カラー写真とは? わかりやすく解説

カラー写真

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 19:34 UTC 版)

写真」の記事における「カラー写真」の解説

カラー写真は1800年代アレクサンドル・エドモン・ベクレルらにより開発始まった初期カラー実験では像を定着させることができず、さらに退色やすかった初期の高耐光性のカラー写真は1861年物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルによって撮影された。彼は3原色フィルター1枚ずつかけて3回タータンリボン写真撮影し3原色中1色のフィルターをかけた3つのスライドプロジェクタ画像投影してスクリーン上で合成することにより、撮影時の色を再現することに成功した。しかし、赤色再現問題があったうえ(画像では紫を帯びている)、この試み1890年代になるまで忘れられしまっていた。 マクスウェル手法確立した初期のカラー写真は、それぞれ異なるカラーフィルターレンズを前面持った3つのカメラを使うものであった。この技法暗室画像処理工程3系統の処理設備を必要とし、カラー用の印画紙がまだなかったため観賞スライドで見るのにとどまり実用化までにはいかなかった。当時必要な色に対す適当な感度を持つ乳剤知られておらずカラーフィルム製造することができなかったため、ロシア写真家セルゲイ・プロクジン=ゴルスキー3枚のカラー写真乾板連続して素早く撮影する技法開発した1868年フランスのルイ・デュコ・デュ・オーロンはカーボンプリントに減法混合用いることにより初めてカラー写真を紙に定着させることに成功した。この原理は現在も印刷技術用いられている。 1873年ドイツ化学者ヘルマン・ヴィルヘルム・フォーゲルによりついに赤と緑に適当な感度を持つ乳剤開発されカラーフィルムへの道が開けた1891年ルクセンブルクガブリエル・リップマンは3色干渉によるカラー写真を開発し、この功績により1908年ノーベル物理学賞受賞した。この技術実用化こそされなかったものの、現在ではホログラフ応用されている。 1904年フランスリュミエール兄弟によって最初カラー乾板である「オートクローム」が発明され市場現れた。これは染色したジャガイモデンプン作られスクリーンフィルター基づいたもので、ドイツアグフア(のちのアグフア・ゲバルト)が1916年染色したアラビアゴム細粒作られフィルター使用する「アグフア・ファルベン・プラッテン」を発明するまでは市場における唯一のカラー乾板だった。 1930年アメリカ合衆国ジョージ・イーストマン100万ドル賞金をかけてカラー写真の簡易方法募集した音楽家レオポルド・D・マンネス(英語版)とレオポルド・ゴドフスキー・ジュニア(英語版)は、多層乳剤方式カラーフィルム考案し応募してコダック入社同社研究陣と協力して1935年最初近代的なカラーフィルムである「コダクローム」を発売したコダック当初コダクロームを「神と人により創られた」と宣伝していた。日本最初カラーフィルム1940年小西六写真工業(現・コニカミノルタホールディングス)が発表したコダクロームと同方式の「さくら天然色フヰルム」であり、続いて富士写真フィルムも「富士発色フィルム」を公表している。 1936年にはアグフアの「アグフアカラーノイ」が追従した。アグファカラーノイはIG・ファルベンインドゥストリーにより開発され発色剤乳剤層に含有させたもので、発色現像1回完結されるなどフィルムの処理が大幅に簡略化されていた。コダクロームを除くほとんどの近代的カラーフィルムは、アグフアカラーノイの技術基づいている。 インスタントカラーフィルムは1963年ポラロイドから発売された。 カラー写真は、スライドプロジェクタで使うための陽画透過フィルムとして像を撮ることも、陽画焼きつけ作るためのカラー陰画作るともできる自動プリント機器登場によって、現在では後者がもっと大衆的なフィルムである。

※この「カラー写真」の解説は、「写真」の解説の一部です。
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