信用取引 日本の信用取引銘柄

信用取引

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 21:29 UTC 版)

日本の信用取引銘柄

国により事情は異なるが、日本の場合、信用取引は全ての上場銘柄について可能なわけではなく、特に空売りができる銘柄はごく一部のものに限られている。また、信用取引には取引制度の違いにより、制度信用取引と一般信用取引との2種類があり、それぞれに取引可能な銘柄が定められている。

制度信用取引

制度信用取引は、証券取引所が一定の基準で選択した銘柄のみを扱い、金利(または貸株料)や弁済期限も一律に定められている。制度信用取引は、信用取引のために株や資金の貸出しを専門に行っている証券金融会社より、証券会社が株や資金を借入れて、投資家の注文を処理する仕組みとなっている。

ただし、株の貸出しに関しては制度信用取引の銘柄全てについて行われているのではなく、基準を満たした一部の銘柄に限られている。一般に制度信用取引が可能な銘柄を制度信用銘柄、貸株が認められ空売り可能な銘柄[6]を貸借銘柄と呼んでいる。

一般信用取引

対する一般信用取引は、各証券会社が自己の裁量で自由に設定することが認められたもので、概して返済期限が制度信用取引のそれ(買い/売りともに6ヶ月)に比べて長め(3年、無期限など)に設定される。金利や貸株料も制度信用取引と同等か若干高めの設定となっている。対象銘柄も当該証券会社が定めたものとなるが、信用買いについては制度信用取引銘柄でない銘柄を含め全銘柄が対象となっていることが多い。一方、信用売りについては扱っていない証券会社が多く、扱っている証券会社も取扱対象は限定的な銘柄にとどまっている。

追加保証金

追加保証金は略して追証(おいしょう、: margin call)とも呼ばれる。

追加保証金とは、委託保証金率が最低保証金維持率(20%)を下回ったときに、追加の保証金を入金することを言う[7]

なおデリバティブ取引の追加証拠金も「追証」と略す。

委託保証金率

  • 委託保証金率 = 実質保証金 ÷ 建代金合計 × 100
    • 信用取引の担保 = 委託保証金現金 + 代用有価証券の評価額
    • 実質保証金 = 信用取引の担保 - (評価損 + 決算損 + 諸経費)

注意点

信用取引で株や資金を借りた際には、貸株料や金利が毎日発生する[8][9]。また、権利確定日をまたいで売り建てている場合は配当金に相当する金額を支払わねばならない。この金額は配当落調整金と呼ばれ、買い建てている者に支払われる。

信用取引では、自己資金以上の取引が可能なため、不用意に大きな取引を行ってしまい、予測が外れて借りていた株式や株式の購入資金を、定められた日までに返済できなくなる事態に陥ることもある。

過去には、このような信用取引の危険に対して利用に大きな制約を課してきたが、近年[いつ?]になり委託保証金の最低額を少なくしたり、審査の簡易化などが行われ、利用者が増加傾向にある。なお、このような傾向は投資家の利便性を高めることに繋がっているが、必ずしも投資家本位の改革ではなく、証券会社の収益源確保の必要性から進められている側面がある。

買い方、売り方共に、30日以上建て玉を維持している場合、1株当たり10銭の信用取引管理費が発生し、 また、信用買いをしている場合で、決算期末や増資の割当日などを越えて建玉を保持している場合は、1単元あたり50円(税別)の名義書換料が発生する。

2018年11月現在、日本のPTS市場では信用取引を行うことはできない[10][11][12]

アメリカの取引所では私設取引所でも可能である。


  1. ^ 証券会社より「配当調整金」として配当金相当の金額を受け取る。
  2. ^ 買い方の借入の金利は受渡日ベースでの両端入れ計算。
  3. ^ 利息計算の民法第140条本文の初日不算入問題については、最高裁昭和33年6月6日判決民集12巻9号1373頁で初日算入が認められている。
  4. ^ 売り方が支払う貸株料は受渡日ベースでの両端入れ計算
  5. ^ 受渡日ベースで初日不算入の片端入れの計算
  6. ^ 見分け方として、新聞の証券欄で社名(銘柄)の左側に「●」(黒い丸印)が付いている。
  7. ^ 追証はなぜ支払わなければならない? 信用取引と保証金の仕組みZUUオンライン 2018年5月1日
  8. ^ いずれも、受渡日ベースでの両端入れでの計算
  9. ^ 最高裁昭和33年6月6日判決民集12巻9号1373頁参照
  10. ^ 株の信用取引、夜間も 17年にも証取外で解禁  金融庁検討日経電子版 2016年8月26日1:12配信 2017年1月24日確認)
  11. ^ 第2回「東京国際金融センターの推進に関する懇談会」議事次第”. 日本証券業協会. 2015年1月15日閲覧。
  12. ^ PTS における信用取引の解禁 金融審市場WG報告大和総研 金融調査部 主任研究員 横山淳著 2017年1月26日公開) 2017年1月27日閲覧


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