ヨウサイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/07 04:24 UTC 版)
利用
食用
β-カロテンが豊富な緑黄色野菜で、食材としての旬は6 - 8月とされ、茎や葉は瑞々しくて茎に丸みがあり切り口が綺麗なものが市場価値の高い良品とされる[6]。風味は個性的で少しクセがある[4]。茎葉を主に炒め物、または中華風のおひたし(タン[燙]青菜)として、中国、台湾やフィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアなどの東南アジアで用いる。茎が空洞で火の通りも早く、シャキシャキした歯ごたえが炒め物に向いている[4]。中国南部ではよく食べられておりニンニク炒めにするのが一般的で[18]、ナンプラーなどの魚醤や豆豉で味付けして炒めたりすることが多い。調味料はシュリンプペーストやオイスターソースなども使われ[4]、味付けによって中華風やタイ料理風にもなる[6]。さっと茹でてマヨネーズ和えにしてもおいしく食べられ[6]、スープの具にも使える[13]。
オーストラリアの先住民族アボリジニの間ではブッシュ・タッカーとして古くから消費されてきた。
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ヨウサイの炒め物
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ヨウサイの入ったヌードル
水質浄化
成長過程で窒素やリンを水からたくさん吸収するため水質浄化作用があるといわれており、岐阜県の阿木川ダムなどで栽培されている[20]。
栄養価
100グラム (g) あたりの熱量は17キロカロリー (kcal) ほどある[4]。栄養価などホウレンソウと比較されることが多く、β-カロテンはホウレンソウの約4 - 5倍、カルシウムは約4倍、ビタミンB1とビタミンCは約2倍ほど含んでいる[4][6]。ポリフェノールや鉄分も豊富で、疲労回復や貧血予防にも役立つといわれている[4][6]。ただしホウレンソウとは違い、難溶性のシュウ酸カルシウムを多く含んでおり、えぐ味(シュウ酸味)を感じる原因となっている。シュウ酸カルシウムの毒性については経口データはないが、劇物のシュウ酸塩として、飲み込むと有害であると考えられるので区分4[21]に分類されている[22]。シュウ酸カルシウムは尿道結石の原因にはならないが、食べ過ぎに注意することが必要である。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ipomoea aquatica Forssk. ヨウサイ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年10月22日閲覧。
- ^ a b c d e f 板木利隆 2020, p. 338.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 農文協編 2004, p. 31.
- ^ a b c d e f g 主婦の友社編 2011, p. 242.
- ^ [(商品名)「空芯菜」第4343207号。1999年12月10日登録]
- ^ a b c d e f g h i 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 21.
- ^ 第4372141号。2000年3月31日登録。
- ^ 第4512839号。2001年10月12日登録。
- ^ 「[1]阿木川ダム水質浄化実験」恵那農業高校 環境科学科
- ^ 「[2]名古屋市堀川にて水質浄化実験」
- ^ a b c d e f g h i 農文協編 2004, p. 33.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 農文協編 2004, p. 32.
- ^ a b c d e f 金子美登・野口勲監修 成美堂出版編集部編 2011, p. 140.
- ^ a b c d 金子美登・野口勲監修 成美堂出版編集部編 2011, p. 141.
- ^ a b 板木利隆 2020, p. 340.
- ^ 板木利隆 2020, p. 339.
- ^ 月刊現代農業2014年11月号に掲載
- ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 98.
- ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 59.
- ^ “水辺で育つ空芯菜で体に栄養、きれいな環境”. 名古屋市上下水道局. 2020年2月4日閲覧。
- ^ [3]厚生労働省:急性毒性(経口)の区分
- ^ [4]安全データシート:しゅう酸カルシウム一水和物
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