日本におけるカールグスタフ無反動砲
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「カールグスタフ (無反動砲)」の記事における「日本におけるカールグスタフ無反動砲」の解説
日本の陸上自衛隊では、カールグスタフM2を84mm無反動砲として採用しており、“84RR(Recoilless Rifle)”の略号で呼ばれる。部隊では通称として「ハチヨン」や単に「無反動」などと呼称されている。 通常は普通科小銃小隊1個班に1門を装備している。本装備を使用する隊員は小銃ではなく9mm拳銃を携帯し、予備弾運搬手が随伴する。使用可能弾種は榴弾、対戦車榴弾、照明弾、発煙弾の4種類があり、通常の砲弾以外に7.62mmNATO弾を使用できる訓練用アタッチメント(筒内砲)がある。これは砲身内に砲弾の代わりに装填して空砲などを発射できるもので、演習で実弾のかわりに使用する。 それまで使用していた89mmロケットランチャー(バズーカ)に代わる歩兵携行用対戦車兵器として、1978年度予算の85門を端緒として調達を開始した。当初は輸入による調達であったが、1984年からは豊和工業によるライセンス生産が開始された。イラク人道復興支援活動で陸上自衛隊がイラクのサマーワに派遣された際には、宿営地に対する自動車突入などのテロ対策用小火器として持ち込まれている。 2001年(平成13年)から01式軽対戦車誘導弾に更新されることとなっていたが、コスト・多用途性・汎用性に勝ることから多用途支援火器として存続することとなり、2012年(平成24年)からはカールグスタフM3の調達が開始され、平成24年度には多用途ガン表記で、平成25年度以降からは84mm無反動砲(B)表記で調達されている。2016年度予算で30門が調達され、まず水陸機動団に配備後、第一空挺団へ優先配備される模様である。調達価格は約1,000万円である。 旧式のうち、余剰となったものは特科・機甲・施設・後方支援部隊の自衛火器として管理替えされ、現在も第一線で使用されている。 カールグスタフM3の調達数予算計上年度調達数平成24年度(2012年) 3門 平成25年度(2013年) 17門 平成26年度(2014年) 24門 平成27年度(2015年) 0門 平成28年度(2016年) 6門 平成29年度(2017年) 3門 平成30年度(2018年) 0門 合計 53門 使用した84mm無反動砲を清掃する自衛隊員 84mm無反動砲の砲身後部ノズルを開放し、弾薬を装填する陸上自衛隊員 砲弾を運用している隊員 84mm無反動砲を装備した陸上自衛隊員(西部方面普通科連隊) 陸上自衛隊が採用する84mm無反動砲
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