ミシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/31 22:46 UTC 版)
足踏みミシン
足踏み式ミシンとは、人の足先の上下反復運動を回転運動へと変換する仕組みのもので、踏板・ピットマン棒・ピットマンクランクなどの機構を持つミシンである(フットスイッチでオン・オフする電動ミシンは足踏み式ミシンではない。)。1960年代までは足踏み式ミシンがミシンの主流であった。
電動式ミシンの登場によって次第に使われなくなっていったが、熟練者は足先の微妙な感覚でクランクの細かい角度、停止位置をコントロールし、針を望んだ位置で停められるため、好んで使われることはある。
家庭用ミシン
家庭の部屋に置け、現代のものは通常、電気を動力源としている。古くは足踏み式や手回し式のものが多く使われ、直線縫いしか出来なかった。電気式のものは足元のフットコントローラーあるいは手元のパネルを用いて調節しながら駆動する。
家庭用ミシンは直線縫いの他に、多種類の模様縫いやボタン穴かがり、刺繍などのできる機能もある。模様縫いは、かつては「カム交換式」であったが、現在は「カム内蔵式(ダイヤルで切り換え)」か「コンピューター式(ボタンで選択)」となっている。最近のものは、一般に持ち運びでき、水平釜で自動糸調子や自動糸切り機能を搭載しているものも多く、使い勝手を中心に改良されている。ミシンを使うハードルが下がってきて、誰でも簡単に使えるようになってきた。
縫い速度はそれほど速くない(最高約700〜1000針/分)。
職業用ミシン
仕立て屋やミシンの使用頻度の高い個人向けの直線縫い専用ミシン。工業用ほどは巨大ではなく、特に最近のポータブル型職業用ミシンは軽金属を用い、持ち運びも出来るようになった。家庭用で使われる2倍程度の速度(最高約1500針/分)で縫う事が出来、直線しか縫えないので構造が比較的簡単で、その分故障も発生しにくい。工業用ミシンほどではないが、各種業務にも使われるので高精度のミシン製造・金属加工技術が要求され、直線縫いだけにもかかわらず比較的高価である。また、豊富な工業用アタッチメントの一部や工業用ミシン針が利用出来る。ジーンズなどの厚物でも、家庭用ミシンより綺麗に縫製出来る。
過去にはジグザグミシンもあった。
注釈
出典
- ^ a b 広辞苑第六版「ミシン」新村出 2008。
- ^ a b c d 意匠分類定義カード(K5) (PDF) 特許庁
- ^ マシンがなぜミシンか? エッセイ《英語と日本語のふしぎな関係》(11) 山川学而
- ^ (魚住清記 1916)
- ^ (吉田元 1965)
- ^ 落合直文著・芳賀矢一改修 「みしん」『言泉:日本大辞典』第五巻、大倉書店、1928年、4434頁。
- ^ 『言海 : 日本辞書. 第1-4冊』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 「日本の輸出産業4 ミシン」、昭和32年2月1日官報(資料版第9029号)。
- ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、50ページ
- ^ ミシン大手の上工申貝、ドイツの同業パフを買収 日本貿易振興機構、2013年3月25日配信。
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