妖精 絵に描かれた妖精

妖精

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/01 10:15 UTC 版)

絵に描かれた妖精

『Lily Fairy』,ルイス・リカルド・ファレーロ画, 1888年

妖精の絵は古くからあったが、アイルランドの伝説・神話に基づく絵と、ウィリアム・シェイクスピアの『真夏の夜の夢』に出てくる妖精王オーベロンと女王ティターニアの絵などが代表的なものであった。19世紀には多くの妖精画を描く画家が輩出した。

妖精の研究家としても知られる作家アーサー・コナン・ドイルの伯父リチャード・ドイルガートルード・トムソン英語版アーサー・ラッカムなどが、妖精画で著名である。それらの妖精画は、神秘さと美しさ、不気味さとグロテスクさが伴っていた。多くの妖精は背中に半透明な羽根が生えた姿で描かれていた。ゴブリンやドワーフなどは、その不気味さが強調されてもいた。絵本作家として有名なケイト・グリーナウェイも妖精画を描いた。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では庭小人という庭の害虫(英原書では Gnome ノーム)として登場する。

妖精画の伝統のなかにあって、20世紀初頭のシシリー・メアリー・バーカーの「花の妖精」は、独特な位置を占めている。バーカーの花の妖精には、神秘性や伝説的な不気味さなどはなく、ロマンティックで愛らしい子供や少年・少女の姿になっている。20世紀にはバーカー以外にも、また多数の妖精画家が出現した。リーン・ポールトフリート、アラン・リー、ジョン・ギルバートなどが知られる。


  1. ^ a b c 井村 (1998) [要ページ番号]
  2. ^ a b Katharine Briggs, A Dictionary of Fairies, Allen Lane 1976 (Route Ledge 2003)
  3. ^ a b M. bragg, J. Wood, et al., (2006年5月11日). “Fairies”. BBC radio 4, In Our Time Archive: Culture. BBC. 2015年11月15日閲覧。
  4. ^ ブレードニヒ 1989, p. 272-276.
  5. ^ ブリッグズ,井村訳 (1996) [要ページ番号]
  6. ^ ブリッグズ,平野ほか訳 (1992) [要ページ番号]
  7. ^ デュボア,鈴木訳 (2000) [要ページ番号]
  8. ^ デュボア,つじ訳 (2000) [要ページ番号]
  9. ^ デュボア,つじ訳 (2001) [要ページ番号]
  10. ^ デュボア,つじ訳 (2002) [要ページ番号]
  11. ^ フィリップ・ヴァルテール『ユーラシアの女性神話-ユーラシア神話試論Ⅱ』(渡邉浩司・渡邉裕美子訳)中央大学出版部 2021年、ISBN 978-4-8057-5183-1、133-163頁(第3部 異界にある女神の住処)、著者自身による要約は6頁。


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