標準理論
別名:標準モデル、標準模型、素粒子の標準理論
素粒子物理学における理論モデル。物質を作る粒子や力を伝える粒子などを想定し、「強い力」や「弱い力」などを説明・記述する。
標準理論の枠組みは1970年代に確立された。その後の実験でも、実験結果はいずれも標準理論を裏付ける内容となっている。標準理論の枠組みを構成する粒子のうち「ヒッグス粒子」と呼ばれる粒子だけが、2000年代になっても存在が確認されていない。もしヒッグス粒子の存在が確認できれば、標準理論の正しさが証明され、理論が完成することになる。
2012年7月4日に、LHC(大型ハドロン衝突型加速器)などを使って研究を行っていた国際研究チームが、「ヒッグス粒子とみられる素粒子」を検出したことを発表した。発表時点ではヒッグス粒子であると断定されていない。
関連サイト:
素粒子の標準模型 - 佐賀大学理工学部
素粒子の標準理論 - 奈良女子大学 素粒子論研究室
ひょうじゅん‐モデル〔ヘウジユン‐〕【標準モデル】
読み方:ひょうじゅんもでる
⇒標準模型
標準模型
(標準モデル から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 13:51 UTC 版)
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標準模型 | ||||||||
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標準模型の素粒子 | ||||||||
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標準模型(ひょうじゅんもけい、英: Standard Model、略称: SM)とは、素粒子物理学において、強い相互作用、弱い相互作用、電磁相互作用の3つの基本的な相互作用を記述するためのモデルのひとつである。
標準理論(ひょうじゅんりろん)または標準モデル(ひょうじゅんモデル)とも言う。多くの物理現象をほぼ的確に描写する仮説である。
概要
標準模型は、強い相互作用についての量子色力学、弱い相互作用と電磁相互作用についてのワインバーグ=サラム理論をあわせた SU(3)c×SU(2)L×U(1)Y ゲージ対称性を基礎とし、ヒッグス機構による真空の対称性の破れとフェルミオンの質量獲得、アノマリーの相殺の要請によるフェルミオンの世代構造と世代間混合とCP対称性の破れについての小林・益川理論などの理論も組み込まれたものである[1]。標準模型は特殊相対性理論と整合する量子論として、場の量子論的方法で記述され、今のところ重力をのぞき、場の量子論であつかわれるあらゆる事象を的確に描写している[2]。
標準模型の素粒子
標準模型の素粒子は力を媒介するスピン1のゲージ粒子、対称性を破るスピン0のヒッグス粒子、物質を構成するスピン1/2のフェルミオンからなる。
ゲージ粒子
粒子名 | 記号 | ゲージ対称性 |
---|---|---|
グルーオン | G | SU(3)c |
Wボソン | W | SU(2)L×U(1)Y |
Zボソン | Z | |
光子 | A |
標準模型はヤン=ミルズ理論に従い、それぞれのゲージ群に対応するゲージ粒子が存在する。
SU(3)Cに対応するゲージ粒子はグルーオンと呼ばれている。
SU(2)LとU(1)Yに対応するゲージ粒子に関しては、ヒッグス機構によりゲージ場の混合と質量の獲得が起こるので、多少複雑な様相を呈する。ウィークアイソスピン SU(2)L の非対角成分は質量を獲得してWボソンとなり、対角成分とウィークハイパーチャージ U(1)Y は交じり合って、質量を獲得するZボソンと質量を獲得しない光子になる。
フェルミオン
粒子名 | 記号 | 表現 |
---|---|---|
クォーク | Q | (3,2)1/6 |
上系列反クォーク | U | (3*,1)-2/3 |
下系列反クォーク | D | (3*,1)1/3 |
レプトン | L | (1,2)-1/2 |
反荷電レプトン | E | (1,1)1 |
