信用取引 信用買い

信用取引

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 21:29 UTC 版)

信用買い

信用買いを行う際の大まかな流れは以下のとおりである。

  1. 投資家は証券会社よりその資金を借り入れて株式を買い付ける。
  2. 買い付けた株式は証券会社が保管する。
  3. 定められた期日内にこの株式の売り付け又は、代金を支払い現物で引き取ることを行う。
  4. 買い付け時と売り付け時の代金の差額を受け取る、または支払う。
  • 株式買い付け時より株価が上昇すれば、上限なく利益となる。
  • 株価が下がり倒産等により無価値となった場合、損失は最大となる。

信用取引で売買した株式は名義の書き換えを行うことはできず、配当金および株主優待を受け取ることもできない[1]。投資家は証券会社に対して売買の手数料のほか、借り入れた資金の金利分を支払う[2][3]

なお、「空買い」の呼称もあるが、一般的ではない。

信用売り

流れ

信用売りを行う際の大まかな流れは以下のとおりである。

  1. 投資家は証券会社より株式を借り入れ、それを市場で売却する(空売りの呼称が一般的。ハタ売りとも)。
  2. 売却代金は証券会社が管理する。
  3. 定められた期日内に同じ銘柄の株式の買い付けを行う。
  4. 売却時と買い付け時の代金の差額を受け取る、または支払う。
  • 株式売却時より株価が下がれば利益が得られる。また、 倒産等によって株式が無価値となった際に最大の利益となる。
  • 反対に株価が上昇した場合には損失となり、その限度がない。

売却と買い付けが配当権利日を跨いだ場合は、配当金に相当する額を証券会社に支払わなければならない。

逆日歩とは

投資家は売買の手数料のほか、株式を借りたことによる貸株料を支払う[4]

これに加え、借り入れようとする株式が少なく、調達にコストがかかるときがあり、この場合には「逆日歩(ぎゃくひぶ)」としてさらに費用を支払う[5]

ただし、売却時の代金を証券会社に預けることになるので、これに対しては金利(日歩)を受け取ることができる。

又、先物取引は、理論的には物理的に不可能な取組高の全量の受けの要求など受渡しの不安要素を除けば、差金決済が前提のため、理論上、無限の取組高が可能なのに対し、発行株式数に限りがあるため、受渡しの観点から現物株が背景の信用売りには一定の限度がある。

信用売買の決済方法

上記のように、通常の信用取引では、反対売買(買いの場合は売却、売りの場合は買い付け)により決済しその差金を遣り取りするが、それ以外に、買いの場合に借り入れた金額を現金で差し入れて当該株式を取得したり(現引き・品受、しなうけ)、売りの場合で借り入れた株式を別途現物買いし、これを差し入れ(現渡し・品渡、しなわたし)るといった現物決済が行われることもある。又、信用取引と現物取引の区別はされているが、金銭消費貸借契約や株式消費貸借契約の部分を除けば実態は信用取引と現物取引は、同一市場で、取引されていて、清算機関にて現金と株式で決済されているから、そういう意味では同じことになる。


  1. ^ 証券会社より「配当調整金」として配当金相当の金額を受け取る。
  2. ^ 買い方の借入の金利は受渡日ベースでの両端入れ計算。
  3. ^ 利息計算の民法第140条本文の初日不算入問題については、最高裁昭和33年6月6日判決民集12巻9号1373頁で初日算入が認められている。
  4. ^ 売り方が支払う貸株料は受渡日ベースでの両端入れ計算
  5. ^ 受渡日ベースで初日不算入の片端入れの計算
  6. ^ 見分け方として、新聞の証券欄で社名(銘柄)の左側に「●」(黒い丸印)が付いている。
  7. ^ 追証はなぜ支払わなければならない? 信用取引と保証金の仕組みZUUオンライン 2018年5月1日
  8. ^ いずれも、受渡日ベースでの両端入れでの計算
  9. ^ 最高裁昭和33年6月6日判決民集12巻9号1373頁参照
  10. ^ 株の信用取引、夜間も 17年にも証取外で解禁  金融庁検討日経電子版 2016年8月26日1:12配信 2017年1月24日確認)
  11. ^ 第2回「東京国際金融センターの推進に関する懇談会」議事次第”. 日本証券業協会. 2015年1月15日閲覧。
  12. ^ PTS における信用取引の解禁 金融審市場WG報告大和総研 金融調査部 主任研究員 横山淳著 2017年1月26日公開) 2017年1月27日閲覧







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