カールグスタフ (無反動砲) カールグスタフ (無反動砲)の概要

カールグスタフ (無反動砲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 14:53 UTC 版)

カールグスタフ 84mm無反動砲
カールグスタフ M4
カールグスタフ 84mm無反動砲
種類 無反動砲
製造国  スウェーデン
設計・製造 サーブ・ボフォース・ダイナミクス
仕様
口径 84mm
使用弾薬 84x246mmR 起縁式固定薬莢方式
装弾数 1発
作動方式 クルップ式後方噴射型無反動砲
全長 1,130mm (M2)
1,064mm (M3)
990mm (M4)
重量 14.2kg (M2)
10kg (M3)
6.8kg (M4)
発射速度 6発/分
銃口初速 秒速230~255m
有効射程 700m(成形炸薬弾)
1,000m(榴弾)
2,500m (レーザー誘導弾)
コストユニット $20,000
歴史 
設計年 1946年
配備期間 1948年~現在
配備先 採用国を参照
バリエーション M1 (1946年)
M2 (1964年)
M3 (1986年)
M4 (2014年)
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名称の“カールグスタフ”は、生産に関わったCarl Gustafs stads gevärsfaktoriスウェーデン語版)(英語版の名前に由来する[注釈 2]。現在はSAAB社が旧ボフォース社を買収して生まれたSAAB・ボフォース・ダイナミクス社が製造・販売している。

日本陸上自衛隊ではカールグスタフM2を84mm無反動砲(84RR)として、カールグスタフM3を84mm無反動砲(B)として採用している。


注釈

  1. ^ "Granatgevär"とはスウェーデン語で“擲弾銃(擲弾発射筒)”を意味する。
  2. ^ つまりは製造メーカー名に因むものであり、本砲の他にも“カールグスタフ”の通称および正式名称を持つスウェーデン製の兵器は多種類が存在する。
  3. ^ Ch・D・バーニー准男爵、“バーニー砲”の名で知られる独自機構の無反動砲の設計・開発で著名。
    バーニー卿は無反動砲に関する自身の理論を本銃の開発で実証した後、その結果を基に作動形式・構造を発展・改良させ、本国イギリスで“バーニー砲(Burney Gun)”の名で呼ばれる各種の無反動砲を開発した。
  4. ^ ただし、パンツァーシュレックは「携帯式対戦車ロケット弾発射筒」であり、本砲のような無反動砲ではない。
  5. ^ M2-550は射撃精度が大幅に向上したが、「標準的な交戦距離からして過剰な装備である」「高価で複雑なため野戦での運用に難がある」と実用面からはそれほど評判は芳しくなく、FFV550は重くかさばるものであったため「本砲のメリットである簡便性を損っている」として開発側が予想したほどの需要がなく、1990年代にM3型が開発されるとメーカーのラインナップから削除された。
  6. ^ これにより大幅な軽量化が達成されたが、砲身命数(砲身寿命)は低下している(ただし、1993年に行われたアメリカ陸軍の研究所による耐久テストでは2,380発までの耐用年数があり、メーカーの保証値の4.5倍の実用命数があるとされている)。
  7. ^ この新型砲身の命数は1,000発とされている。
  8. ^ FFV597は分離装薬式で、砲尾から装薬(発射薬)が充填された薬莢を、砲口から外装式の弾頭を、それぞれ別個に装填する必要があった。このため、迅速な射撃準備と連続発射が困難だった。

出典

  1. ^ 井上孝司 (2017年6月3日). “軍事とIT 第195回 特別編・カール・グスタフ無反動砲”. マイナビニュース. https://news.mynavi.jp/article/military_it-195/ 2019年9月23日閲覧。 
  2. ^ Marius Zgureanu (2017年7月7日). “Super-munitii pentru Karl Gustav” (ルーマニア語). Romania Military. 2019年9月25日閲覧。
  3. ^ a b 毒島刀也『陸上自衛隊「装備」のすべて』 ソフトバンククリエイティブ、2012年、ISBN 978-4-7973-5807-0、pp.54-55
  4. ^ 奈良原裕也、「ソ連戦車の脅威に対応!「高精度・大威力化」」『軍事研究』(株)ジャパン・ミリタリーレビュー、2017年5月号、196-206頁、ISSN 0533-6716
  5. ^ SAAB社プレスリリース”. 2023年10月21日閲覧。
  6. ^ 令和5年度 月別契約情報/随意契約(基準以上)2023年10月10日契約、防衛装備庁。2024年1月27日閲覧。
  7. ^ 清谷信一 (2024年1月25日). “「旧式」装備を大人買いする防衛省の無責任さ 無反動砲に見る「ずさんな装備調達」の実態”. 東洋経済オンライン. 2024年1月27日閲覧。
  8. ^ 防衛省・自衛隊:予算の概要”. www.mod.go.jp. 2022年9月19日閲覧。
  9. ^ 契約に係る情報の公表(中央調達分)防衛装備庁。2024年1月27日閲覧。


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