の人口政策や宗教的、文化的背景などにより異なる。以下では日本のものを紹介する。
胎児を自然の分娩期に先立ち人為的に母体外に排出し、又は胎児を母体内で殺害する罪として堕胎罪がある(刑法212条~216条)。
刑法においては、胎児が母体から一部露出した場合にこれを殺害した場合、堕胎罪ではなく殺人罪であるとされている。刑法的な取り扱いにおいては、人の始期について全部露出説ではなく一部露出説が採用されていることからの帰結である。
母体保護法における胎児
刑法214条では、医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、3月以上5年以下の懲役に処せられるが、母体保護法14条に規定されている事由があるときは、人工妊娠中絶としての堕胎が許されることになっており、この場合、刑法の規定は適用されないことになる。
- 母体保護法14条
なお、母体保護法における人工妊娠中絶の対象要件は母体の生命・健康に限定され、先天的な異常など胎児に関するものは認められていないが、母体保護法14条1項1号の規定が、「先天的異常児の育成・扶養」=「家計の圧迫」=「経済的理由」と解釈され、母体保護法に基づく合法な妊娠中絶手術が行われているという指摘もある[要出典]。
死亡した胎児の扱い
詳細は「死産」を参照
妊娠満12週以降における死児(死亡した胎児)の出産を死産といい、人工妊娠中絶による場合もこれに含まれる。死産の届出は原則として父母が7日以内に市町村長に届け出る義務を負う。死産の場合、医師又は助産師は死産証書又は死胎検案書を作成する義務がある(死産の届出に関する規程)。
妊娠満12週未満で中絶された胎児(中絶胎児)の遺体の廃棄については、特に法律的な規制はなく一般廃棄物として処理される場合が多い。中絶胎児であっても、中絶する以前は生命の宿っていたものであり、生命倫理の観点から、妊娠満12週未満の中絶胎児の取扱いについて検討がなされている[要出典]。
- 1 胎児の概要
- 2 参考文献
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