フェルミオンは強い相互作用をするクォークと、強い相互作用をしないレプトンに分けられる。さらに、クォークとレプトンは、それぞれ左手型(left-handed)粒子と右手型(right-handed)粒子に分類することができる。標準模型における左手型粒子は電弱相互作用のウィークアイソスピンを持つが、右手型粒子は持たない。そのため、左手型粒子と右手型粒子ではゲージ相互作用の形が異なり、標準模型はゲージ相互作用に関してカイラルな理論となっている。また、この性質のために、電弱対称性がヒッグス機構によって破れないかぎり、全てのクォークとレプトンは質量を持つことができない。全てのクォークと荷電レプトンは、ヒッグス機構によって質量を獲得する。ニュートリノは標準模型の範囲内では質量を持つことはない
フェルミオンは左手型クォークと左手型レプトン、右手型アップクォークと右手型ダウンクォーク、右手型荷電レプトンで世代と呼ばれるグループを構成する。一般に、ゲージ相互作用を含む模型については、カイラルアノマリーと重力アノマリーが相殺されている必要があるが、世代を構成するフェルミオンの間でアノマリーが相殺される構成になっている。標準模型は、3世代のクォークとレプトンが存在する。小林・益川理論によると、フェルミオンの混合によりCP対称性が破れるためには3世代以上のフェルミオンが必要である。実際に、フェルミオンの混合に起因するCP対称性の破れは実験で確認されており、標準模型による予言と良く一致することが確かめられている。
ヒッグス粒子
標準模型では、ヒッグス機構により電弱対称性が自発的に破れる。一般に場の揺らぎは粒子として解釈されるが、ヒッグス場の4つある揺らぎの自由度のうち3つは、WボソンとZボソンが質量を持つことに伴い、その縦波成分として吸収される。残りの1自由度は、スピン0のスカラー粒子であるヒッグス粒子としてあらわれる。2012年7月にジュネーブ郊外の欧州原子核研究機構 (CERN) で行われているLHC実験により新粒子の発見が発表された[3]。この新粒子の性質はヒッグス粒子と良く一致しており、その後のスピン-パリティ観測、崩壊後粒子の信号強度の検証により標準模型におけるヒッグス粒子、およびこれを内包する理論によるヒッグス粒子であることが認定された。
歴史

- 1928年 - ポール・ディラックが相対論的量子力学により、電子の反粒子の存在を予言(ディラック自身はこの粒子を陽子と解釈しようとした)
- 1931年 - ヴォルフガング・パウリがニュートリノの存在を予言
- 1932年 - カール・デイヴィッド・アンダーソンにより、電子の反粒子である陽電子が発見された
- 1948年 - 朝永振一郎、リチャード・P・ファインマン、ジュリアン・シュウィンガーによる量子電磁力学の繰り込みの発表
- 1954年 - 楊振寧、ロバート・ミルズによりヤン・ミルズ理論が発表された[4]。
- 1956年 -
- 1957年 - 呉健雄らのグループがコバルト60のベータ崩壊においてパリティが破れていることを観測した(ウーの実験)[7]。
- 1964年 -
- 1967年 - スティーブン・ワインバーグにより後のワインバーグ=サラム理論が発表された[11]。(1968年にアブドゥッサラームも独立に発表[12]。)
- 1971年 - ヘーラルト・トホーフト、マルティヌス・フェルトマンがヤン・ミルズ理論の繰り込みに成功[13][14]。
- 1973年 -
- 小林誠と益川敏英により小林・益川理論が提唱された[15]。
- デイビッド・グロスとフランク・ウィルチェック[16]、H. デビッド・ポリツァー[17]による漸近的自由性の発見
- ガーガメル実験により、中性カレント反応(Zボゾンを介した相互作用)が発見された。
- 1974年 - サミュエル・ティンらのグループ[18]、バートン・リヒターらのグループ[19]により、独立にジェイプサイ中間子(チャームクォーク)が発見された(11月革命)
- 1977年 - レオン・レーダーマンらのグループにより、ウプシロン中間子(ボトムクォーク)が発見された[20]。
- 1983年 - カルロ・ルビア、シモン・ファンデルメールらのグループにより、Wボソン[21]、Zボソン[22]の発見
- 1995年 - テバトロン実験により、トップクォークが発見された[23][24]。
- 2012年 - LHC実験によりヒッグス粒子が発見された[25][26]

未解決の問題
標準模型は2014年現在までに行われた素粒子物理学に関する実験結果をほとんど全て矛盾することなく説明することができているが、その一方で、理論的または実験・観測的観点から解決すべき問題をいくつか抱えている。このことは標準模型を超える物理の存在を示唆する。この節では標準模型において未解決の問題を列挙する。
重力の量子化
標準模型は基本的な相互作用とされる4つの力のうち、電磁気力、弱い力、強い力の3つをヤン=ミルズ理論に基づき量子論的に記述することに成功している。しかし、残りの1つである重力についてはその記述を欠いている。言い換えれば、重力を媒介するとされる重力子は標準模型の粒子のリストに含まれていない。これは、標準模型の基礎的な枠組みとなっている場の量子論における量子効果による発散の相殺を重力理論に適用できないからである。重力を量子論的に扱うことができる枠組みの候補としては、超弦理論、ループ量子重力理論などが挙げられる。
大統一理論
標準模型が記述する3つの力のうち、強い力は、電磁気力と弱い力とは別のゲージ対称性により記述されている。このため、3つの力を統一的に理解することは難しい。しかし、電磁気力を記述するU(1)ゲージ対称性が ウィキメディア・コモンズには、標準模型に関するメディアがあります。
- 電子・陽電子リニアコライダー計画[リンク切れ]
- The Review of Particle Physics (2023) (素粒子物理学の総論) - 2022年までの素粒子の実験と理論をまとめた論文 (英語)
- 素粒子の標準模型 (日本語)
標準モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/10 02:27 UTC 版)
製品長さ間口鍵盤種類モデル155 155 cm 151 cm 88鍵 グランドピアノ モデル170 170 cm 151 cm 88鍵 モデル185 185 cm 151 cm 88鍵 モデル200 200 cm 151 cm 88鍵 モデル214 214 cm 151 cm 88鍵 モデル225 225 cm 159 cm 92鍵 モデル280 280 cm 160 cm 88鍵 モデル290 "インペリアル" 290 cm 168 cm 97鍵 モデル130CL 132 cm 152.5 cm 88鍵 アップライトピアノ 「インペリアル」とも呼ばれる最上位機種のフルコンサートグランドピアノ「モデル290」がベーゼンドルファーの代表機種で、標準の88鍵の下にさらに4〜9組の弦が張られ、最低音を通常よりも長6度低いハ音とした完全8オクターブ、97鍵の鍵盤(エクステンドベース)を持つピアノとして有名である。これはフェルッチョ・ブゾーニがJ.S.バッハのオルガン曲を編曲したとき、低音部に標準のピアノでは出せない音があったため、ルードヴィッヒ・ベーゼンドルファーに相談したことが始まりと言われている。エクステンドベースが追加されたことによって弦の響板が広がり、共鳴する弦も増えて中低音の響きが豊かになった。しかしそのため、しばしば一部のピアニストからは「中低音の響きは豊かだが、高音とのバランスを考えて弾かなければならず、弾きこなすのが難しいピアノだ」と言われる。以前は、拡張域の鍵の部分に小さな蓋を付けることで、一般の曲の演奏時に誤打を防いでいたが、現行品では白鍵も黒くすることで区別している。 音色は至福の音色と呼ばれる。ベーゼンドルファーのピアノは1年以上の月日をかけて全工程を手作業で作られている。代表的なモデルでは井形に組まれた強固な支柱の上にスプルース材のブロックを積み上げてインナーリムを製作し、それに比較的薄いスプルースからなるアウターリムを張り合わせることで、ピアノ全体がスプルース材を介して豊かな中低音を響かせる設計となっている。現在までにベーゼンドルファーが生産したピアノは50,000台ほどで、およそヤマハの100分の1、スタインウェイの10分の1である。
※この「標準モデル」の解説は、「ベーゼンドルファー」の解説の一部です。
「標準モデル」を含む「ベーゼンドルファー」の記事については、「ベーゼンドルファー」の概要を参照ください。
「標準モデル」の例文・使い方・用例・文例
- 「キンドル・ペーパーホワイト」の価格は標準モデルが7980円,3Gモデルが1万2980円だ。
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